のんびりパドラーのブログ

あまりカヌーとは関係ないことがほとんどですが・・・

メタンハイドレート

2011-07-17 | エコロジー
 メタンハイドレートをご存じでしょうか。
 低温高圧下で氷に閉じこめられたメタンで、メタンを燃料として利用するとCO2排出量が半分になるらしく、地球温暖化防止の観点からも注目されているエネルギーです。
 低温高圧下ということで、シベリアやカナダの凍土の下や、海底に眠っています。海底というのは、水深1000m位のところの、地下数100m辺りを掘削しなければならず、これを得るためには多大なコストが掛かります。日本近海にも眠っていて、東南海地震を引き起こすと言われている南海トラフには大量に埋蔵されているとか。その埋蔵量は、日本近海だけで日本が消費する天然ガスの100年分とも。石油は相変わらず輸入が必要でしょうけど、メタンは輸出も可能になるほどなのです。
 ただし、メタンは地球温暖化の効果がCO2の44倍もあるという研究結果もあり、本当に温暖化防止に役立つのか、まだ誰にも分かっていません。一方で、進行中の地球温暖化によって、低温高圧下でしか安定しないメタンハイドレートが海に溶け、それがやがて大気に放出されて温暖化がに拍車が掛かり、さらにメタンハイドレートが溶けて・・・という悪循環も起こるかもしれません。これが地球温暖化の予測を難しくしています。
 どうせ大気に流れ出るなら、人間が積極的にメタンからエネルギーを取り出した方がいいじゃん、という見解もあり、難問です。
 また、メタンハイドレートを海底から取り出すことで海底で地崩れが起こる可能性もあり、南海トラフだけに、富士山の噴火まで誘発するかもしれねーぞ、というのが、『燃える氷(祥伝社)』に書かれていました。
 物語の後半は富士山の噴火で右往左往する人々が描かれていて、前半のメタンハイドレートの話は尻切れトンボ。富士山噴火との因果関係の説明も弱すぎ。最後までメタンハイドレートで引っ張ってもらいたかったと感じました。

 先日、太平洋にレアメタルが大量に眠っているという調査結果が発表されていましたが、やはり海底での地崩れは起こり得るような気がします。どうなんでしょう。

下町ロケット

2011-07-16 | その他
 二日くらい前に発表された直木賞、池井戸潤著の『下町ロケット』が選定されました。
実はこの著作、その二日前から読み始めたところだったんです。直木賞候補であるとかも知らず、以前読んだ『空飛ぶタイヤ』『民王』が面白かったので、また池井戸作品を読んでみますか、くらいのノリだったのですが、この偶然に、意味もなく庭を掘り返したくなるくらいに興奮しました。
 ある中小企業の苦境と打開・成長を描いたもので、読後の清々しさとか感動が実にいい作品でした。
 私の勤め先の中小企業には開発部門がないので、同じようなサクセスはあり得ないのが残念・・・

医薬品の承認

2011-07-02 | その他
 最近読んだ小説に、海外で普及している薬でも、日本での承認が遅い理由について書かれていました。
 曰く、もし承認した医薬品で薬事訴訟が起こり、それに敗訴でもしようものなら承認した人の将来が閉ざされるから、治験の症例が少ないとか何とかの理由を付けて先延ばしにしているとのことでした。
また、国内の製薬会社が大金を掛けて開発した薬と同等のものが出回ると、製薬会社が経営的に深手を負うことになりかねないため、それを回避すべく、政治家に大きな額の政治献金をしているとか。・・・ありそうな話ですね。
 その薬さえ使うことができたら病気が治るのに、承認されていないためにそれを使えず、みすみす命を落としていく方もおり、このことは婉曲な殺人であるとも言えるんじゃねーの、ってなことでした。
 確かに、上記のような理由で承認を遅らせているのなら許せないですよね。

 未承認薬としてそれを使うという手段もあるにはあるのですが、それまで健康保険が適用されていた治療も含め、全部が保険適用外になってしまうという法律になってるんですよね、これが。保険適用内と適用外の治療をごちゃまぜにするのを混合診療というのですが、歯医者を除いては認められてないんです。だから、保険の範囲内での治療か、全額を自己負担で治療するか、という選択になっちゃうんですよね。・・・というのは、ブラックジャックによろしくで覚えたことです