プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

基準を満たせばよいのか緊急時対策所

2014-07-26 10:42:40 | 日記
 原発事故時に事故の対応や指揮を行ない、新規制基準では十分な耐震性と放射線を防護する機能を求められている緊急時対策所(免震重要棟)、伊方原発の同施設は基準地震動の引き上げに伴い耐震性が不十分となり、新基準を満たさないとして、四国電力は新たな施設を造るとのことです。9月に着工し、5、6ヶ月の工事で来年1~2月に完成予定です。

 伊方原発では既に2年半前に、40億円を掛けて約600平方メートルの対策所を新設していましたが、基準地震動を上方修正したため、基礎部分に耐震性の問題が生じ、さらに新たな施設を建設するとのことです。他原発でも、放射線防護が不十分として女川原発や東海第2原発が、放射線防護及び耐震性が不十分として浜岡原発も同施設を新設するそうです。いずれにしても、新基準に合わせて、(抜本的な対策ではなく)マイナーなカスタマイズをしているようにしか思えません。

 そもそも新基準そのものが、既存の原発を如何にして再稼動できるか、その(再稼動可能な)範囲内での追加措置的なもので、しかもその追加措置にも(フィルター付きベント設備など)時間的な猶予が与えられ、兎に角不十分でも取り合えず動かすことを最優先にした基準でしかありません。経済界の中には、最新の原発なら楽に審査が通るとして、原発の新設を求める動きがありますが、コア・キャッチャー付き原子炉など、本来の世界の最新の原発で、実効性のある避難計画が稼働の要件となっている、正しく「世界基準」を満たしているのならば、まだしもというところなのですが、取って付けたような「基準」では、何ら過酷事故対策にはなっていないと思うのです・・・

P.S. 実質的な審査に合格した川内原発ですが、過酷事故を想定したシミュレーションでは、全交流電源が喪失、冷却用配管なども破断し、緊急時冷却も失敗した場合、19分後に炉心溶融が始まり、1時間半後には原子炉が破損、それでもポンプなどで給水を行い、24時間後には安定的な状態になるとしています。放射性物質の放出量も、福島の0、06%(7日間で5、6テラベクレル)程度としています。どうこでどうやったら、こんな楽観的な見通しになるのか分かりませんが、余りにも過酷事故を過小評価し過ぎているように思います・・・

P.S.2 規制委員会は昨年の春、福島第1原発事故の約1%(100テラベクレル)を超える原発事故を、1基当たり100万年に1回程度を超えないようにするようにとの「目標」を掲げたそうです。(1基当たりなので、50基なら全体で2万年に1度程度となります)原発リスクの専門家によると、「多くの人が小さい値と捉えるだろうという数字を目標にしている」に過ぎないと指摘しています。まあ、「目くらまし」のようなものです。(福島の1%の事故が)100万年に1度なら、福島第1原発の事故は1億年に1度の事故だったということになります。人類史上と言いますか、地球史上と言いますか、もう2度と過酷事故は起こらないと言っている様なものです。全くの「安全神話」です。チェルノブイリ、スリーマイル、そして福島と、ほぼ20年毎に過酷事故が世界では起こっています。それが日本ではないことを願っていますが、こんな「目くらまし」に頼るような規制の状況では、決して同じ轍を踏まないとも限らないと思うのです・・・

P.S.3 皆様、本当に暑いですねえ。くれぐれも熱中症にならないようにお気をつけ下さい。屋内にいても、夜中でも、(熱中症に)掛かるそうです。(私も)「晴耕」(雨読)などしていては身体がもちませんから、日中は「ごろごろ」して、読書でもして過ごそうと思います。それでは、ごきげんよう、さようなら・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年7月26日)