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渡辺桂子
がちゃがちゃの奥の一つを聞きすます
がちゃがちゃと虫時雨が姦しい。姦しいが耳にとても優しい。深まる秋の夜の楽しみである。今宵もがちゃがちゃと鳴きその合唱の不調和和音に感嘆している。とどうもその中の一つが弱弱しく哀し気に聞こえて気になった。鳴きては止んでまた鳴き出して。暫しの沈黙に頭が冴えて眠れない。あ、また鳴いた。秋の夜は永い。:山本健吉「鑑賞俳句歳時記」(1997年1月15日)所載。
<いらっしゃいませー俳句喫茶店・つぶやく堂ーどうぞお入りください>
渡辺桂子
がちゃがちゃの奥の一つを聞きすます
がちゃがちゃと虫時雨が姦しい。姦しいが耳にとても優しい。深まる秋の夜の楽しみである。今宵もがちゃがちゃと鳴きその合唱の不調和和音に感嘆している。とどうもその中の一つが弱弱しく哀し気に聞こえて気になった。鳴きては止んでまた鳴き出して。暫しの沈黙に頭が冴えて眠れない。あ、また鳴いた。秋の夜は永い。:山本健吉「鑑賞俳句歳時記」(1997年1月15日)所載。
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