政治の季節【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的な歴史書等をいいます。
現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

ルース米大使の無礼とバカ産経

2009-12-12 08:52:08 | 政治
最近腹の立ったのが次の記事。
例によってバカ産経である。
しかし、ほっとくわけにもいかないので一言。

ルース米大使が日本側に激怒 岡田外相らの面前で大声張り上げる 普天間移設の年内決着断念で (産経ニュース 12/5)


東京都内のホテルで講演するルース駐日米大使=4日午後

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題をめぐり鳩山由紀夫首相が年内決着を断念したことに、米国側が激怒した。

 4日午後、日米合意に基づくキャンプ・シュワブ沿岸部(名護市辺野古)移設を念頭にした、日米閣僚級作業グループ(WG)の検証作業が開かれた外務省4階大臣室隣りの接見室。

 関係者によると、少人数会合に移った後、米国のルース駐日大使がそれまでの穏やかな語り口を一変させた。「いつも温厚」(防衛省筋)で知られるルース氏は、岡田克也外相と北沢俊美防衛相を前に顔を真っ赤にして大声を張り上げ、年内決着を先送りにする方針を伝えた日本側に怒りをあらわにした、という。

 いらだちを強める米国側の姿勢は、会合後、首相官邸を訪れた岡田、北沢両氏から鳩山由紀夫首相にも伝えられたとみられる。


これについては後日岡田外相が明確に否定したこともすでに伝えられている。

外務大臣会見記録(平成21年12月8日(火曜日)15時40分~ 於:本省会見室)
「ルース大使との議論も、誰かが見ていたようなことを書いていますが、全くの創作です。もちろん、ルース大使もしっかりと自らの主張を言われましたが、別に顔を真っ赤にするとか、怒鳴り上げるとか、冗談じゃないと思っております。私(大臣)、北沢防衛相、ルース大使と通訳しかいませんから、何を根拠にそのようなことを言っているのかと思います」


岡田と産経のどちらの言うことを信じるかは人それぞれであろう。
しかし、許せないのは産経である。
ねつ造かどうかはひとまず措く。

産経が責めるべきは、岡田ではなくルース大使の方である。
一駐日大使が、相手国の外務大臣に対して「顔を真っ赤にして大声を張り上げ」た無礼をこそ責めなければならない。
ルース大使の態度は植民地現地政府に対する宗主国のそれではないか!
もしこれが事実であるならば、日本政府はアメリカ政府に対して強く抗議し、大使更迭を要求すべきであろう。

もっとも日本国内に置かれている基地の有様やこれまでの日本政府の対応を見れば、アメリカが日本を植民地と勘違いするのも無理はない。

産経相手に腹を立てるのも大人げないが、記事に掲載されている写真もよく見るとまったく別の場面の写真であり、怒っているように見える効果を狙っているだけのことであるのがアリアリである。
まったく卑劣なやり方である。

こういう連中がはびこっている間はアメリカの勘違いはまだまだ続くだろう。





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