左が半世紀前の物 右が現代の物(マイク付き)
人間を70年もやっていると、自分の所有物にはどうしても古いものがまとわりついている。整理して捨てればよいものを、捨て下手なのでいつまでも所有している物があれこれある。
とは言え、歳もとしであるそのうちにポックリ逝って、沢山のガラクタを残しては子供達に迷惑だろう思い始めた。それで、毎日暑いので整理する元気もあまり出ないのだが、掃除も兼ねて僅かばかり整理した。
昨年だったか、遂に故障した半世紀前のステレオ型電気蓄音機を廃棄したが、その電蓄で使用しいたヘッドフォンと、いわゆるSP・EP・LPと言われるレコード多数をまだ後生大事に残している。(・・・だれが聞くのだろうか?)
掃除の最中に、この中の半世紀前のヘッドフォンを、パソコンの音声を聞くのに使用出来ないかと、けちな考えを起こした。
直ちに、暑い中自転車を漕いで電気屋さんに行き、差し込みプラグの変換器(ヘッドフォンの太いプラグからパソコンの細いプラグに変換するもの)を1個500円で買ってきた。
古いプラグの接触部のサビや汚れを綺麗にすると、それなりに機能するのである。しかし、音質は最近購入した安物ヘッドセットの方が遥かに優れているのである。
さらに安物のヘッドセットには、マイクとマイクのon-offスイッチとヘッドフォンのボリュームまで付いていて、これで二千円足らずである。(軽くて小型で、使い心地が非常に良い。)
半世紀前のヘッドフォンは、現在のお金に換算すると二万円くらいに相当したのであるが、大きさ重さは数倍もあり無骨で重く、着け心地は悪く、音質も悪いのである。
頑丈に作られていたので半世紀たっても壊れなかったのであるが、二十年くらいで壊れていたほうが良かったのではないかと、 今になって思うのである。
数年で陳腐化して代替を迫られるパソコにも困るのだが、半世紀もの寿命を保つのも、世代交代の妨げになるのではなと思ったのである。
追記;
2009年に購入した娘の仕事用のノートパソコンはコストダウンのためだろうが、スピーカから出る音はなんとも貧相で聞くに堪えないのである。
その改善策として、この半世紀前のヘッドフォンを引き当てることにした。
これでまたしばらくこの古いヘッドフォンの活躍の場があるのだが、果たしてこれが正解なのかどうか疑問である?