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干草の香りまとうてかくれんぼ 丹羽香久

2018年08月24日 | 俳句
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丹羽香久
干草の香りまとうてかくれんぼ
干草の束は隠れんぼに丁度良い。広い田畑のあちらこちらに置いてある。だるまさんがころんだと十数える間に仲間は隠れてしまう。兄は幼い妹が隠れた場所を知っているがわざと他の悪童たちを先に見つけ出す。みんな夫々に干草の香りを纏っている。子供が子供らしく外で遊んだ時代であった。そう言えば祖父母も父母も妹も僕を鬼にしたまま消えてしまった。妹が隠れた水神社はまだあそこに有るだろうか。:俳誌『春燈』(2017年10月号)所載。
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