原野の言霊

風が流れて木の葉が囁く。鳥たちが囀り虫が羽音を揺らす。そのすべてが言葉となって届く。本当の原野はそんなところだ。

悪意に満ちた「レッテル」貼り。

2015年07月24日 09時58分14秒 | 政治
このところテレビや新聞にはすごい言葉が飛び交っている。「戦争法案」「徴兵制の復活」「戦争をしたい総理」「戦争のできる国へ」。いやはや、である。いずれも国会を通過した新安保関連法案に反対する悪意あるレッテル貼りだ。根拠がないイメージ発言ばかり。子供じみた喧嘩を彷彿させる。まさかこんな子供だましに、と甘くみていたが、政治家や著名な学者まで口にするせいなのだろう、レッテルが独り歩きしているようだ。日本の知性はどうかしたのだろうかと、このままではちょっと心配になる。

悪意あるレッテルには根拠がほとんどない。新法案を許せば、内閣の判断で次々に変更され、自衛隊が海外に出ていき、戦争が始まる。戦争になれば、戦力が不足を補うために徴兵制度が復活する(徴兵制度が時代遅れのものであることは多くの評論家が述べているのでここでは触れない)。憲法解釈を変えると、戦争となるという妄想に終始。これは昔の伝統的なギャグ「風吹けば桶屋がもうかる」的話でしかない。反対派はなりふり構わず必死に妄想を吹き込んでいるようだ。それだけ彼らの危機感(中国のと言った方がいいかも)が強いのだろう。
日本は民主主義国家で選挙によって政治家が選ばれる。戦争を目指す政治家など一発で落選させることができる。かつて日本国民に嘘を並べて民主党が政権をとった。つまり政権が変わることを国民が望めばできるということを証明した。しかし、嘘がばれてそっぽ向かれ、次の選挙で大敗した。桶屋のギャグが現実になることなどあるはずがない。主役は政治家や内閣ではなく国民であるのだから当然なのだ。戦争をしたい総理などというレッテルを貼っても負け犬の遠吠え。選挙で結果が出ているではないか。
「戦争法案」という言い方は実に強烈でインパクトがある。中身が伴っていないのだが、そんなことお構いなし。確かに戦争は起こりうるという前提があり、そのための集団的自衛権の行使を認めるものである。しかしこれは世界中の国で実行されていること。戦争法案という言い方が正しいなら、世界中が戦争法案で満ち溢れていることになる。国連憲章でも規定されていることだから、国連憲章は戦争憲章ということになる。おかしいと思わないのだろうか。人間は常に人を殺す可能性がある。その理由だけで「人殺し」というレッテルを貼るのと同じことではないか。戦争法案という言い方こそ異常だ。
「戦争できる国になる」と叫ぶ。まるで今まで日本は戦争できない国と言わんばかりであるが、これは基本が違う。自衛隊は国防のためにある。戦う集団だ。日本は自衛隊ができた時から戦争ができる国になっている。しかし、これは明らかな憲法9条に違反する。だからこそ、憲法解釈というわけのわからない判断理由をつけた。それはずっと昔に社会党さえも認めたこと。共産党はずるい。とりあえず自衛隊はそのままにして、将来なくするなどと小学生並みの答えしかしていない。憲法9条という悪法のために、無理な解釈をずっと前から実行してきた。憲法解釈の問題は今に始まったことではない。戦争をしない国から戦争をできる国なるというレッテルは不完全すぎる。侵略戦争はしないが自衛の戦争はできる、というのが正しい言い方。これは日本をはじめすべての国が持っている自然権でもある。集団的自衛権というのは当たり前の権利。使えないという解釈が間違っている。
「違憲」の声が姦しい。国会で参考人が呼ばれた憲法学者が、新安保法関連案に対してそろって違憲であると述べたことがきっかけであった。野党はこれで流れが変わったと思っているらしい。現在の新法案が憲法違反かどうかと問われれば、私も違憲だと思う。憲法から明らかに逸脱しているのだから。あんな憲法だから当然であろう。出席した憲法学者も国会ではっきり言っている。まず、長谷部恭男早田教授(自民推薦)は違憲であるから、先に憲法改正から手掛けるべきだと述べている。小林節慶応名誉教授(民主推薦)は憲法違反であると言った後、憲法9条は変更すべきと加えている。ところが違憲という言葉だけを取り上げて、マスコミは報道。世間を騙す典型的な手口だった。切り張りによるレッテル貼りである。世間は見事に騙された。憲法違反には違いないが、今憲法を変えることから始めれば、改正まで時間がかかる。今そこにある危機は待ってくれない。やむを得ず憲法解釈という曖昧な判断力で乗り切ろうとしているだけ。危機とは誰でも知っているように中国という隣国。すでに南シナ海から東シナ海(海尖閣諸島)へと進み、ガス油田の搾取まで手を伸ばしている。憲法改正などやっている時間がない。反対する野党はなぜかこのことに触れない。マスコミも。やはり中国の手先なのかと疑ってしまう。(余談だが、違憲か合憲かの判断は最高裁判所の仕事で、憲法学者の任ではない。承知とは思うが参考までに)。違憲というレッテルの中に今のところ自衛隊はない。自衛隊はそのままにして新法案は違憲としたい、という矛盾を抱えながら妄想に走るから、無理が出てくる。論理の綻びはここにもある。

新安保関連法案にかかわる集団的自衛権は国際的な問題でもある。国内の議論はもとより海外の判断も重要となる。これについても明快な答えが出ている。アジアの各国はもちろんヨーロッパの民主主義の国々はこぞって日本の新安保関連法案に賛同している。否定しているのは中国と韓国の二国だけ(北朝鮮は聞いていないが反対であることは明白)。世界の大多数の国が賛同していても、中国と韓国の判断が正しいと反対派は言うのだろうか。野党や反対運動を繰り広げるマスコミ、そして学者やジャーナリストは各国の判断をどう評価するのだろうか、ぜひ聞いてみたい。国際世論を無視している場合ではない。

悪意あるレッテル貼りには、知性ある日本国民は、身体を張っても反撃すべきだ。中国の意のままに動く学者、ジャーナリスト、マスコミ、評論家が多すぎる。それに同調する国民がいるというのは、日本はかなり毒されてしまったということか。日本を壊そうとするものには、絶対に負けてはならない。
辺野古の問題を含め一連の運動のすべての裏側に中国の影が見え隠れしている。最近、それを隠そうともしなくなってきた。いやな風が吹いている。

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