闇夜の烏の変な世界

とりあえず、何にでも興味持ちますw
日々、気になった事を日記感覚でアップしてみようかと。

途中で ギブアップ! リベンジか

2015-11-13 02:45:00 | 日記

​いや楽しい楽しい!

滅多に乗る機会が無い車というだけでなく、これだけ プリミティブ な スポーツカー はそう残って無いかもしれない。

なんて勝手に思ってしまう。

若かりし頃の自分みたいに、「エアコン に オートマ なんて堕落しまくり、汗のひとつもかかずに 何がスポーツカーだ!」 って無茶苦茶な理屈をのたまわる人には、最高の「特効薬」 です(爆。

ほんと、いい汗かけますョ。

ってか、夏場とかには絶対乗りたくないかも。

 

平日の横浜・横須賀は適度な車の流れで、工事とかが無ければ 渋滞はありませんでした。

どうしても道幅が狭いのですが、「フェアレディ Z」 はとてもコンパクトなので、軽自動車じゃなきゃ抜けられないかもって隙間を、意外とスイスイ抜けられたりする。

坂道になってる場所も多いのだけど、豊かなトルクと マニュアル らしい エンジンブレーキ の恩恵で逆に面白い。

 

ようやく、左手に海が開けると、思わず 「うひょーーー!」 って声に出てしまって。

楽し過ぎて、気持ちが若返りしてる?

海岸線を 「ダットサン フェアレディ Z」 で流すなんて、なんかドラマのワンシーンみたい♪

 

みうらに入ると、田舎道というか、急に畑が広がったりと景色を思いっ切り堪能できる。

交通量がとても少ない(土日がウソみたい)ので、ドライブには最高でした。

 

が、クネクネとした道を経て、いよいよ自分の両腕が悲鳴を上げだす。

「城ケ島 で美味しい海の幸が食いたいー」 と唱えるものの、「このままじゃ車を返す前に腕がどうかなるかも」 って焦りが出始めた。

情けない、体力が貧弱な わが身の限界点ってところでしょうか。

 

決心し、このまま横浜に戻る事に。

大橋で島に渡る手前で脇道に反れ、ナビがリルートを叫び続けるのを無視して帰路を探す。

大失敗し、油壺で行き止まりに入り込み、狭い場所で 「Uターン」 を余儀なくされる。

…「地獄」。

 

ハンドルが重い上に、切れ角が小さく、車両感覚も難しい車でやるのは厳しい。

ほとんど、「ガンコおやじ」 や 「ヒステリーおばさん」 を 説得しようとするようなもの、自殺行為です(笑。

 

ハンドル径が小さすぎて、禁じ手 「逆手ハンドル」 もできない。

半分 「涙目」 になりながら、「うぉぉー」 って叫びながら懸命にハンドルと格闘する。

とても他人に見せられた姿じゃない。

3回切り替えし、何とか方向転換できた。

広い路肩を探し停車、スマホのナビに借りた場所を設定。

車の簡易ナビは、「自宅」 を選択すると 営業所がセットされる。

 

帰路は 自動車専用道路 を最優先で走ります。

一般道のような急カーブが無い利点もありますが、個人的に 「横浜新道」 を GノーズのZで走ってみるのは 「夢」 だったりする。

子供の頃、小松左京原作のTVドラマ、「日本沈没」 で見て印象深いシーンが。

「田所博士」 が 「次は横浜新道がやられる!」 と警鐘するも、やる気の無い学者先生に無視された結果、「安部玲子」 の運転する フェアレディ Z 240 が 横浜新道(出来立て?)で道路陥没にあってしまう。

そこで、ドラマ前半で再三登場する マルーンの 240Zが爆発してしまうのだが、どういうワケか自分の中で 「横浜新道」 と 「フェアレディ Z」 は印象深いのです。

ある意味、夢が30年ぶりに叶ったかな(笑。

 

有料道路に入り、最初に見つけたパーキングで一休み。

IMG_2000.JPGトイレ と 自販機しか無いが助かります。

実は、このハンドルの重さが怖く、途中で寄ろうと考えてたコンビニも、結局1度しかとまれず喉カラカラでしたから。

 

因みに、ココのみ ETCカード非対応で、必死に財布から小銭を探すハメに。

窓は広く、極端に低くはないものの、この車を借りる際は ETCカード(自分で用意)必須ですね。

 

さすがに、バケットシートで寛ぐ気にはなれず、そばにあったベンチで小休止です。

また直ぐに走り出すため、エンジンは掛けたまま。

古い車の場合、始動時にトラブルが出ると怖いので、ここは起きてるまま待って頂きます。

 

やはりエンジンのバランスがあまり良くないのか、アイドリングではかなりのバイブレーションが出てしまう。

そのバラつきは、排気音からもうかがえる。

壊れて動かなくなる雰囲気は無いものの、これを酷使してスポーツ走行しようという気にはらないかも。

 

IMG_2002.JPG 

今回は出先でユックリと撮影する余裕が無く、結局はココで数枚写しただけに。

 

にしても、「フェアレディ Z」 のこの 「Gノーズ」。

ペリカンのクチバシというか、長く伸びる様は独特ですよね。

元は 「フェアレディ 240ZG」 という、海外向けモデルにあった形状と聞きました(本当?)。

それが、交換キットで改造する人が続出したらしく。

 

恐らく、この Z も オーナーが 「Gノーズ化」 したものじゃないかなぁ。

追突したら 「刺さる」 よね、きっと(笑。

 

「DATSUN(ダットサン)」 のバッヂが似合ってる。

この車体の頃って、まだ プリンス と合併する前だったのだろうか。

昔は 「ダットサン フェアレディ」 って良く聞いたなぁ。

 

せっかくだから、イロイロなアングルで 好きな角度を探して見ます。

IMG_2006.JPG 

「ダックテール」 化していない(あれはちょっと邪道かなぁ)リアアングルも、なかなかに魅力的です!

今じゃ見ない、鉄のメッキバンパーも この車にはアクセントとして似合います。

 

全体に 「小じんまり」 した佇まいも、逆に新鮮でいいなぁ。

車幅 1,630mm って、サイズ的には、トヨタ 「ヴィッツ」 より狭いんですよね(汗。

さすがに全長は4mを越えちゃいますが。

 

ちなみに、4人乗り(2+2)のモデルでは、横のせり上がる小窓の形状・サイズが変わりますね。

私はこちらの2人乗りの持つ、潔い美しさに魅かれます♪

 

…、あれ?

一応 「ヘッドレスト」 あったのね(気付かなかった)。

IMG_2004.JPG でもって、やっぱり 「Gノーズ」 の私的 ベストアングルはコレかなぁ。

 

巷に ロングノーズ&ショートデッキ のフォルムを持つ車は沢山あれど、この独特の形状はなかなか個性的です。

運転席から常時見える、可愛いメッキワイパーも 時代を感じさせる。

 

今となっては 「古典的」 な姿も、逆に 「新鮮」 にさえ感じてしまう。

箱の車が多い中、流線型 ってのは希少価値ですよねぇ。

 

東京モーターショーの 「RX-VISION コンセプト」 があれだけ 注目を集めるあたり、今後長生きしたら こうしたフォルムの 再考・復権 なんて見れたら面白いなぁ。

 

 

さて、想い叶って 「横浜新道」 を 80km/h(高速道路ではないからね)で気持ちよく流します!

軽く舵角を当てる程度なので、実に快適に運転できる。

これダケなら、普通の女性でも運転できそう。

乗り心地も良く、この辺りは グランツアラー的な表情を見せ、北米で大ヒットした所以なのかもしれない。

 

ギヤも5速にさえ入ってれば、よほど長い上り坂でない限りはシフトチェンジは不要。

にしても、昔のL20 ってこんなに粘ったのかな、扱い易いわ。

 

金沢八景で下に降り、一般道へ。

そこそこの渋滞があっても、クラッチが軽めでトルクあるから思った以上に楽なのですね。

ここも、トヨタ 「86」 より好印象。

サイドブレーキを使う必要、ほとんど無かった。

 

結局、燃料計の針が微塵も動かないうちに無事帰着。

因みに、Zを借りる時は 携帯電話(スマホとか)は必ず持ちましょう。

パーキングを出る時と、戻って入る時に、係り員が専用カードでゲートを開閉をしてくれます。

出る時は良いのですが、戻る際は 直前に電話を入れてお願いします。

携帯電話が無いと、どこかで公衆電話とかから連絡するハメになるので大変です。

 

近くに観光地の 山下公園 と 中華街 があり、それ以外はオフィス街 なので コンビニも駐車場が無いケースがほとんど。

容易には電話を見つけられません。

 

その中華街の影響で、営業所に戻る最後の信号はかなり恥ずかしい事に。

借りた朝はまだ人が少ないものの、帰りは内外の物凄い数の観光客の波の中、交差点を通過する事になるのです(汗。

 

一斉にスマホやデジカメのレンズが向けられ、何人かが手を振ってくる(汗×max。

笑顔がサマにならない私ですが、せいいっぱいの 「作り笑顔(ださ…)」 で軽く手を振りかえす。

何となく、日本人より欧米の方が興味を持ってる気がする。

文化の違い???

そんな雰囲気ですね。

 

「エリーゼ や ウェストフィールド じゃなくて良かった…」。

オープンカーじゃもっと照れるわな(爆。

 

戻ると、タワーパーキングのため、螺旋状の坂の途中でバックの車庫入れが必要になる。

とはいえ、ここは係員がしっかりと指示を出してくれるので、落ち着いてやれば難しくはない。

定位置に戻すと、ドッ と疲れが出て、同時にえもいわれぬ満ち足りた満足感が。

 

通常のレンタカーと違い、返す時はいろいろ車のチェックが入ります。

今回は担当の方がちょうど手隙になったようで、暫く Z と エリーゼ を前に貴重なお話しを伺えました。

(お仕事邪魔してごめんなさい)

 

「フェアレディ Z」 は、子供の頃に ご家族が実際に乗っていたのだそうです。

今のコレを 維持・整備 するにあたり、そんな経験がとても生かされてるらしい。

とはいえ、既に純正の整備書も入手不可なため、できるメンテナンスは限られると言います。

コスト的な面(採算がありますしね)もですが、「オリジナル」 を大事にすることが絶対な以上、割切る点も出て来る。

中には不明なスイッチがあったりと、実際に苦労が絶えないそうです。

 

場合によっては、お客の方が高いスキルがあると、そこから教わる事もあるとの事。

とはいえ、出所不明な部品があっても、「レンタカー」 として運用する以上、断念せざるをえないケースも。

 

例えば、サービス開始当初、「RX-7(FC) のカブリオレ」 があったそうですが、現在は終了しています。

別に車自体が壊れたとかではなかったそうですが、ロータリーエンジンの要、「アペックスシールド」 のメーカー在庫が終了してるために、オリジナル状態の維持が難しいと判断されたからとの事。

実は現在、13B でも アフターパーツでより高性能な 「アペックスシールド」 が出回ってます。

でも、レンタカーとして使う以上、「純正パーツ」 が重要なんですね。

 

因みに、「フェアレディ Z」 はもっとパーツが欠品してると思ったのですが、意外にまだまだ手に入るので継続してるのだそうです。

とはいえ、時と共に老朽化するのは 機械製品の さだめ。

退役の時は必ず来ます。

 

パワステが無い、エアコンが温風のみ、ライトが暗い等々、実用として難の多い車です。

でも、「一度でいいから、オリジナルの状態で運転してみたい」 と思ったら、これはとても面白いと思うのです。

キャンペーン価格で借りれるのも、とても親切。

 

担当の方は、とても丁寧、親切、車が好き と、営業の理想を絵に描いたような方(笑。

 

今回は 私の友人が仕事で不参加。

なので、また 「フェアレディ Z」 を、今度はナビゲーターと一緒に楽しみたいと思いました。 

 

因みに、タイムズレンタカーの 「SERVICE X」 では、「他に導入して欲しい車」 のアンケートを行ってます。

多くの声が集まり、採算が可能でないとダメですが、リクエストしたら 叶うかも?

 

ということで、次回はもう少し腕力と体力を強化してからですね。

だって、まだ両の 二の腕、パンパンですー。 


意外な快適性、でも操作作法は要注意?

2015-11-13 01:23:00 | 日記

​…寝落ちした(涙。

パソコンに突っ伏して爆睡なんて、何年ぶりだろう。

 

話しを 「フェアレディ Z」 に戻しませう。

運転席に無事収まると、想像以上に 「閉塞感」 が無い。

こうした屋根が低く、足元も必要最低限の空間しか無い車ってのは、ほとんどが 「無理やり狭い場所に押し込まれてる感」 ってのが伴う。

同じハズなのに、何でだろう。

 

よく観察してみると、「ダッシュボードの形状」 あたりにヒントがあるような気が。

この辺り、最近の車だと 「絶壁(断崖)」 になってる事が多い。

自分が近年運転したという意味で何度も引き合いに出すが、トヨタ 「86」 などがいい例です。

恐らく、明らかに 「フェアレディ Z」 より空間に余裕がある ハズ ですが、エアルーパー を頂点にほぼ垂直に落ちるため、奥行き感 とかが無く、心理的な 「圧迫感」 がとても強い。

「押し込まれてる感」 ってのは、正直あまり精神的に好きになれない。

IMG_1321a.JPG 

ダッシュパネル 付近が真っ直ぐな 「壁」 になるのは、ソコに 2DIN やそれ以上のナビ等を収めるために必要な形状です。

なので、近年の車にはどうしても避けられない 「形状」 なのでしょうか。

 

だけど、この時代の 「フェアレディ Z」 を見ると、そうした 「シバリ」 が無かったせいか、実にデザインが伸び伸びと感じられました。

ダッシュボード全体が、「く の字」 のようです。

特徴的な 5連メーター すべてが、ソコから 「カエルの目玉」 のように迫り出して配置されてる。

見易いけど、決して高い位置に並んでるのでもないメーター。

飛び出してデザインされてるからか、ダッシュボードが 更に低く 感じる。

結果的に、実に 「開放された空間」 を見事に演出してる♪

 

良く見ると、ダッシュボード そのものには経年劣化か 修理あと が無数にあるのだが(笑)、このデザインの妙はとても新鮮でした。

メータークラスター(って言うのかな、要は上の迫り出し)も、多くの乗用車が 体育館の屋根よろしく大きく覆ってしまってるのも、この車との違い。

無数に増えた 警告灯 や インフォメーションパネル が無い時代の妙ですね。

 

ナビ等が収まるのに適した位置には、エアルーパー と 空調パネルが 「段違い」 で並ぶ。

この辺りは、下側が奥まる感じで 更に立体感を強調。

その下のゴチャゴチャは、簡易ナビで塞がれてるけど、総じて 立体的なデザイン。

 

「古臭いインパネだなぁ」 って初期印象が、時間と共に 「この配置(デザイン) って結構良くないかな」 って変わるのに時間が掛からなかった(笑。

 

 

エアコンの我慢(コンプレッサーが無いので冷たい風が出ない)を除き、おおむね快適な室内ですが、運転となると ちょいとコツがいりました。

最近の車では、ほとんど使わないものばかりです。

 

その大半は 「ハンドル操作」 と 「シフト操作」。

 

シフトは見た通り、マニュアル5速(右手前が後進)。

最近の ゾンザイな扱いでも スコスコ 入る、とはいきません。

できるだけ エンジン回転を合わせ、シッカリと入れる必要があります。

言葉にするのが苦手なのですが、何て言うか 「トランスミッションの中をイメージし 丁寧にギヤを繋ぐ感じ」 かな。

できれば 「ダブルクラッチ」 ができる人に向いてるかな。

シフトダウン は、「ヒール&トウ」 に自信ある人には、逆に 「たまらない?」。

 

この辺り、決して絶好調では無いせいもあり、無碍に扱うと ギヤ鳴きが出て 「下手くそ! 顔洗って出直せやー」 って怒られてる気分に(汗。

「クラッチ板」 はフルオーバーホールしたそうで、上手にギヤを繋げられれば、クラッチ操作はとても安定して扱い易い。

ユトリあるエンジントルクと相まって、坂道発進もお気楽モードなのです♪

「クラッチペダル」 面 が大きく、踏み易いのも好感(軽いしね~)。

 

で、「ハンドル」 に関してはちょっと難しかった。

コラム部から、斜めにスポークで手前に飛び出す形状なんざ、まんま昔の 「アメ車」っぽい。

握ると思わず 「プジョー 2008のハンドルみたい」 ってぼやいてしまった(あちらは太巻き)。

それほど直径が小さく感じる(汗。

 

おまけに、操作するにはとんでもない腕力が必要。

係り員が、「メカもチェックし、タイヤの空気圧を変えたりしたけど変化無し。これはかなり ガツンときますよ~」 って言ってたから、壊れてるわけじゃなさそう。

 

この直径の小ささが、昔の 「英国スポーツカー」 で用いられてた 「送りハンドル」 ってヤツを要求する。

このレンタルでも扱ってるが、ウェストフィールド(ロータス7系)に座ると判ると思うけど、ハンドルが近い上に、横のドアシルやセンタートンネルが邪魔をする。

なので、ハンドルを普通の車みたいに クルクル 回そうとすると ヒジが当ってしまう。

腕が回るのはハンドルの水平辺りから上だけ。

なので、頂点で両手を交代させるような 独特の 「送りハンドル」 で操るという技術が生まれた。

片手が担当するのは、頂点から横の約 90度のみで、見てると妙に 忙しい(笑。

 

今回の 「フェアレディー Z」 は、ドアシル や センタートンネルに ヒジが当るわけじゃない。

今風の車に比べれば、ややハンドルが身体に近くなる程度。

腕力さえあれば、普通にハンドルをクルクル回せると思う(私には無理だったが)。

 

「送りハンドル」 の良さに、「腕の力が入り易い」 ってのがある。

手を真っ直ぐ伸ばすと、作用点が身体から遠くなるため どうしても入る力が小さくなる。

腕を直角辺りで握ると、作用点が近くなるので力が入る。

例えば、重いモノを握り、腕を伸ばした状態と、曲げた状態で上下に動かすと どちらが楽だろうか?

この点が、「フェアレディ Z」 の適度に近い小径重ステ には好都合なのです。

 

恐らく、「送りハンドル」 ができる(知ってる)人と、そうでない人とで、この車の評価は天地ほど変わりそうな気がする。

「バケットシート」 で身体をしっかり支えてもらい、「送りハンドル」 で無理なく操舵する。

ほんと、生粋の 「クラッシックカー」 ですねぇ。

 

「恥ずかしいヤツ」 って指差されそうですが、皮の指切りグローブがあったほうが この車は安全で楽かもしれません。

 

走り出す。

「ふぇぇ~、しんど~(涙)」 と各部の クセ を探りながら横浜市街地を流す。

 

最初は景色を楽しむ余裕なんざありません。

着座位置が、車のかなり後方なので、交差点で曲がる時の感覚を掴むのに少々時間が掛かった。

ただでさえ曲がるのが オオゴト(笑)なので、シフト操作とは緊張の度合いが違う。

 

ちょいとバラけるエンジン(あまり本調子では無いかも)が奏でる ストレート6のビートを楽しむだけで、ワクワク感は一気に高まります。

意外に極低回転からモリモリとトルクが湧くキャブレターのL20エンジンは、ディーゼルエンジンのようなフレキシビリティがあり 扱い易い!

今の、低回転がスカスカで頼り無いエンジンに比べたら、妙にマッチョで 「アメ車かい!」 って突っ込みたくなるような迫力がある。

それは排気音も同様で、特に 「暖機」で 「チョーク」 を引いてる時の音は、通りがかる人が一様に 「何だ???」って振り返るほど凄い。

早朝には始動したくないな(笑。

 

「キャブレター」 なので、燃料噴射とかより ちょっとクセがある。

例えば、高負荷が掛かってるところから、更に加速しようと 強引にアクセル を踏み込んでも渋られる事が。

今の車なら 勝手に制御してくれるところかな。

こうした時は、一端 クラッチを切ってエンジンを一発 「ブゥォンッ!」って軽く呷ってやる。

すると機嫌を直してくれたかのように、意外と力を出してくれたりする♪

不用意なアクセルの呷りは、エンジンをカブらせる危険があるのでご法度。

必ず、適したギヤに入れた操作を心がけてやる。

 

こんなやり取りが、「車と対話しながら走る」 って感じで、スポーツカーの持つ 「自分で操ってる」 って喜び(満足) を呼び起こすのかも。

 

金沢八景を越える辺りで、やっと運転に余裕がでてきた。

昔のMT車しか無かった(ATは極稀だった)頃の運転感覚が、こんな所で生かされるとはなぁ。

 

余裕がでてくると、いろいろなモノが見えてくる。

乗り心地は、正直 なところ予想をイイ意味で裏切った。

もっとゴツゴツと粗悪なものをイメージしてたのだが、実際は凄く良い。

タイヤの偏平率もあるのだろうが、普段使いでも十分にくつろげそうなほど快適なのです。

バケットシートの薄いアンコで、即座にお尻が痛くなると予想してたけど、全然そんな事無い。

これなら、助手席に女の子載せても 「乗り心地悪いね」 って苦情はあまり出ないんじゃないかな?

少なくとも、トヨタ 「86」 よりは全然良かったのです(汗。

 

車高が低い車は見える景色が狭くなるハズなのだが、どうやらこの 「フェアレディ Z」 は股下が高いのか良好。

実に秋の終わりに、もうすぐ見えてくるだろう海沿いを流すには うってつけなのです(笑。

 

途中、信号待ちしてたら 隣のバイクのおっちゃん(同い年位かな)が、「これイイですねー♪」 って話しかけてきた。

空調は生きてるが、エアコンが無いので涼しい日とはいえ窓を全開にしないと暑くてたまらない。

なので、向こうがヘルメットかぶってても会話ができちゃう。

「これ実は、レンタカーなんですよ♪」。

「本当ですか!どこで借りれるの??」。

「横浜の タイムズレンタカーのオプションで借りれますヨ♪」。

「そうなんですか、今度調べてみようかな」。

「昔の車ですが、手に入らないので話のタネにはお勧めです」。

「ですよね!私、最初のロードスターに乗ってるんです」。

「なら十分に楽しめると思います♪」。

こんなやりとり、思い出すと自分で吹きだしてしまった(笑。

 

他にも、いろいろな時代の 「フェアレディ Z」 が、並走して挨拶してくれたり、前に入ってハザードと 窓から手を振ってくれたりと楽しい楽しい!

きっと 「Z使い」 には暗黙の 「仲間意識」 みたいなものが残ってるのかもしれませんね♪

 

そういった 「仲間意識」、私の若い頃はかなり普通にあったっけ。

「ジープ同士」 「ランクル同士」 「ミニ(クーパーも)同士」 、あの 「フェラーリ同士」 でも対向車に挨拶してたのになぁ。

車が普通の 「乗用車」 化したって事だろうか、何かつまらん。

今じゃ 手を振ったり、パッシングしたら 「てめー 何喧嘩売ってんだ!!!」 ってボコられそうだな(汗。