プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

代謝を促す「保養」プログラム

2014-07-08 10:31:01 | 日記
 (先日書きました)現在、福島市から京都に妻子を避難させている吉野さんが、今尚福島市に留まっているのは、福島の子どもたちを汚染のない環境で体内に蓄積した放射性物質の代謝を促す「保養」のプログラムに従事しているからです。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)

 吉野さんは、勤めていた会社の仕事が震災・原発事故後に激減、6月に退社し、2011年8月に福島の避難所の支援を行っていたNPO法人「シャローム」の職員に採用され、(上記の)「保養」プログラムの担当になります。近隣をはじめ関西や北海道、沖縄など保養先として受け入れてくれる組織と、保養を望む人との仲介役をされています。

 放射性物質が代謝によって体外に排出されるのは、9歳児くらいで約40日だそうです。しかし、実際には、土日だけとか、長くても夏休み等を利用した1週間から10日ほどだそうです。それでも、被曝の心配のない場所で、思い切り遊んだ子どもたちは元気を取り戻す、その姿を見て、吉野さんは活動を続けています。

これまでに吉野さんが「保養」に連れて行ったのは600人、「住み続けている子らがいる。彼らを少しでも守りたい」という思いで、活動が上手く行かなかった時期も乗り越えたとのことです。こうした活動が評価され、続いていくことを願っています・・・

P.S. 吉野さんには、妻子を避難させることができたことに対して「感謝」と、そして「後ろめたさ」があるそうです。避難指示を受けて避難した人にはない「苦しみ」が、自主避難の方々にはあるように思います。旧ソビエトですら強制避難させている汚染した地域に、政府は避難指示を出さず、住民を住まわせ続けているという異常な事態が、このような不幸な「十字架」を(正当な判断をした)自主避難者に対して架しているのです。せめて、「保養」のようなプログラムによって、少しでも子どもたちの体から、放射性物質を排出できればと思います・・・

P.S.2 しかしながら、こうした「保養」プログラムへの政府や自治体の支援はありません。「保養」という名前がつけば補助金は出ないのです。放射能汚染された場所に人々を住まわせているという事実を隠蔽するためでしょうか?或いは、賠償から逃れる為でしょうか?いずれにしても、被曝をさせているという責任から逃れようとしているということだけは確かだと感じます・・・

P.S.3 (報道によると)現在22の市や町で出荷制限や自粛が続いている原木シイタケですが、栃木県では事故前の原木を全て廃棄し、原木が地面に触れないようにしてシイタケを栽培しているそうです。この春の調査では、(同県南部の)芳賀町のシイタケからは基準値(1キロ当たり100ベクレル)の10分の1程度の放射性物質(セシウムだと思います)が検出されています。栃木県では、出荷制限解除を今日にも国に申請するとのことです。しかし、基準値には何の科学的根拠もありません。10分の1(10ベクレル)が安全だとの根拠もありません。土に触れなくても尚、10ベクレルの汚染が生じてしまうという「事実」があるだけです・・・

P.S.4 (報道によると)原子力規制庁の安井緊急事態対策監は、トレンチ(坑道)での遮水壁工事について「この程度の(汚染水の)量で固まる固まらないという論議が存在するなら、・・・凍土壁もあれだけの面積でやることは、事実上成り立たない」と話しています。高濃度汚染水が漏れ出るトレンチへの出口を凍らせる工事開始から、2ヶ月以上経っても薄い氷しかできないことから、規制委員会は凍結能力の増強を指示していますが、東電は、凍結しない場合、別の工法に切り替える可能性を示唆、規制委員会は、凍土壁での工事でも同じ問題が起きる(凍らない)可能性を考えざるを得ないとしています。(これまでも指摘されているように)実効性に難があると思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年7月8日)