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秋の雲立志伝みな家を持つ 上田五千石

2018年10月20日 | 俳句
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上田五千石
秋の雲立志伝みな家を持つ
澄み渡る空に秋の雲が浮かんでいる。その下の大地には家々の屋根が並び生活を営んでいる。高年齢化した社会には老いた人々が満ち溢れている。彼らの多くはかつて立身出世を夢見て挑みそこそこの在るべき居場所を得たのだろう。終の棲家の畳の上での暮らしに飯を喰らい排泄をする。人の営みはただそれだけの事である。夢を持ったか持たないか。今が満足そうでないのか。各々が胸に畳んだ矜持は外見では分からない。:角川「新版・俳句歳時記」(1990年12月15日版)所載。
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