原野の言霊

風が流れて木の葉が囁く。鳥たちが囀り虫が羽音を揺らす。そのすべてが言葉となって届く。本当の原野はそんなところだ。

お前もまた、ブルーリストの一つか。

2015年07月17日 08時45分58秒 | 自然/動植物
緑の野原の一角に鮮やかな黄色の一団が目に入った。ここ数年間で急激に目についたもの。地面に広がるその姿は黄色いペンキを振りかけたようにも見える。近づいてみると小さな花が密集するように咲いていた。その名を図鑑で調べたがなかなか分からない。ひょっとして帰化種ではないのかと調べてみると、あった。コバンコナスビである。在来種のコナスビと同種であるが、ヨーロッパ産。グランドカバー用として導入され、いつのまにか野生化したものらしい。いまや、北海道ではふつうに自生している。

ブルーリストに載る帰化種をすべて否定する気はない。ニジマスのように今や北海道の観光資源の一つとなっているものもある。在来種とどのように棲み分けができるか、ということが解決すればそれほど気にすることではない。オオハンゴンソウやセイタカアワダチソウなどのように在来種を駆逐し、ウチダザリガニのようにニホンザリガニやマリモに害を与えるような場合は、やはり駆除を検討すべきであろう。
コバンコナスビがどれほど在来種に影響しているのかは、データはないので分からない。が、それなりに北海道の自然に同化しているような気がする。原産地の写真も見たが、少し違っているようにも見えた。育つ風土により変化をしているようなのだ。そうして考えると、彼らもいつか北海道生まれの花として成立する時代が来るのかもしれない。
グランドカバー用として導入されただけに、地面を覆うように広がる姿は、目を楽しませてくれる。北海道の原風景の一つとなるのも夢ではない、かも。



植物も動物も人間の持ち込みなどで、国境を超えいろいろなところで自生する場合が多い。彼らなりに生存権をかけて懸命に生きている。それはそれで環境に影響を与えるのは、ある程度やむを得ないと考えるべきなのかもしれない。しかし、これが人間の場合は単純に考えるべきではない。
現在、ヨーロッパの各国では移民による問題が顕在化してきた。21世紀にはいって急に目立ちだした。かつては不足する労働力を補う目的や難民救済という目的で多くの移民を受け入れた国が、少なからずの軋轢で国政に影響を与えているからだ。民族とか人種という問題は単純に割り切れるものではない。



日本にもそうした問題がある。外国人参政権などがそうだ。また何世代にもわたって日本で生活しながら、日本国籍を拒否する人たちもいる。彼らがアイデンティティーを守ろうとする気持ちは分かるが、それなら、どこまでも外国人でいるべきで、日本人と同じ権利を主張するのはおかしい。ましてや外国人特権などやめてほしい。
日本人だって、縄文時代までさかのぼれば渡来人。いろいろな人種が混ざっていることは歴史が証明している。しかし、日本という風土のなかで独自の文化や精神を育ててきた。それが日本人の原型となっている。この原型にぴたりとはまるなら、誰でも日本人になれる。だが、自分のアイデンティティーは崩さず、表面だけ日本人となるのは困る。やめてほしい。ヨーロッパ各国の二の舞だけは避けたい。

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