俳句を始めた頃、図書館で
「日本の名俳句百選 金子兜太編 壇ふみ朗読」のCD付き本を借りた。
今日までに、この朗読を数十回聴いたのであるが、依然として理解できない句が沢山ある。ただその中に初めから判らないながら、
特別印象の強い句が幾つかあった。
その中の代表的な一つが次の句である。
ああといひて吾を生みしか大寒に
矢島渚男 (やじまなぎさお) 1935年生
十月十日の出産前・出産・出産後の子育てなどなど、母親の苦労と愛情に大いなる感謝を背景にこめているように感じ、
さらには作者自身が生かされていることに感謝も表しているように思い始めたのは、つい最近のことである。
出産・子育て経験のある女性にとっては、小生とは異なる感慨もあるのではなかろうか・・・。
矢島渚男氏は、NHK俳句の選者としてTVで何度か拝見した方である。
小生の好きな氏の俳句を紹介する。(冬と春から選んでみた)
さびしさや撞けばのどかな鐘の音
じやが薯を植ゑることばを置くごとく
姫はじめ闇美しといひにけり