2008年12月31日（水）

水曜日。
毎週書かせていただいているのであるが、
「万葉集～ココロ・ニ・マド・ヲ～」の、サイトとiTunes Podcastsに、
新たな歌が更新。

大伴家持の
「新しき　年の始の　初春の　今日降る雪の　いや重け吉事」

年の初めに、良いことよ重なれ、と詠んだ、おめでたい歌である。
明日、新年の始まりに、声に出して、歌ってみたい。

２９日のライブの時に、
これを、解説も含めて、朗読させていただいた。
ライブに来てくださった皆さんには、
ライブの時の様子も、思い出していただきながら、
「万葉集～」のサイトをご覧いただけたらと。

「新しき～」は、
４２歳の家持が、詠んだ歌であるが、
偶然にも、僕も４２歳である。

家持っぽく、朗読してみた。

家持は、万葉集に４７９首の歌を残している。
万葉集中、圧倒的に最多である。
（ちなみに、二位の柿本人麻呂や坂上郎女などが、８４首。
家持が、万葉集の最終的な編纂者であったろうという説が、
有力なのである。）

その中には、十代のころに書いた初々しいもの、から、
中国の詩を意識した、最先端のもの、
歌を教わった、親戚筋の女性たちとの楽しいやり取り、
激しい政争に巻き込まれ、衰退していく大伴氏の長としての
愁いや嘆きを詠んだものなど、
様々な歌があって、家持という人のことは、
他の歌人たちに比べると、よく見えてくるのである。

家持が、太っていたか、痩せていたか、
ということがわかる、やりとりもあって、面白い。

例えば、
あなたから送られた、食べると元気が出る薬草のようなもの、
食べてみたけど、恋しくて、ますます痩せるばかり、
みたいなのとか、

恋人同士が、帯を結び合う習慣のことを歌って、
一重結んでくれるところの帯が、三重になるぐらいに、恋しくて痩せちゃったよ、
とか、

夏痩せには、うなぎがいいらしいよ、
でも、
痩せていたって、生きててなんぼ、
うなぎを取ろうとして、川に流されるなよ、
などと、なんだか、面白い。

家持は、痩せていたようである。
痩せているということを、
一種の自虐ネタみたいに使って、面白がったり、
まわりを面白がらせたりしているように感じられる。

ちょうど、帯の歌（万葉集巻四、七四二）のページを見ていたら、
他にも、面白いのが続いている。

あとで会いましょう、と言っておいて、会おうとはしないんですね。
とか、
夢で、あなたに会ってしまった。目を覚まして、手さぐりしても、
あなたには、触れないよ。
など。

素朴で、おおらかで、真っ直ぐな感じ、
ほっとする。
ほっとさせてもらえる。

長くなってしまいました。
今年も応援、ありがとうございました。
来年が、皆さんにとって、素晴らしい一年になりますよう、
心から、お祈りします。

洋司

2008年12月30日（火）

昨日のことになりますが、
ミノトール２での、今年最後のライブ、
無事終了です。
ありがとうございました。

会場のみなさんからの、アンケートも、
じっくり読ませていただきました。
リクエスト曲だけで、
次のライブができてしまうほど、
多くの曲をいただきました。
参考にさせていただきますよ。

『ゆめゆめ』全曲制覇も、嬉しかったですし、
個人的には、
「ドイツ語でさよなら」
「彼女」
など、久々で、新鮮でした。
MMRのホームページ内、掲示板に、
演奏曲目が出ていますので、
ご参照ください。

ライブの中で話しましたが、
来年、２月１４日
尾道の妙宣寺さんにて、
ザ・東南西北が演奏します。
久保田、大池、清水の三人編成ですが、
懐かしい曲を、たくさん歌うつもりです。

地元の方々が、尾道を盛り上げよう、
ということで、イベントを企画、開催されるのです。
そこに、ザ・東南西北が、出演させていただきます。

２月１４日、是非、尾道へ。

洋司

2008年12月29日（月）

今年最後のライブ、
いよいよ本日開催である。

新宿ミノトール２、
思う存分楽しもう。

リハーサルは、決して楽なものではないのであるが、
歌っても歌っても、楽しいというのは、
楽、と
楽しい、
これは、別物のようである。

他にも思い当たることがあるではないか。

ところで、
歩いていて、
足の小指を、
物にぶつけるね。

机の角、とか、
ドアなど。

非常に痛いものであることは、
よく知っているけれど、
僕について言えば、
これが、このごろ、
痛くなくなってきたのである。

あの、
足の小指を、物にぶつけて、
痛くない、というのは、
相当に、ゆるゆる歩いているのだな、
と、
ある種、戦慄である。

夜明けまで、まだ、数時間ある。
ライブ開催までは、
半日以上ある。
遠い未来のようにも感じられる時間である。
今、ここは、ゆっくりと、時が流れているのであった。

じゃ、新宿で。

洋司

2008年12月28日（日）

新宿ミノトール２での、ライブ、
明日に迫っているのである。

ニューアルバムと、懐かしいところから、
たっぷりおおくりする。
思う存分楽しませていただくのである。

ところで、白髪であるが、
その原因は、大きく４つある、とお聞きした。
老い。
遺伝。
薬物。
精神的にホルモンバランスが崩れたりした時。

実証はとれていないものの、
中国などでは、脳の使われた部分と、
白髪の生える場所とに、関係がある、とも
言われているらしい。

僕が、詞を書いている時は、
わっと、白髪になっているのであるが、
歌を歌っていると、
それらが、まったくなくなるのである。

それで、
美容院の担当の方にお聞きしてみたのであった。

前に、弟と会った時、
自分でも、間違えるぐらい、
後ろ姿が、僕と似ていたのであったが、
白髪が多く、
あぁ、僕も、白髪が増えたものだ、と
しみじみ思ったのであった。

一般的に言えば、
確かに、老い、ということはあろうけれど、
白髪が、とってもかっこいい方も、
たくさんおられる。

また、染めたり、
気を使ったりするのも、
素敵なことである。

僕の場合は、自動的に、
白くなったり、元にもどったり、
するのである。

洋司

2008年12月27日（土）

乳搾りの娘を、誘う男。
森の中、池の前の、木の下。
牛やロバもいる。

そんな絵を見たのである。

２００年ぐらい前の絵か、
もっと前だったかもしれない。

今の世の中と比べると、
なんにもない。
なんにもなくて、僕など、
心細く、悲しくなってしまいそうであったが、

森があり、空があり、
池があり、牛やロバがいて、
乳搾りの娘がいて、
恋する男がいて、
思えば、
そこには、すべてがあるではないか。

二人が、そのあとどうなったのか、
知るよしもないが、
もしかしたら、二人の子孫のだれかが、
俺は町に出る、などといって、
パリあたりで、絵を描いたり、恋をしたりし、
もっと遠い子孫が、
流れ流れて、東の国で、誰かと出逢い、
また、更に子孫が、僕らの知人、
などということも、あるのかもしれない。

暗い美術館を出た後の、
現実の、風吹く街の、色と存在感。

本日も詞に打ち込んでいるところである。

洋司