NHKで南相馬市の除染に関する番組がありました。『福島をずっと見ているTV』で、シリーズもののようでした。ただ、除染も思うようにはいっていないようで、今年市役所に就職し、「除染対策課」に配置された青年が悩みながらも職務に従事していました。兎に角、手間も時間もお金も掛かる除染作業に苦闘していました、
お金と言えば、剥ぎ取った汚染土壌を入れる黒い袋、1袋が6,150円もするそうです。1軒当たりおよそ11袋で袋代だけでも6万7,650円です。6人の作業員が1週間作業して(日当は16,000円)、1軒当たり67万2,000円掛かります。同市内の除染の終了には、まだ3年ほど掛かるとのことで、1日の作業員数は1,200人ですから、一日で1,900万円、3年掛かると人件費だけで138億円の負担です。
それでも、この3年間で(生活圏の)除染を終えたのは同市の2割に過ぎないとのことです。作業の遅れの理由は、やはり作業員の確保が困難なことや、仮置き場の確保が依然難しいことがあるようです。また、除染には住民の了承が必要で、(除染に反対の人もいるでしょうし)避難先の住民への連絡も手間が掛かると思います。行政区が違うだけで、(致し方ないのでしょうが)隣の家なのに1年以上待たさせるということもあるそうです。
また、仮置き場については、(当然なのでしょうが)自分の近くにできることに反対する住民は少なからずいるとのことです。また賛成の人でも、色々な思いを飲み込んでいて、(賛成反対の)「単純な二極化」はできないとのことです。さらに、自分の土地を提供しなければいけない人の犠牲があって、除染は進んでいる現実があります。これは、「帰還」に関しても同様のことでしょう。どのような選択をするにしても、複雑な思いを抱きながら、また様々に犠牲を払うことが求められているように思います。
若い(上記の)職員は、「除染することで、子どもたちが帰ってくのであれば嬉しい」のだと話していましたが、除染の効果は3~5割程度線量が下がるだけで、根本的な被曝対策はできません。これまでのアンケートでも、やはり子どものいる世帯では「帰還」よりも避難先や他県で移住することを望んでいるように思います。実際、(税金の課税免除などの制度を利用して)住宅を取得した避難者の数は、(数字は忘れましたが)昨年より倍増しているそうです。只、無職で経済的にも楽でない方で、まともな賠償すら得られなければ、それも叶わないと思いますが・・・
P.S. 宮城県丸森町の筆甫地区の住民698人は昨年5月、福島県の自主避難等の対象区域と同等の賠償金を払うよう、ADRに仲介手続きを申し立て、東電も和解案を受け入れたそうです。(それでも「スズメの涙」でしょうが)住民組織の事務局長、吉沢さんは「これでやっとスタートラインに立て」たと話されています。しかし(同地区以外の丸森町でもそうでしょうが)同地区は、(13年10月に制定された)「子ども・被災者支援法」の支援対象地域には未だに指定されていません。政府が、支援は必要だと認めていないということです・・・
P.S.2 除染に関しても、12年に丸森町が除染計画を立てた時は、筆甫地区や川平地区で毎時1μSvを超えており、高圧洗浄器や浄土の剥ぎ取りを予定していましたが、線量が毎時1μSvを下回ったため、「軽度の除染」の対象地区となり、(以前書きましたが)「草むしり」除染になったそうです。毎時1μSvを下回ったといえ、年間被曝で3~4mSvもの被曝を受忍しなければいけない線量です。(除染そのものの是非もありますが)避難すべき汚染だということだと思うのです・・・
P.S.3 手塚治氏が描いた「きりひと賛歌」(ちなみに、主人公の「きりひと」はイエス・キリストがモデルだと思います)で、(希土類である)レアメタルからの放射性物質(サマリウム)が原因で「奇形」が生じる物語を書かれています。ご自身医学博士でもあった手塚氏の漫画は、医学的に見ても非常に詳細で説得力がありました。科学者としての同氏の先見性は、(私が子どもの頃読んだものでも)例えば「クローン人間」や「リニアモーターカー」、「養殖マグロ」など(人間こそクローン化されていませんが)現実のものとなっています。放射性物質やそれから発せられる放射線によって、遺伝子異常が起こることを、(科学的知識としても持っておられたのでしょうが)予見されていたように思います。それが(不幸なことに)福島で実際に(虫や鳥、植物では既に顕われていますが)、(福島を含め)汚染された地域で進行している、(残念ですが)そう思うのです・・・
by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年7月1日)
お金と言えば、剥ぎ取った汚染土壌を入れる黒い袋、1袋が6,150円もするそうです。1軒当たりおよそ11袋で袋代だけでも6万7,650円です。6人の作業員が1週間作業して(日当は16,000円)、1軒当たり67万2,000円掛かります。同市内の除染の終了には、まだ3年ほど掛かるとのことで、1日の作業員数は1,200人ですから、一日で1,900万円、3年掛かると人件費だけで138億円の負担です。
それでも、この3年間で(生活圏の)除染を終えたのは同市の2割に過ぎないとのことです。作業の遅れの理由は、やはり作業員の確保が困難なことや、仮置き場の確保が依然難しいことがあるようです。また、除染には住民の了承が必要で、(除染に反対の人もいるでしょうし)避難先の住民への連絡も手間が掛かると思います。行政区が違うだけで、(致し方ないのでしょうが)隣の家なのに1年以上待たさせるということもあるそうです。
また、仮置き場については、(当然なのでしょうが)自分の近くにできることに反対する住民は少なからずいるとのことです。また賛成の人でも、色々な思いを飲み込んでいて、(賛成反対の)「単純な二極化」はできないとのことです。さらに、自分の土地を提供しなければいけない人の犠牲があって、除染は進んでいる現実があります。これは、「帰還」に関しても同様のことでしょう。どのような選択をするにしても、複雑な思いを抱きながら、また様々に犠牲を払うことが求められているように思います。
若い(上記の)職員は、「除染することで、子どもたちが帰ってくのであれば嬉しい」のだと話していましたが、除染の効果は3~5割程度線量が下がるだけで、根本的な被曝対策はできません。これまでのアンケートでも、やはり子どものいる世帯では「帰還」よりも避難先や他県で移住することを望んでいるように思います。実際、(税金の課税免除などの制度を利用して)住宅を取得した避難者の数は、(数字は忘れましたが)昨年より倍増しているそうです。只、無職で経済的にも楽でない方で、まともな賠償すら得られなければ、それも叶わないと思いますが・・・
P.S. 宮城県丸森町の筆甫地区の住民698人は昨年5月、福島県の自主避難等の対象区域と同等の賠償金を払うよう、ADRに仲介手続きを申し立て、東電も和解案を受け入れたそうです。(それでも「スズメの涙」でしょうが)住民組織の事務局長、吉沢さんは「これでやっとスタートラインに立て」たと話されています。しかし(同地区以外の丸森町でもそうでしょうが)同地区は、(13年10月に制定された)「子ども・被災者支援法」の支援対象地域には未だに指定されていません。政府が、支援は必要だと認めていないということです・・・
P.S.2 除染に関しても、12年に丸森町が除染計画を立てた時は、筆甫地区や川平地区で毎時1μSvを超えており、高圧洗浄器や浄土の剥ぎ取りを予定していましたが、線量が毎時1μSvを下回ったため、「軽度の除染」の対象地区となり、(以前書きましたが)「草むしり」除染になったそうです。毎時1μSvを下回ったといえ、年間被曝で3~4mSvもの被曝を受忍しなければいけない線量です。(除染そのものの是非もありますが)避難すべき汚染だということだと思うのです・・・
P.S.3 手塚治氏が描いた「きりひと賛歌」(ちなみに、主人公の「きりひと」はイエス・キリストがモデルだと思います)で、(希土類である)レアメタルからの放射性物質(サマリウム)が原因で「奇形」が生じる物語を書かれています。ご自身医学博士でもあった手塚氏の漫画は、医学的に見ても非常に詳細で説得力がありました。科学者としての同氏の先見性は、(私が子どもの頃読んだものでも)例えば「クローン人間」や「リニアモーターカー」、「養殖マグロ」など(人間こそクローン化されていませんが)現実のものとなっています。放射性物質やそれから発せられる放射線によって、遺伝子異常が起こることを、(科学的知識としても持っておられたのでしょうが)予見されていたように思います。それが(不幸なことに)福島で実際に(虫や鳥、植物では既に顕われていますが)、(福島を含め)汚染された地域で進行している、(残念ですが)そう思うのです・・・
by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年7月1日)