やんまの気まぐれ・一句拝借!

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風鈴やだまりしままの父と母 海野涼音

2017年07月02日 | 俳句
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海野涼音
風鈴やだまりしままの父と母

風鈴が気ままな風に任せて鳴っている。その下では黙ったままの父と母が涼をとっている。お互いに全てが分かり合った間だから言葉はいらない。時間が来ればお茶も出るし食事ともなる。風呂の温度も41°と決まっている。しかも自営業のこの父と母、明けても暮れても一緒なのである。普通のサラリーマン家庭なら片方が勤め片方が家事で一日の半分は別の世界を持つ。あまり一緒に時間を共有してしまってお互いが空気の様な存在である。また風鈴が鳴って風を共有している。:つぶやく堂「俳句喫茶店」(2017年6月20日)所載。

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