プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

日銀 金利上昇抑制の無策

2013-06-12 09:46:08 | 日記
 「我が国経済は順調に回復への道筋を辿っている」、黒田日銀総裁は、何の根拠もデータも示さずに、そう発言しました。イタリアでは、アベノミクスをもじって、「アベカリプス」と揶揄されているそうです。1字違いの「アポカリプス」とは「破局」という意味です。まさしく日本経済は、「破局」の道筋を辿っているように思えて仕方がありません。

みずほコーポレート、、新生、あおぞらの3銀行が、「企業向け融資の指標となる長期プライムレートを0,05%上げ、年1.30%」引き上げました。「3ヶ月連続で、1年ぶりの金利水準」です。(引用は『朝日新聞』)只でさえ低調な設備投資に、金利高騰で完全に景気を冷え込ませることになります。住宅ローンも2ヶ月連続で上がり、国民の首をじわじわと締め付けています。国債10年物の長期金利は0.88%と上昇、しかし日銀は昨日の会合で、長期金利上昇抑制の方策を出しませんでした。正確に言うと、金利高騰を抑制する手段がない(策を出せない)ということのようです。

 国債価格の下落(金利の上昇)は、国(債)の信用が落ちているということを意味します。4月4日の黒田「大規模緩和」発言で0.45%を付けた金利は、5月29日には0.94%と急上昇、この間、東京証券取引所では(乱高下を防ぐ為)国債の取引を一時停止する「サーキットブレーカー」を8回も発動するという緊急手段を取っています。この乱高下(というより異常上昇)は、国債の買い手が(安定して)いないということを意味します。日銀は4月に2度、総額1兆2,000億円の買いオペを実施しましたが、市場をコントロールすには至らず、「日銀が如何に機動的にチューニング(調整)を行なっても、長期金利はコントロールできないのではないかとの疑念が」(『週刊ダイヤモンド』)現実のものとなっています。

 一橋大学の野口教授は、「金利が上昇すると、(国債を)売れば損する。従って、銀行は国債を手放さずに償還期限まで保有し続け、金利を得ようとする・・・つまり、企業どころか銀行にもお金が流れなくなる(滞留する)」、「その時日銀は・・・禁じ手とされる『引き受け』に手を染めるかもしれ」ないと警告しています。その「引き受けとは、市場を介さずに、直接日銀が政府から国債を購入する」、「政府が日銀から際限なくお金を融通できるシステム」で(実際もう既に実質上「財政ファイナンス化」してしまっています)、「財政支出を抑制する必要がなくなり」(政府は財政再建の意思すら表明していません)、「支出が止めどもなく増える」(既に巨額の公共事業を発注しています)ことになります。

さらに同教授は、「その結果、インフレが起きる」(景気が悪いのにインフレだけが進む悪いインフレです)、「それを予想した投資家の資産が海外に逃げていくキャピタル・フライト現象が始まって、国債の暴落、円安が進む。円安が輸入物価の高騰を招き、さらにインフレに拍車を掛ける」という悪循環が起きる危険性があると指摘しています。「ユーロ危機などがあり、日本へ資金が流入」、日本は「いわば国債バブル(超低金利状態)いつ国際価格が低下するか分か」らない情況でした。そして現実に国債は大きく下げています。

 円安誘導などと、自国の貨幣を意図的に低下させるなど、馬鹿げた政策(無茶苦茶)です。日本のGDPに対する輸出額は、14%に過ぎません。日本は最早、円安で儲ける産業構造にはなっていないのです。円安という通貨安政策は、国の信用をわざわざ落としているようなものです。(自国通貨安に連動して)国債もそれに連れて安くなる(金利が上がる)のも頷けます。これでさらに、(景気指標を粉飾して)消費税を上げれば、冷え込んだ景気はさらに悪化する(税収も下がる)というデフレスパイラルが一気に加速することは間違いがないように思うのです・・・

P.S. 副島隆彦氏は、「政府と中央銀行が、互いに発行券を持つ通貨(お札)と国債を交換し合うことは、無限大の信用創造であり、財政規律を失うこと、日本の財政法や日銀法でも違法であり、禁じ手である」と警告しています。今、政府と日銀が行なっている金融緩和とは、その違法な「禁じ手」をこれまでにない規模で実施しているのです。正しく、「破局」(アポカリプス)への道をまっしぐらに突き進んでいるのです・・・

P.S.2 愛媛県では、伊方原発での過酷事故を想定した避難計画を立てました。その避難手段の「基本」が「自家用車の相乗り」だそうです。私の所有する軽トラック(定員2名)では両親すら乗せられませんが、緊急時ですので、荷台に乗ってもらって避難します。勿論、ご近所で車のない方を、荷台ですけど、お乗せして差し上げることに何の躊躇もありません。ただ、それでも渋滞は免れないでしょう。それより何より、伊方町(約1万1千人)の住民の方々の第1の避難先が私の住む松前町(原発から約60キロ)になっています。言うなれば、飯舘村や浪江町と同じ地理的場所にあります。かの原発事故で、最も被曝線量が高かった地域に相当します。松前町に避難するのではダメなのではないかと思います。それを原発事故で学んだのだと思うのです。今の避難計画では、住民を被曝から守ることはできない、そう思うのです・・・

P.S.3 「仏教徒の会」による座り込みですが、今日からではなく、明日から1週間(13日~19日)でした。大雑把な人間なので、勘違いしていました。お詫びと共に訂正させて頂きます。場所は前回、前々回と同じく「ぼっちゃん広場」です。チラシ等も配るかと思いますが、ご協力お願いします・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年6月12日)

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