goo blog サービス終了のお知らせ 

キキ便り

アメリカ便り、教員・研究者生活、シンプルライフ、自閉症児子育てなど

自閉症子育ての回想:自閉症のきづき

2012-07-28 15:01:03 | 自閉症アメリカ教育事情

新しい研究のアイディアが浮かび、ここ数週間、子育てや家事の合間に文献を収集しています。

テーマは自閉症関係なのですが、論文を読みながら、自分の子育てを振り返る機会にもなり、なかなか刺激になります。

ということで、今後は思いついたことを忘れないように、書き留めておくことにしました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

バイリンガル環境の中で生まれ、育った息子。1歳半頃から、言葉の遅れが気になっていたのですが、バイリンガルの環境で育っている場合、それが見えにくいのです。1歳半検診で、母子手帳のチェックリストや息子の様子を観察した保健婦さんに「言語教室に通いませんか」と勧められたのですが、アメリカ移住が決まっていたので、参加を見合わせることに。

アメリカに移住してからは、引越しが重なり、ようやく落ち着いた先で紹介してもらった心理科のお医者さんは3ヶ月の順番待ち。発達の変化の激しいこの時期に3ヶ月も待つのは納得がいかず、友人の勧めから居住地区の学区で発達テストをしてもらい、「発達遅滞」との診断。この時、息子は3歳になったばかりです。

その時に、「もしかして自閉症じゃないですか」と担当してくださった専門家に尋ねてみると、「どうしてそう思うんですか?」「この時期は、まだ様子をみないとはっきりしたことわかりません」との返答。

今、論文を読んでいくと、この親の気づきから正規の診断までの「タイムラグ」があるために、自閉症を抱える親、特に母親たちのストレスの原因となっているようです。

しかしこの「発達遅滞」という診断のおかげで、学区の障害児のためのプレスクールに入園することができ、療育と教育を開始することができました。

最初に息子のプレスクールを見学した時、涙が出そうでした。肢体不自由、あるいは脳に障がいのあるお子さんたちを見て、息子がその中にこれから入っていくのだということが、信じられませんでした。特に、自閉症児の場合、外見から障がいであることが見えにくいので、なおさら自分の中でギャップが大きかったのではないかと思います。

翌日、息子を迎えに来たスクールバス。障がいを持つ子どもだけを乗せるバスらしいのですが、この学区では一般のジャンボサイズのスクールバスだったので息子も圧倒されました。まだバックパックを買ってあげてなかったので、おむつをいれるバックを肩にかけてあげました。スクールバスの大きさと、3歳になったばかりの息子の体の小ささが対照的で、なんだか息子が不憫でたまりませんでした。

ところがこの息子を担当してくださった年配の先生、毎日交換連絡帳に息子の言葉や行動を書いてくださったので、プレスクールでどんな遊びをしているのか、またその小さな発達の変化も教えてもらえたので、ずいぶん励みになりました。こういう先生とまず最初にめぐり合えたからこそ、障がいを持つ母親としてのスタートを順調に踏み出せたのではないかと、今になって思います。

(続く)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ソーシャルライフを満喫

2012-07-22 17:54:19 | 自閉症アメリカ教育事情

友達がいないとずーっと悩んできた息子でしたが、

夏休み前頃から、通っている教会の同級生の仲間たちと一緒に出かけることが増えてきました。

二日前は、モールにみんなで遊びに行き、スタバでお茶。

先週も今週も、教会の後、仲間たちと一緒にファストフードのお店でランチ。

今夜もまた、モールに集まってみなで遊びに行くそうです。

息子が自閉症だということを、皆気づいているのだろうか、と親は時々不安になるのですが、

コミュニケーションにぎこちない点があっても、仲間に入れてくれる教会の同級生たちの温かさがありがたいです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

フェイスブックに、息子が仲間たちと一緒に撮った写真が掲載されてました。

ファッションのお店で、女の子たちと一緒に麦藁帽子をかぶって、照れた様子の息子。

私たちがフェイスブックに息子の写真を載せようとすると、かんかんに怒るのですが、

友達なら、仕方がないと思っているようです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

息子の青春の始まり

2012-05-30 09:35:02 | 自閉症アメリカ教育事情

今週の土曜日、息子は友だちのバースディーパーティーに行くらしい。

バースディーパーティーに一番最後に招いてもらったのは、いつだっただろうか。プレスクールの時は、プレイグループに入っていたので頻繁にパーティーがあったが、小学校ではお招きにあずかったのは1回きり。中学の時は一度もない。

娘は、1年に3,4回友だちのバースディーパーティーに招待してもらっているので、息子のことをいつも可哀想に思っていたが、これも自閉症者の宿命なのかと半分諦めていた。

ところが今回招いてもらったのは、女の子のバースディーパーティーで、しかも湖にあるセカンドハウスが舞台。彼女の親が所有しているらしい。

15歳の男の子3人、女の子3人が、一日彼女のセカンドハウスで過ごし、湖でボートに乗ったり、水上スキーをして楽しむらしい〔親の監視つき)。

やはりこの街はなかなか豪華さのスケールが違う。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

息子は、ずっと前よりこの彼女に気がある様子だったが、他高校にボーイフレンドがいるらしい。残念!

息子は最初から、彼女は自分など眼中にないと思っているらしいが、最近フェイスブックや携帯で彼女と頻繁にチャットしている様子。

人の目を見て話すのが苦手な自閉症者にとっては、このようなソーシャルネットワークの発明の恩恵は大きい。

面と向かって話せないことを、チャットでリラックスして話すことができるので、息子にも少しずつ友達ができている様子。

さて、どんなバースディーパーティーになるのだろう。監視カメラで見てみたいような親心。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自閉症の息子にやっと友人が出来たと思ったら。。。

2012-05-21 17:59:45 | 自閉症アメリカ教育事情

数週間前、息子に初めて友達ができた様子だった。
最初は、彼のコンピューターを修理するという名目で彼の家に遊びに行き、夕食までご馳走になる。その後も何回か、一緒に宿題をするため彼の家へ遊びに出かけた。バスケットボールの選手だというその友人は、とても感じがよく、ご両親の印象もいい。息子は、頻繁にその彼と電話で話したり、チャットするようになった。自閉症の息子にこのような友人が与えられ、息子も私たちも本当に嬉しかった。


ところが一昨日、私たちの期待は裏切られ、絶望に陥ってしまった。忙しそうに友人と電話をしながら宿題をしている息子の様子を変に思い、会話に耳を傾けると、どうもお金が絡んでいることがわかった。友人の学期末ペーパーを作成するという約束で、40ドルもらったらしい。翌日締め切りのペーパーを息子はまだ自分の分も仕上げていないのに、友達の分もタイプしている様子だった。

こういうことが学校に判明すると、ペーパーの点数が0点になるだけでなく、時には停学や退学にもなりかねないということを息子に説教し、今から電話して友達に断わりなさいと言い聞かせる。息子はかんかんに怒ったが、トラブルになってはまずいと思ったらしく、「親にばれたから出来ない、お金も返す」と断る。その間、親である私たちは息子からののしられたり、大変だったが、どうにか落ち着き、息子は夜の11時に自分のペーパーを書き上げる。

どうやら以前にも、一緒に勉強するという名目で、この友人の宿題をやってあげたことがあるらしい。息子いわく、自分は周囲から優等生だと誤解されているらしく、そういうことになってしまったらしいが、お金と友達欲しさの誘惑も絡み、事態は複雑化してしまったようだ。

しかし今回、このことを同じ教会に通う面倒見のいい同級生の女の子にチャットで相談していたらしく、そういう会話のできる人が存在することはありがたい。

親としてどっと疲れてしまった一日だった。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

息子にも春の訪れ??

2012-04-21 19:56:19 | 自閉症アメリカ教育事情

シャイな息子も高校になって、少しずつ女の子たちと交流する機会が出来てきたらしい。

街中を歩いていると、「どこの学校?今からどこ行くの?」と女の子のグループから声をかけられたり、

上級生の二人組の女の子たちに、昼食時に何かと声をかけられたり、

この前は、同級生の女の子に冗談交じりで手を握られたらしい。

結局は、シャイな息子を回りがからかっているのかもしれないが、息子はまんざらでもなさそう。

今週、初めて女の子数人とフェイスブックでこっそりチャットしていた息子。

自閉症で恋とは縁がないだろうと思っていた息子だが、もしかして??

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

テキサス州の新しい標準試験ーSTAARと自閉症

2012-03-27 09:51:30 | 自閉症アメリカ教育事情

今週は、テキサス州ではthe State of Texas Assessments of Academic Readiness (STAAR™) が小学校3年生以上を対象に各学校で行われる。

どの州に住んでいても、標準試験の方式が頻繁に変わるので、本当にややこしい。特に引越しの多い我が家の子どもたちは、様々な州の標準試験を受けてきたが、新しい試験が導入される時は現場も親も緊張する。

この試験では、合格点をとらないと進級できないらしい。落第するということだ。

標準試験はこれまでの場合、コンピューターかマークシート式のものが多かったのであまり心配してこなかったが、今回はエッセイを含む筆記試験が初日。

STAAR™の筆記試験が今週の月曜日に行われるということを知ったのが、なんと先週の金曜日の午後。

土曜日の午後、副校長にメールを書き、息子の手書きが汚くて読めないことにより、採点が低くなったり、採点してもらえないことのないように配慮してもらいたいとお願いする。

月曜日の朝テストが始まるのが7時10分。テスト前には、返答がもらえないと思っていたが、7時前に

「カウンセラーと相談し、息子さんはワープロでテストを受けることができるようになりました」との返事。ほっとする。

こういうこともあるのではと考え、数ヶ月前に高校に連絡し、

Section 504 of the Rehabilitation Act「リハビリテーション法第504条」のミーティングを行ってもらうようにリクエストしたのが幸いしたらしい。

このミーティングでは、息子がこれまで作業セラピーなどで、手の筋肉を鍛えるように訓練した経過があることや、これまでの先生とのやりとりなどを含め、標準試験を受ける時には、なんらかの配慮を行ってもらうようにお願いする。

その時のミーティングの参加者は、こういう事例は今までになかったのかどうして対処したらよいのか困った様子だったが、今回、好意的にスピーディーに対処してくださったのはありがたい。

逆に、親が何もリクエストしない場合、障害を持つ子どもは、何も配慮してもらえないこともある。あまりでしゃばると嫌がられるが、やはり障害を持つ子どもの将来を変えていくには、親が行動しない限り前に進まないことを実感する。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自閉症者のジレンマ:興味の沸かないことも勉強しなければならないという現実

2012-01-04 09:31:13 | 自閉症アメリカ教育事情

 

子どもたちの新学期が始まったのが、1月2日。

今週末から、期末試験。日本の中高の子どもたちほども試験勉強はしないと思うが、体育の時間が自習にあてられるなど、緊張感が漂う。

息子は高校に入って、成績をキープするのに随分苦労している。宿題をこなすのに四苦八苦し、テストの成績で自信をなくし、見ていてかわいそうになる。どうしてなのだろうかと、親も試行錯誤してきたが、昨日息子の一言で考えさせられる。

「おかあさん、興味のわかないことどうやって勉強したらいいの?僕は好きなことだったら、ぐんぐん頭に入ってくるんだけど。。」

息子の苦労の一因として、自閉症者ゆえの特徴があることに気づかされる。

自閉症者の診断として、「こだわり」「限局された興味の範囲」が挙げられる。

全く興味のわかない「生物学」や、読んでもピンとこない文学作品などは、どうしても頭に入ってこないらしい。

教養を身につけるための基礎知識だから必要と納得はしていても、自分の脳の中で居場所を見つけられない情報なのかもしれない。

他の自閉症者は、どのように高等教育で勉強しているのだろうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

正五角形の面積?

2011-12-14 20:52:34 | 自閉症アメリカ教育事情

 

夕食の後は、片付けと同時に子どもの宿題を手伝うだけで、夜の時間が過ぎていく。

今日は、円筒の面積から始まり、正五角形の面積の計算。

全く忘れてしまったことなので、オンラインで調べながら、息子の宿題の手伝い。

長方形の箱の中に円筒上の穴があいていて、そのかたちの表面積を計算するといったややこしく時間がかかるものばかり。

おまけに、娘の幾何学の宿題が間違っていないか一つずつ自分で解くだけで、40分もかかる。老眼のせいか、プラスとマイナスが最近よく見えなくなり、数式を見ているだけ、なんだか目と頭がくらくらする。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

息子は明日、日本語のクラスで「まいにちのせいかつ」についてのプレゼンテーション。

朝起きてから、夜寝るまでの生活についてパワポを作成し、それに基づいて、日課の説明をするらしい。

「ごご、いちじよんじゅうきゅうふんに、にほんごのじゅぎょうがはじまります」といった複雑な文章もあり、発音するのに一苦労。

きゅうふん、なのかきゅうぷんなのか、いちがなぜいっぷんになるのか、そういう細かいところまで間違えないようにしなければならないらしく、日本語を学ぶのはどんなに大変なことかと実感する。

昨日から、マンツーマンで特訓。大分すらすら言えるようになったので、今度は「そして」「それから」などの接続語を入れるようにアドバイス。そうすると、いい点数をもらえるとか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 

こういう風に、私の毎日は過ぎていく。

もっと仕事に力を入れたいというジレンマを感じながらも、子どもの宿題や、ちらかった子どもの部屋や居間・台所の片付け、洗濯、シェークスピアの世話などで時間がとられる。

落ち込みながらも、今日嬉しいことに気づく。先月掲載された論文を数人の方が自分のブログで紹介してくださり、twitterでもたくさんの方がコメントを書いてくださったことを知る。

停滞しているように思える自分の仕事でも、こういう風に神様が励ましを下さっているのかと嬉しくなる。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自閉症児の宿題管理と親の悩み

2011-10-20 13:36:06 | 自閉症アメリカ教育事情

高機能自閉症児の高校生活。

毎晩夕食後から就寝まで、3-4時間かけて、息子の宿題を1つずつ手伝う。

数学の「幾何学」は、中学や高校にやったきりなので、私もテキストを見ながら勉強のし直し。たとえば、三角形の3つの辺の長さから、この3角形は直角、鋭角、鈍角かという初歩的なものから、The Hinge Thoremsの方式を使った問題など。まず英語の数学用語の意味を全然理解していないので、ネットで一つずつ調べる。

アメリカの学校は、プロジェクトの宿題が多い。最近出された課題として、印象に残ったのは、世界地理の授業の「地理関係の単語150語のブックレットづくり」。単語は、文化的収束、君主政権、マイノリティーなどとかなり複雑で、その意味を自分の言葉で表現し、リストにするというもの。さらにそのうち30語は、イラストで意味を表現するというものだが、抽象的で絵にしにくいものも多い。例をあげると、「平均寿命」という言葉。赤ちゃんと老人の絵を描くだけでなく、それに「平均」という意味をもたらすには、そういう絵にしたらいいのだろう。

日本語の宿題は、カタカナの練習とクイズ。カタカナの西洋語を英語に直すというものだが、これは面白いらしい。カフェテリア、ピンポン、スケートボードなど、1つずつ読みながら、息子は嬉しそう。今度、日本に里帰りした時には、お店で読める日本語が増えるので、きっと楽しいだろう。

それにしても、息子は字が雑で読めない。何度も消しゴムで消させて、書き直させるのも私の仕事。1つ書いては、また次の文字を直させる。食卓の上は消しゴムのかすだらけ。。。地理の先生は、とうとう息子だけレポートを手書きではなくタイプして出してくださいという特別指示を出したようだが、他の先生たちは苦労して読んでくださっているらしい。

反面、息子の日本語の文字はきれいで読みやすい。高校生の今、手や指の筋肉が発達した段階で習得した文字はきれいに書けるが、幼少期にまだ筋肉が弱い時(自閉症の影響あり)、習得した文字は自己流で、癖がなおりにくい様子。どうしたらいいのだろうかと心配する。

このような毎日を送りながら、私の仕事はだんだん停滞する。フルタイムの仕事をしていたら、とても息子の宿題を見て上げられなかっただろう。そう思うと、全てが神様のおぼしめしだったのかもしれない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自閉症者の高校生活と親の役割

2011-10-10 10:45:53 | 自閉症アメリカ教育事情

 

息子の高校生活が始まったとたんに、私たちの自由時間は大幅に減少する。

息子のマーチングバンド練習のための送迎。

週1回の割合で行われる高校対抗のフットボール試合で演技する息子のバンドの観戦。

土曜日に行われるコンテスト。

マーチングバンドだけではない。

主要4教科PreAP Classを受講している息子は宿題、プロジェクト、小テストに追われる毎日。

自閉症ゆえにパニックになりがちなことと、整理整頓する能力や文字を書くことが苦手な息子が人並みにノルマを果たすために、家庭教師的な役割を果たすことが必要になってきた。

ます家に帰ってきてから、やらなければならないことをリストアップさせる。それだけでも、息子には時間がかかる。なかなか思いだせないらしい。どこかにメモをとっておけばいいのだが、そのメモを探すのにも一苦労。宿題のプリントもみつからないことがある。案の定、息子のバックパックの中は、くちゃくちゃになった紙だらけ。もっときちんと整理してプリントを片付ければいいのだが、その能力に欠けているのか、やる気の問題なのか。他の自閉症児はどうなのだろう。

そして、どれを先にやらなければならないか優先順位を決めるのにも大喧嘩。一番時間がかかる宿題を先にやらせると、他の宿題が夜の10時になってもまだたくさん残っていることが過去に頻繁にあったため、すぐ終わる宿題からまず処理させることにする。1つずつリストを消させていく。

時にはタイマーを使う。これは自閉症児の親訓練で教わった手法だが、行動管理するのには、ビジュアルで具体的な道具が役立つ。息子は、ほうっておくと、インターネットで時間をつぶしてしまうので、タイマーを使用し、「30分のうちに、このプリントをやりなさい」、といった方が方向づけしやすい。

動機付けのために、報酬も取り入れる。「2つ宿題を終えたら、20分自由時間」、という風にすると、息子のやる気もでやすい。

こういう風に行動主義に基づきながら、あれこれと試行錯誤し、息子の勉強の手助けすることになる。娘は宿題がどれだけあっても、数学以外は、自分で適当にこなしているようなので、やはり自閉症者に必要な家庭での援助なのかもしれない。

こういう生活が続き、私の睡眠時間がますます減少する。来年くらいになれば、ひとりでできることも増えるのではないかと期待する。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

バイリンガルの自閉症者を目指して

2011-09-18 20:19:50 | 自閉症アメリカ教育事情

 

現在息子は、高校で日本語クラスを受講中。

そもそも幼少期から殆ど言葉が出ず、3歳で語彙数は10前後。もしかして一生しゃべらないのではと心配したこともあったが、今はコミュニケーションや会話のぎこちなさ、発音の不明瞭さはあっても、ほぼ人並みに発達。

自閉症で二ヶ国語をマスターするのは大変なのではと配慮し、英語を中心とした環境の中で育ててきたが、15歳になって初めて本格的に日本語を勉強させることにする。

これは、日本語クラスの宿題のプロジェクト。日本語の基礎会話の教材をつくり、それを使って4人の人に簡単な会話を教え、その成果をテープに録音し提出するというもの。

ひらかなをタイプするところの手伝い以外は、ほとんど一人でやり遂げたのにはびっくり。特に色画用紙を同じサイズにペーパーカッターで切ったり、フォントサイズを調整しながら会話をひらかなとローマ字を使ってワードで打ち込み、印刷したものを色画用紙に糊付けして、1枚の表として作成したのはほめてあげたい。

昔から指や手の力が弱く、文字を書く、消しゴムで消す、まっすぐ書く、お菓子の袋を開ける、牛乳パックにストローを差し込むといったような日常生活の中で援助を必要とし、運動感覚療法の専門家のところへ定期的に訓練に連れていった時代を思うと、よく成長したものだと思う。

学校の宿題でいろいろ苦労しながら、自分でコツを覚えていったに違いない。努力が報われていく姿が見られるのは親冥利に尽きる。

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

15歳のバースディ~

2011-08-05 08:02:01 | 自閉症アメリカ教育事情
今日は、息子の15歳の誕生日

「プレゼント、何がいい?」と聞くと

「シルバー買って」

今週始めの米国政府の債務上限引き上げ法案をめぐっての関連ニュースをCNNウェブサイトで読みすぎたようで、アメリカ経済にもはや将来はなく、「ボクはシルバー〔ゴールドはさすがに高すぎて親は買えないと思ったらしい)を持って中国に移住する」と決めたらしい。

思い込みが強いのも自閉症児の特徴だが、ニュースに関心があるのは成長した証拠。

なんとか言い聞かせて、プレゼントは Kinnect Sensor & Kinnect Adventures をアマゾンの中古で購入。

ジャンプしたり、体を屈折させたり、なかなか面白そうなゲームです!ウェブサイトは

http://marketplace.xbox.com/en-US/Product/Kinect-Adventures/66acd000-77fe-1000-9115-d8024d5308ed


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日からマーチングバンドのサマーキャンプ

2011-08-01 14:14:28 | 自閉症アメリカ教育事情
新学期まであと3週間。

高校1年生になる息子は、もはや夏休みから選択科目マーチングバンドの特訓が始まる。6月に1週間、8月に3週間。

この学校は、かなり上位優勝を目指しているらしく、練習も半端じゃないらしい。

毎日朝8時から午後3時まで。テキサスの炎天下〔時々40度近く)の野外練習は辛いものがある。

5リットルくらい水が入る大きな水筒に水と氷を半分ずつ入れて持たせる。

行きたくないと言い続け、前々から不安な様子でかわいそうだったが、「可愛い子には旅をさせよ」の心境。

体力的な面でも心配だが、もっと息子が不安になっているのが人との関わり。小中と友達が一人もできなかった息子は、社会面でますます自信を失っている様子。最近は人前ではしかめ面をするのが、誤解を招くのではないかと、親として心配。

お昼の時、誰と一緒に食べるのだろう。

休憩時間は、どのように過ごすのだろう。

グループワークではどうするのだろう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

バンド担当の先生に朝メールを出し、息子が自閉症であること、コミュニケーションの能力が難しいので注意してみてあげて欲しいとお願いする。

早速返事がきて、バンドには他にも自閉症の生徒がいること、リーダーたちがコミュニケーションをサポートをするように気配りするので安心して欲しいとのこと、もし練習が大変そうな様子ならいつでも知らせて欲しいとのことだった。

これから4年間の高校生活、うまくいきますように!
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

 高機能自閉症の子どもが自立していくために

2011-06-24 09:52:47 | 自閉症アメリカ教育事情
高機能自閉症の息子も、順調に進めば、あと4年後は親元を離れて大学に通う。

私の今の役割は、息子を独り立ちさせること・・

ここ数年、忙しくても、嫌がられても、少しずつ家事を手伝ってもらうことにする。普通の子どもなら見よう見まねで自然に覚えるスキルでも、自閉症の息子には具体的に手順を分かりやすく説明しないと把握しにくいようだ。たとえば「部屋をきれいにしなさい」と言っても何をしたらいいのか分からない様子。リストにして、どこを何でどのように片付けるかを具体的に理解できるように伝えることで自分でできるようになるらしい。息子にやってもらうのは

週1回のゴミだし、リサイクルのゴミの仕分け。
自分の洗濯物をたたみ、部屋に片付けること。
自分の部屋の整理整頓。

この夏休みには、食器洗い機から食器を取り出して、棚に片付けること、食卓を拭くことも手伝ってもらうことにする。

-------------------------------------------
家事面だけでなく、独立する際に心配なのはお金の管理。

ここ数年ショッピングに行く時にはつきあってもらい、食品の中からどれが一番安価なのかを計算してもらったり、ショッピングリストに基づいて必要なものをお店の中から探してきてもらう。

時には、お金を渡し、予算を伝えて自転車で買い物に行ってもらうことにする。

-------------------------------------------

お店の人とのやりとりもコミュニケーションの苦手な息子にとっては社会勉強。

息子の場合、相手に話しかけられたり、笑いかけられても、応えることはしない。自分のコミュニケーションにミスがあったら困ると思い、なるべく人と関わるのを避けている様子。それでは人との関係をつくれないと何度も説明しながら、外に出る機会があるたびに実地指導。なかなか難しい~

敢えてどうにか最近身についたスキルは、自分の後の人のために、ドアを開けて待っているエチケット。これはなかなか身につかず、何度も口を酸っぱく伝えてきたが、ようやく自然にできるようになった。

先週の日曜日、教会の帰りその息子のエチケットを見て、ある見知らぬ婦人が夫に「息子さんを立派な青年に育てましたね」と褒めてもらったそうだ。社会スキル関係で褒められたのは初めてだったので、息子は嬉しかったらしい。

-------------------------------------------

専門家の力を借りて、このような指導ができるのが一番理想だが、そこに至るまでのいろいろな道筋(医者、心理学者、保険会社)や金銭的負担を考えると、自分でやった方が手っ取り早いのではと最近思うようになる・・・・
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

14歳の息子、今日からジム通い

2011-06-03 02:34:12 | 自閉症アメリカ教育事情

 

今日は娘と息子の小学校、中学校それぞれ最後の日。

学校が早く終わったので、子どもたちを連れ、YMCAに行く。長い3ヶ月の夏休みの間、毎日コンピューターの前にばかり座っていては、頭、精神、体にも良くないと思い、3ヶ月だけ家族会員になることにした。YMCA会員は、プール、ジム、エクスサイズの教室に通うことができ、私たちの住んでいる地域には3つもYMCAがある。

息子のかねてからの要望で、ジムでエクスサイズさせることにした。14歳になれば、親が監視しなくても一人で通ってもいいらしい。しかし様々なマシンの正しいやり方を学ぶために、今日はトレーナーの人に1時間オリエンテーションをしてもらった。

このYMCAでは、トレーナの人に作ってもらった個人プログラムがマシンにコンピューター化され、毎回どのマシンをどのレベル、頻度で使ったかが記録される。このプログラムがあることで、息子が無理をして筋肉を傷めたりすることがないので、親としては安心。

友達がいなく、社交性のスキルに欠けることをいつも気にしている自閉症の息子にとっては、少しでも自分の外見をよく見せたいために、筋肉をつけたいらしい。その動機には賛成できないが、ストレス爆発寸前の息子にとっては、いいエネルギーのはけ口になるのではとも考える。

P.S. 写真は最近のシェークスピア。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする