千日紅の恋人 (新潮文庫) | |
帚木蓬生 | |
新潮社 |
本好きの友達が、そのおばさんからどっさりもらった本を読み終えたのでと、そのままどっさり回してくれた中の一冊。
帚木氏の作品は、『閉鎖病棟』しか読んだことなかったのですが、なにか読みたいなと思っていましたので、まずこの本を選んでみました。
まあ、なんと、後味の好い作品。
2度の結婚は、死別、離別に終わり、今は独身の時子さんは、アラフォー。
亡くなった父親が残した、扇荘の管理人を母にかわってやっている。
扇荘は、20年前のドラマに出てきそうなアパート。古いが、家賃が安いせいか空室はない。
困った住人もいるが、ここを追い出されたらどこにも行くところがないだろうと、時子は辛抱強く面倒をみている。
そんな扇荘に、新しく有馬さんという青年が入居した。
若いのに、とてもまじめな青年に、時子さんは少しづつ惹かれていく・・・・。
というような、シンプルな恋愛小説です。
ドロドロしたものがなくて、ほのぼのとした世界が広がっていて、なんか70年代のドラマを思わせます。
深く考えさせるとか、目からウロコが落ちるなんてことは絶対にないけれど、読んだらちょっと嬉しくなるような小説でした。
帚木蓬生って、こういう小説書く人なんでしょうか?
確かに『閉鎖病棟』も、そのタイトルや精神病院という舞台から想像するより、ずっと心温まるような小説だったような気もしますけどね。
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