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野を焼くやぽつんぽつんと雨至る 村上鬼城

2019年01月29日 | 俳句
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村上鬼城
野を焼くやぽつんぽつんと雨至る
野焼きの季節がやってきた。私の経験では渡良瀬遊水地とか霞が浦湖畔のものが印象深い。これは草の芽がよく出るように早春に野の枯れ草を焼く訳であるがこれが済むと野は若草色に染まり春色の一色になってゆく。関係者も見物人も燃え盛る炎を前に何故か高揚した気持ちになって立ち尽くす。そんな人々の上にぽつんと雨粒が当たった。彼方から雨の煙が迫って野焼きも終盤を迎えることになる。:山本健吉「定本・現代俳句」(2000年4月10日)所載。
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