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やんまの気まぐれ・一句拝借!

俳句喫茶店<つぶやく堂>へご来店ください。

尋ね来てコスモス囲む友の家 岡崎笹穂

2016年11月02日 | 俳句
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岡崎笹穂
尋ね来てコスモス囲む友の家

作者は久々に友人宅を尋ねて来た。コスモスが咲き乱れた中を進むとそこが友の家であった。明るい笑顔の友に迎えられ旧知を温めたことであった。私は幼い頃から成人するまでのほとんどの時代を葛飾の青戸という所で過ごした。それで幼友達は青戸に多かったのだがぽつりぽつりと訃報が重なり、今は友を尋ねる事がほとんど無くなった。我が周辺では少し季節を遅れたコスモスが乱れ咲いている。今は老人会の友人に囲まれてハッピーな日々を重ねている。俳誌「百鳥」(2016年10月号)所載。:やんま記

小春日や柴又までの渡し舟 渥美清

2016年11月01日 | 俳句
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渥美清
小春日や柴又までの渡し舟

これから暫くは強い季節風も無く、まるで春のような穏やかな日和が続く。私は小学校から大学に掛けての日々を葛飾で過ごしたので矢切の渡しは何度か利用した。当時の矢切村から江戸川をやや斜めに渡る営業渡舟に乗って帝釈様の柴又へ出る。観光舟と言うか生活の利便性が主だった気がする。そこには来る日も来る日ものんびりとした営みがあった。空には雲雀が囀り水面には魚が跳ね対岸には子供達が草野球に興じている。ただそれだけの時が物言はずに流れていた。寅さんこと俳号風天(フーテン)の世界である。:森英介の『風天・渥美清のうた』(2008):やんま記