夜、ジョギングに出れば、ドアを開けた瞬間から、秋の虫。このあいだまでは、夜でも蝉に辟易であったが。それにしてもにぎやかな星である。暑い時は、暑苦しいのがジャンジャン鳴き、ちょっと涼しくなると、涼しげなヤツがリンリンと。そういう音にこちらも大分影響を受けて暮らしていると思うが、真冬にアブラゼミを聞いて、少しは暑く感じるものか。それにしても、蚊がいる。真夏には、ちょっとドアを開けた隙に入ってくるヤツはあんまりいなかった気がするが、秋口になると、だいたい入ってくる。これもこちらの思い込みかもしれないが、秋の蚊の必死さを感じて恐怖する。必死と恐怖には、紙一重ではなく接合面があると思う。
洋司
洋司