プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

泉南石綿訴訟 大阪高裁判決

2013-12-26 11:04:07 | 日記
 大阪高裁が、石綿裁判で始めて国の責任を認める判決を出しました。(以下、引用・参照は『朝日新聞』)戦前から世界有数のアスベスト消費国であった日本では、健康被害が(戦前から)指摘されていたにも拘わらず、長らく放置されてきました。判決は、国の不作為は「著しく合理性を欠き違法」だと断じました。

 (判決要旨がないので新聞記事に頼りますが)判決では、アスベストを吸い込むことで「石綿肺」が発症する医学的知見が確立した時期を、旧労働省の調査がなされた1958年とし、(13年間も放置して)1971年まで石綿粉塵を除去する排気装置の設置を(罰則付きで)義務付けなかったのは「著しく合理性を欠く」としました。

 また工場内での粉塵の「濃度規制」については、学会から規制強化を行なうよう勧告を受けながら、14年間も放置して1988年まで学会の「勧告値」に従わなかったと指摘、さらに、1995年までマスクの使用や石綿の病気に関する安全教育の実施すら義務付けなかったことは「国の規制の不備で違法」と指弾しています。

 結果、救済対象は1958年から1995年までの労働者に、賠償責任の国の割合が2分の1に引き上げられ賠償額も倍増したとのことですが、これでは解決にもなりません。実は2006年には、「石綿健康被害救済法」が制定されていますが、「救済」からは程遠い内容です。しかもアスベストの被害は進行中で、悪性胸膜中皮腫で今後40年間で10万人の死亡が推定されています。しかも、「原則禁止」と(表面的には禁止されたかに見える)アスベストですが、実は建築現場から石綿製品はなくなっておらず、ジョイントシートやパッキング等も規制の対象外で、機械関連の会社でも、アスベストの新規使用は続いているそうです。外国並の「原則禁止」に規制を強化する必要があると思うのです・・・

P.S. アスベストの健康被害は戦前から、欧米では早くからその問題が指摘され、日本の政府も知っていました。知っていながら、その「利便性」や「安さ」を優先させて利益を上げてきました。安全や健康被害を無視してきたのです。やはり、人の健康や命という犠牲(コスト)の分だけ、「利益」を上げてきたと考えざるを得ません。原発も自動車も同じです。同じ構造的の中にあるのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年12月26日)

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