プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

原発再稼動人事

2014-07-18 10:32:06 | 日記
 (もう既にご存知だとは思いますが)島崎委員長代理の首を切って、田中東大教授を規制委員に挿(す)げ替える、「人事」でご自分のお考えを政策に反映する、安倍首相得意の常套手段です。原発を推進資源エネルギー庁幹部でさえ、「余りに露骨過ぎて、役人にはできない人事」との声も。

 地震学者の島崎邦夫氏は、2002年、国の地震調査委員会の部会長として、福島を含む日本海溝沿いのどこでも高い津波が起こる可能性を指摘していたそうです。しかしその指摘は生かされませんでした。震災後島崎氏は、「あの予測をもとにしていれば、対策があったはず」とし、「自然が語りかけることに素直に耳を傾ける。この基本に立ち返って科学的な判断を提供したい」として委員就任を引き受けたとのことです。

只、東洋大学社会学部の渡辺氏が言われるように、地質学者や地震学者は、本来学問としての活断層を扱う「専門家」ではないという事実があります。いくら地盤が固くても、いくら耐震性を十分に持たせても、地震による「ズレ」が生ずると建造物は破壊されてしまうのです。こうした「ズレ」の評価が、現在の(着せ委員会の)活断層評価において、全くなされていないというのが現実なのです。

 それでも島崎氏は、これまでの形だけの審査から、電力会社にきちんとデータを提出させ、断層の「審査」を初めてまともに行なった人かもしれません。電力会社や政府(自民党)から「島崎降ろし」の声が吹き荒れたのも当然かもしれません。その島崎氏も(様々に問題が指摘される)川内原発の再稼動審査に「Yes」を出しました。火山の専門家からは、巨大噴火によるリスクがあり、「本来建ててはいけない場所」と指摘されているにも拘らずです。本当に残念なことです。

 一方、「露骨な人事」で委員に就任する田中氏は、元日本原子力学会長で2012年まで「日本原子力産業境界」理事を務め、日立GEニュークリア・エナジーや電源開発などからも寄付を受けてきました。また、日本原燃では(09~13年度)、三菱FBRシステムズでは(07~)今年の委員就任の国会承認を受けるまで同社から報酬を受けています。(両社の報酬額については公開せず)

 昨日まで「原子力村」のトップであった人間が、明日から規制する側になるのです。しかもその専門家としての能力に疑問符が付いています。同氏は、2007年7月から今年6月まで高速増殖炉の開発を行なっている三菱FRB社で「アドバイサリー・コミッティー」(顧問)を務めています。しかし高速増殖炉は止まったままで、(技術的にも)何ら進展していません。(高給を戴いていたのでしょうが)彼は何をアドバイスしてきたのでしょうか?

また、日本原燃では(09年5月~今年3月まで)「ガラス固化技術研究評価委員会」の委員長をしていました。(ご存知のように)ガラス固化技術も全く止まったままで、最早(元々フランスアレバ社の技術を導入しているのではありますが)自前でガラス固化などできないのは周知のことです。彼は何を委員長として「評価」してきたのでしょうか?もし仮に専門家として同氏を評価するとしたら、「再稼動」へのお墨付を与える役割としては「適任」ということなのでしょう・・・

P.S. 原子力政策が専門の勝田准教授は、「新規制基準は世界最高水準のものではない」、「既存の設計に安全対策を追加させただけ」、「各事業者は、基準が施行されて早々に審査を申し出ている」が、(追加的とはいえ)「数多くの技術的・人的な安全対策を要求」されており、「基準を満たすのはかなり困難なはず」だと指摘されています。実際、審査が事実上合格となった川内原発でも、制御室、電源・ポンプを備えたバックアップ施設が猶予されているだけでなく、フィルター付きベント設備すら5年間猶予されています。何ら基準を満たしていない、(安全じゃないけど)猶予しているだけのように思います・・・

P.S.2 また同准教授は、「規制委員会の言うことだけを素直に聞いているという理由で、川内原発1・2号機に最初に許可が下りるとすれば、それは危険な徴候」だと指摘しています。実際九電は、指摘を受け基準地震動を540ガルから620へと引き上げ最難関を突破、審査を優先され「合格」第1号となっています。逆に関電などは、これまで(の悪癖)どおりにデータは出さず、基準地震動引き上げ等の安全対策を渋り、審査が非常に遅れています。これもまた傲慢そのもの、事故後も何も(その姿勢は)変わっていないということですが、「変わり身の早さ」が再稼動への「最短距離」では、審査も何もあったものではない、そう思うのです・・・

P.S.3 小堺さんの「ごきげんよう」で、(お名前も心理学の呼称も忘れたのですが)自分を理解する心理学のコーナーがあります。私はタイプでいうと「改革する人」です。昨日のテーマの「あなたのセカンドライフ」では、私のようなタイプの人は、「楽しい人生にシフトしていく」のが良いのだそうで、「まずは思いっ切り笑うことから始める」ことだそうです。(どのような世相、どのような暗い毎日でも)やはり楽しみを見つけて、1日一つでも喜びを得る努力をしないといけないと(常々)感じています。今日も「ごきげんよう」を観ようと思いますが、(小堺さんゴメンナサイ)余り面白くなくても、思いっ切り笑ってみようと思います・・・ちなみに、小堺さんの鼻の穴を思い浮かべると、いつでも笑えるかもしれません。ごきげんよう、さようなら・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年7月16日)