『今日の出来心』

シンガーソングライター&作詞家“久保田洋司”の365日書き下ろし公開日記です
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2010年6月11日(金)

2010年06月11日 00時00分01秒 | Weblog
昨日の、万葉集講座で、
天平元年の、班田使の仕事が、
ものすごい激務だったというお話。

宮廷歌人の笠金村(かさのかなむら)が、
その使の立場に立って詠った歌など、教わった。

今は、巻九の相聞、いわゆる恋の歌を、
習っているところ。

ある男が、衣留(ふる)のあたりの山から、
目の前の都を見て、
恋しがっている歌がある。
たいして遠くもないのに、お前に会いにいけない、みたいな。

こういう歌など、その時の班田の仕事が、
相当忙しかったという、歴史背景を知って、読むと、
また、別の感じ方ができて、とっても面白いのであった。

たいして遠くない、というが、
この歌の場合、都まで、だいたい、8キロメートルくらいらしい。

今、8キロ歩け、といわれたら、ちょっとしんどいと思うが、
歩くしか移動手段のなかった当時とすれば、
8キロ歩くのは、たいしたことではなかったようで、
仕事が終わって、
会いたい人に、歩いて会いに行って、また帰ってくる、など、
わけのないこと。
普通なら、会いに行ったろう。
それが、そんな暇などない、天平元年なのであった。

僕は、5キロちょっとのジョギング、40分くらい走っている。

用事がすんだら、また同じ距離走れ、となると、
それはそれで、激務である。

また、違う感じ方ができるのであった。

洋司