『今日の出来心』

シンガーソングライター&作詞家“久保田洋司”の365日書き下ろし公開日記です
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2009年11月24日(火)

2009年11月24日 00時00分01秒 | Weblog
源氏物語、賢木(さかき)の巻、
御息所、伊勢下向を決意。

源氏より、13~14歳ほど年上の、御息所、
夫が亡くなってすでに十年以上というところ。
もともとは、
源氏の熱心な求愛を受け入れたのである。

が、源氏には、若い女性がたくさんいる。
御息所は、しだいに冷たくされ、会うこともない。

御息所は、もう嵯峨野を去ろうと決意。
伊勢に旅立って、二度と帰らぬ、と。

それを知った源氏、久しぶりに、
御息所を訪ね、ちょっと会うだけでいい、
といいながら結局、入り込む。

悲痛な思いで、胸しめつけられて、
よよと泣く。

声を出して泣くのは、男のほう。

源氏物語、原文と訳と、解説を、
少しずつ、読んでいるところであるが、
その解説に、「よよと泣く」と。

泣くのは源氏のほう。

よよと泣く、は、辞書で引けば、
しゃくりあげて、おいおい泣くことのようである。

おいおい、も、言えば、えんえん泣くみたいな、
泣いている音声から、きた言葉かもしれない。
よよ、も、
しゃくりあげる音が、よ、よ、と聞こえたからか。

聞き分けられる耳、と正確に表現できる力か。

よよ。
聞いたことはあっても、使ったことはない。
まえの、「げに」みたいに。

「越境者 松田優作」(松田美智子著)を読んでいて、
ある場面で、優作が泣くところがある。

えんえん、でもないだろうし、おいおいでもなさそうで、
しくしく、もちょっと。
よよ、なら、などと、思ったところであった。

洋司