「かんぺんじょう」と読む。
古文書で使用される語彙・用語などについて読み方と意味をまとめたという「古文書用語集」で調べてみた。
【堪返上】かんぺんじょう:来書の字句に合点などして、行間に返事を書いて返す書状。
( 古語を調べるのは、下記URLが便利である。 http://www.toride.com/~sansui/materials/date/mon45.html )
現代では、電子メールで返事の場合、行間に返事を書き込む人もいる。
これと同じ発想であるのが「堪返上」、千年も前の人達も同じことを考えたのであった。
実は、この真筆の「堪返上」を見ることが出来る場所がある。
それは、東京国立博物館である。お名前を失念したが、孫の某天皇から祖父に当たる道長に宛てた返書にこれが見えるのだそうである。
道長が送った手紙の行間に天皇のご返事が朱記されていると聞いた。
祖父―孫間の愛情溢れる手紙のように思えてならない。見たい気がする。
参考:東京国立博物館のサイトに、以下のような記事があった。
陽明文庫創立70周年記念特別展「宮廷のみやび―近衞家1000年の名宝」
平成館 2008年1月2日(水)~2月24日(日)
―見たことがありますか? 道長自筆の日記―
陽明文庫は、昭和13年(1938)に時の首相近衞文麿(近衞家29代当主)が設立したもので、近衞家が宮廷文化の中心として護り伝えてきた貴重な文書 や宝物を収蔵しています。
その所蔵品は各所で公開されてきましたが、このたび陽明文庫創立70周年を記念し、20万点にもおよぶその所蔵品の全貌を俯瞰するはじめての展覧会を開催いたします。
藤原道長自筆の日記である「御堂関白記」(国宝)、名筆の集大成である「大手鑑」(国宝)、美麗な舶来の唐紙に和漢朗詠集を書写した 「倭漢抄」 (国宝)をはじめとした陽明文庫の所蔵品に、皇室に献上された作品などを加え、江戸中期の当主で書画、茶道、華道、香道に精通した当時の宮廷文化の第一人者である家熙の作品などを、一堂に集めてご覧いただけるまたとない機会です。
みやびな公家文化の世界をぜひご堪能ください。
http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=A01&processId=02&event_id=4814
とあった。
地の利を得ている東京都在住者は、本当に恵まれている、羨ましき限りである。