2月17日から3月31日までの水戸の梅まつりは、水戸藩の藩校、弘道館もその会場です。ここには、60種800本の梅があり、水戸の六名木のほか、偕楽園にない梅もありますので、梅の花を愛でる方にはおすすめのスポットです。
「鈴鹿の関」も数輪開き始めました。底紅という、花の中心部がほんのり紅くなる可憐な花です。
この「座論梅」は、偕楽園や弘道館の写真を撮っている方には、異論のある木です。数個の実をつける品種ですが、雌蕊は1本しか見えません。画面に、自然に優しい防虫フェロモン剤を塗布した赤い針金が写ってしまいました。
「水心鏡」は偕楽園でも撮りましたが、白壁があるとイメージが少し変わります。
「八重冬至」の奥に正庁の屋根が見えます。震災でずれた瓦の補修の際に直した伝統技術の漆喰は、全国から集まった専門の職人さんが地元の左官屋さんに技術を伝えていったそうです。
「藤牡丹枝垂」は、最近人気の枝垂れ梅で、偕楽園でもよく見かけるようになりました。
「臥龍梅」は、幹や枝が地を這い、そこから根を生じる梅、四ツ目垣に囲まれて完全に横になってしまいましたが、毎年しっかり花を付けています。なお、松島瑞巌寺の臥龍梅は、伊達政宗公が朝鮮出兵の折り持ち帰ったといわれており、天然記念物になっています。
弘道館正庁のある有料区域から西側の孔子廟、八卦堂、鹿島神社などのある、いわゆる聖域へ向かう出口専用の門ができました。今まで遠回りしてましたので、今度は梅林を経ての散策コースがずっと手近になりました。
出口の門を囲む四ツ目垣とその先の孔子廟の垣は、縦の竹(立子)の長さも違い横の竹(胴縁)も3本で、公園内の他の四ツ目垣と少し違います。
これは、四ツ目垣でも基本型でなく遊び心を入れて竹の配置を崩した「行」の形というようです。日本の中世以来、書の世界から始まって、いろんな芸道の様式や空間の価値概念を表す「真」、「行」、「草」という言葉を初めて知りました。
写真の、正門の内側にあるのが、四ツ目垣の「真」ということになるのでしょうか。
偕楽園の座論梅の場合は花の中で議論している姿ということですが、九州の湯の宮座論梅という樹齢600年の場合は雌しべが1本で、この場合国境(今の県境見たなものでしょうが)を両藩がこの梅の木のもとで座って議論したことから座論梅というようになったとか。神代植物公園にこの木から分けたものがありまして、全国で2本しかないと説明されています。もしかすると黄門様の時代ころにその座論梅が水戸に来たことも考えられるかもしれませんね。黄門様の母親が誕生にあたって播いた梅も座論梅であったとかの話もあるようです。
ありがとうございました。