キキ便り

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「家族の勝手でしょ!写真274枚で見る食卓の喜劇」を読んで考える

2019-02-01 15:32:59 | 映画・本・テレビなどを語る

 

今年に入って始めた共同研究の参考になるのではと、仲間の研究者がこの本を勧めてくれた。

岩村曜子さん著書、「家族の勝手でしょ!写真274枚で見る食卓の喜劇」

https://bookmeter.com/books/501962

かなり辛口にまとめられているが、実際このような日本でも家庭がもしかして増えているとしたら、かなりの衝撃。

インスタント、ファストフード、出来合いのお惣菜や冷凍食品。

忙しい共働きの家族にとっては理解できないことはないまでも、子どもの好みのものばかり食べさせる、無理強いしない、子どもの食欲がないから朝食抜き、スナック食品を食事代わり、みそ汁回し飲みというのは、びっくりしてしまった。

以前ブログで紹介したが、私が担当している授業で視聴させているJames OliverのTED TALK, Teach every child about food (子どもたちに食の教育をを思い出す。このビデオの視聴後感想を書かせると、自分の子どもに与えている食事が、彼らの将来の健康だけでなく、その次の世代の子どもたちまで影響を与えるということを知り、衝撃を受ける学生が多い。

受講生は、フルタイムで大学に行き、かつフルタイムで仕事をし、家族の世話をするという3役をこなしている社会人学生が多いためである。また金銭的・精神的な余裕もなく、家族の夕食はほとんどピザで済ませる、ということを正直に書いてくる学生もいる。

本を読んで、日本の母親たちは忙しくても、もっとしっかり家族の食育を考えている、と思いこんでいたのが間違いだったことが分かる。こういう私も、今でこそヘルシーな手作りの食事を作っているが、大学院に通いながら仕事をし、子育てをしていた時期は、そんな余裕がなかったことを思い出す。

しかし、もし子どもの口に入る食事が、身体だけでなく脳や心の働きに大きく影響することをはっきりデータで示されたらどうだろうか。縦断的な研究が行われることで、さらに分かってくること、改善の方法が見えてくると予想される。

この本で代表されている家庭は、もしかして日本の子育て真っ只中の家庭のほんの一部なのかもしれないが、議論のきっかけを作ってくれる面白い本だと思う。

 

 

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