![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/f9/5544863c2c2b4343981a33ee25644fee.jpg)
野生動物と人間の関係はいろいろと複雑である。おおむね人間の身勝手が中心となるが、そうばかり言ってられないこともある。とは言っても日本のイルカ漁に対するアメリカ大使の忠告などは全く余計な話で、アメリカ人の観念的な偏見はむしろ無視していい。もっと現実的な問題が日本にはある。日本の中でも比較的自然環境が整っている北海道にもいろいろな問題がある。むしろ自然が多い北海道だからこそ(なかでも道東)問題があるのだ。人間の生活を守れば自然動物が害され、ほっとけば人間が迷惑する。どちらを立てるわけにもいかず、堂々巡りの袋小路となる。
つい先日、道東の別海にある小さな村が話題になっていた。人口がわずか200人程度の村の周辺に越冬を目的に集合したエゾシカが2千頭。庭はもちろん道路にも飛び出す。交通事故はもちろん庭の花壇や畑は悲惨な被害。もちろん適正な駆除作戦は行っているのだが、被害額はうなぎ上り。北海道におけるエゾシカの被害額は平成23年度の統計では64億円。おそらく今年は軽く見ても80億円くらいになるだろう。年間100億円の損害が出るのも近い。
エゾシカばかりではない。2月1日の報道ではトドの被害も急増している。刺し網の破損はもちろん網にかかった魚を食べる被害だ。平成24年度の被害額が16億円を超えた。わずか10年ほど前に5億円だった被害が数年で10億円を超え、現在にいたっている。
エゾシカもトドも準絶滅危惧種に指定され、駆除数に制限があることも被害の増加に拍車をかけている。人間が適当にカウントする以上に彼らの個体数が増えていれば被害が増加するのは当然。しかも彼らは人間のそばにいる方が食料にありつけるということを知ってしまった。どんどん近付いてきている。厳しい自然界に生きる彼らの知恵がそこにある。
これに対する環境省の対応はいかにも官僚的で動きが遅い。科学的に適切に対応するなどと言っている。今はそれどころではない、と思うのだが。一方、動物愛護協会なる不思議な団体もまたむやみに自然界の動物の殺戮にブレーキをかける。野生と人間の共生をなどとお花畑の論議に明け暮れる始末。被害に遭う道民は一向に救われない。こんな状況で宗教的モラルを振り回しても何の解決にもならないだろう。北海道にはヒグマもいる、キタキツネもいる。彼らの被害も増加している。そろそろ抜本的な解決策を考えていかなければならない。
外国の例など出す必要もない話であるが、捕鯨に大反対のオーストリアでは名物と言えるカンガルーの被害を解消するために大量の殺傷処分を行っている。捕鯨に反対している手前内緒で処分したとか。いやはやである。アメリカのニューヨークでは2025年までに2200羽のコブハクチョウの殺傷計画が出された。これは全滅を目指す計画である。コブハクチョウはもともとヨーロッパに生息していたもの。美しい姿を観賞しようと19世紀の後半に移入したもの。イギリスではその姿を美しい女王にたとえている。ところが増えすぎたコブハクチョウにニューヨークは飛行機事故などの危険を感じている。実際まだ事故は起きていないが、ガンによる墜落事故は起きていた。その延長線上にいるコブハクチョウが敵視されたのである。もちろんガン愛護団体は猛反対。だが、もともとの在来種でもないコブハクチョウに同情する声は少ない。人間の勝手でアメリカまで運ばれ、敵役にされる彼らも気の毒に思うが、やむを得ないと言える。飛行機事故の悲劇はコブハクチョウの悲劇より大きい。
自然が人間のためだけにあっていいとは言わないが、人間の命に危険があれば、それを排斥する努力はすべきだ。それが野生動物の悲劇になるとしても。自然界は弱肉強食が基本。人間より強いものが出てきたなら、当然人間が悲劇の側に回る。そのくらいの覚悟を持って自然界に対処してもらいたい。
人類は発生以来、自分の不都合はすべて都合よくするために
変えてきた。ウイルスさえも都合の悪いものは駆逐しようとしてます。
ただ、一度手を入れたものは、今後も手を入れ続けなければならない。
エゾシカなどはそのいい例でしょう。
ただ、人類がレミングみたいに増えすぎて、集団自死に追い込まれる可能性はゼロとは言えませんね。
いやはや、食糧事情がよくなったおかげで人類は増えすぎましたね。
もっと正当なバランス感覚が必要なのではと。そうでなければ、人口増加による自然淘汰、集団自殺も起こりうると思います。中国などはその典型なのではと思います。そういえば韓国も自滅に突き進んでますね。いずれも反日行動がそういうことにつながるような気がしているのですが。これもまた観念論かな。