今日の出来事

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川端康成コレクション

2005-05-15 | 雑感
 昨日は、お友達と一緒に川端康成コレクションを見に行きました。金沢の「21世紀美術館」で催されています。正式には「川端康成コレクション 文豪が愛した美の世界」です。とても楽しかった。川端康成が収集した美術品の数々や、ゆかりの品を一堂に集めて展示してあるのですが、その幅の広いこと!
 古くは埴輪の馬や立像、アフガニスタンの仏頭から、小林一茶の掛け軸、国宝『池大雅と与謝蕪村の十便十宜図』、ピカソやルノアールのデッサン、ロダンの彫刻、東山魁夷の日本画などなど。その多彩さには瞠目すべきものがあります。共通していえるのは、どれも美しいということ。見ていて心が落ち着くような静かな美しさに満ちています。文豪が手元に置き、日々それを愛でながら著作にいそしんだ様子がうかがえます。自分の好きなものを集めたらこうなった、というコレクションです。普段使いの品々も展示されていて、木工・漆の美しさにも触れられます。それから、生原稿!ブルーブラックのインクで書かれた万年筆の原稿は、推敲の跡ものこり、思考過程をたどることが出来ます。
 一番心に残ったのは、東山魁夷の直筆表紙に川端自身の手による題が付けられた「古都」。10冊限定の直筆本です。金で描かれた光悦垣に鮮やかな紅葉が枝垂れかかる構図です。ガラスケース越しでしたが、その美しさは際立っていました。久しぶりに康成を読み直そうかな。

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