五木寛之氏の「他力」を読んで、幾つか抜粋してみた。
「他力」とは法然・親鸞・蓮如などの思想の核心をなすものという。
次の言葉で代表されるように感じた。
「わがはからいあらず」、
「なるようにしかならない」、
「おのずと、必ずなるようになる」、
「人事をつくすは、これ天命なり」。
“この真の「他力」に触れたとき、人は自己と外界が一変して見えることに衝撃を受けるでしょう”と書いてあった。
他力とは、目に見えない自分以外の何か大いなる力が、自分の生き方を支えているという考え方。
言葉を変えると、目に見えない大きな宇宙の力と言ってもよく、大きなエネルギーが見えない風のように流れていると感じるという。(他力の風)
寂聴さんも、「人のいきつくところは、やはり他力という感覚かもしれませんね」という。
以前取り上げた遺伝学の権威、村上先生のおっしゃる[Some Thing Great (何か偉大なるもの)]にも通じる考え方のようであった。
小生の力では、到底完全に理解することは不可能であろうが、なんとなくそんな気がしてきたのである。
孫悟空が、お釈迦様の手のひらから飛び去ることが出来なかったように、何か判らないものに何時も支配されているようである。