政治の季節【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的な歴史書等をいいます。
現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

ようやく民主党から世襲制限が出てきた

2008-06-14 03:35:00 | 民主党
民主が国会議員の世襲制限打ち出す 公選法改正の中間報告

公務員の天下りと議員の世襲がこの国を閉塞状況に追い込んでいる最大の原因である。
公務員の天下り禁止については引き続き民主党にがんばって貰うしかない。民主党の声も以前よりは世間に響くようになってきた。
問題は、議員世襲である。民主党内でも扱いのやっかいな問題だろう。
小沢党首、鳩山幹事長はれっきとした世襲議員である。菅代表代行も息子を選挙に立てたことがあった。民主党から出ている江田五月参院議長も世襲である。
これが自民党となると、そのひどさは目も当てられない。
まずは現状確認のために、

福田内閣閣僚名簿

内閣総理大臣     福田康夫     二世
総務大臣        増田寛也     建設官僚・県知事・父元参院議員
法務大臣        鳩山邦夫     四世
外務大臣        高村正彦     二世
財務大臣        額賀福志郎    世襲(父 地方議員
文部科学大臣     渡海喜三郎    二世
厚生労働大臣     舛添要一     タレント
農林水産大臣     若林正俊     農水官僚
経済産業大臣     甘利明      二世
国土交通大臣     冬柴鐵蔵     公明党からの派遣弁護士
環境大臣        鴨下一郎     医師
防衛大臣        石波茂      二世
内閣官房長官     町村信孝     二世
国家公安委員会委員長 泉信也     運輸官僚
内閣府特命担当大臣  岸田文夫    二世
同金融担当       渡辺善美     二世
同経済財政担当    太田弘子     学者
同少子化他担当    上川陽子     女性

党三役

幹事長     伊吹文明     大蔵官僚
政調会長     谷垣禎一     二世
総務会長     二階俊博    二世(父 県会議員)
 
最近の歴代内閣総理大臣
橋本龍太郎-小渕恵三-森喜朗-小泉純一郎-安倍晋三-福田康夫
1996年以後世襲議員の内閣が連続している。

国会の中を歩けば、ボンボンカン、ボンボンカン、と言った議員がいたのを覚えている。ボンはボンボン、坊ちゃんつまり政治家のボンボンということ。カンは官僚上がり。ボンとカンとタレント以外のものが国会議員になるのは至難の業。
地方議員を振り出しに階段を長い年月苦労して登っていくのが関の山。特異な議員供給源が松下政経塾。それ以外では前回総選挙のときの小泉チルドレン。


地盤・看板・鞄なしでも、意欲と能力があれば議員になれる可能性のある世の中にして欲しいものだ。

党内にも「職業選択の自由に反しないか」との指摘があり、

民主党にもこんな馬鹿なことを言う議員がいる。
公務員の天下り禁止に反対する自民党からも似たような声が上がっていた。

職業選択の自由をこんなところで持ち出すな。

問題なのは、どちらの場合も不公平だということなのだ。
議員の場合で言えば、スタートラインの位置がはじめから違うところに引かれている。
100メートル競走で一人だけゴール前10メートルのところにスタートラインが引かれているようなものである。
こんな競走で勝った人間が正しい政治を行えるわけがない。はじめから不公平を受け入れてしまった人間なのだ。今現在の世襲議員達は、たとえどんな高邁な理想をもって政治に臨もうと、自分より優れた人間のチャンスを自分が奪っているのではないかという反省をしなくちゃいけないのだ。


いまテレビでキムタクの世襲議員のドラマをやっている。みているとおもしろいドラマだ。山村の小学校教師が父親の急死で無理矢理議員に立候補させられ、当選してしまう。その新人議員が党内実力者達の思惑で総理大臣になってしまうという話だが、彼は懸命に国民のために働く。
世襲議員でもひとによってはまともな政治家もいるんだ、と国民におもわせるところがミソだ。彼に官僚出身の女性秘書がつく。
ほんとは自分が議員になりたいが、その前段階として議員秘書をしているという設定だ。
なりたくないのに議員になった主人公と、なりたくてもなれない女性秘書。残念ながらその不公平さを感じさせないほどドラマはおもしろく展開される。

政治家のこどもがその志を遂げるために、政治家になるのはよろしい。ただし公平な競争をすることが条件だ。
地盤・看板・鞄が必要なら自分で作ればいい。


世襲をさせないために必要な規制

議員である者、あるいはあった者の3親等以内の親族が立候補する場合
重複する選挙区がある場合の立候補は禁止。 選挙区と比例区、参院と衆院でも一部でも重複すれば駄目。ただし前議員辞職後10年経過後は立候補できる。


これだけでもスタートラインは大分公平になるだろう。
だがやっかいな問題が残っている。現職の世襲議員をどうするか、という問題だ。こいつらにとって、自分の議席を維持するのが最大の命題。しょうがない、現役世襲議員にはこれを適用しないことにする。こいつらがへそを曲げるとまとまるものもまとまらなくなる。
自分の子供にそろそろ跡を継がせようと考えている連中の面倒までは見ていられない。



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