腰に巻く上着おもたき二月尽
こしにまく うわぎおもたき にがつじん
閏年の二月最終日。冷え込みの朝方は厚着のGゴルフ仲間も10時過ぎの陽当りに次々と上着を脱いで己が腰に巻き付け始めた。ところが、午後4時過ぎには激雨から寒気に変った。明日は重ね着に戻りそうだ。3日後雛祭の天気や如何に?
手と脚を仰臥で伸ばす寒の明け
てとあしを ぎょうがでのばす かんのあけ
根元を極限に深く土寄せされ寒風に曝されて甘味が加わる根深葱。寒明けの空に精一杯の背筋を伸ばしている。ウオーキンギの後、公園の芝に仰向けに寝転んで手足を伸ばす気分は格別だ。
クロッカスの斥候なりし一つかな
クロッカスの せっこうなりし ひとつかな
我が家の居間に面した花壇縁の一列は放り放しのクロッカス専用。先ほど黄色に輝く1つを見つけた。前後に目を見張ると松葉状のが並んでいる。日を待たず仲間たちが可憐な列を演出するだろう。斥候を果たした一花を愛でる。
申告の済みし川べり猫柳
しんこくの すみしかわべり ねこやなぎ
今年の確定申告を済ませて来た。何やかで手取りが減り続ける年金者には気になる年間行事の1つ。陽気の良い日は川岸を往来する。往路では気付かなかった猫柳。連れだって帰る仲間と川べりの猫柳を見つけ出す。共に申告の終わった安堵の顔に変る。
登校路ははやばや消える春の雪
とうこうじは はやばやきえる はるのゆき
6時過ぎ凍てついた北側雨戸をこじ開けるまでは、これほどの雪とは思わなかった。朝餉の間に団地内の道は車と登校児によって残雪は道路脇のみ。庭先一帯は輝く春光に雪原の景色を醸す。月末コンペは中止。ブラジルの友に季節便り等を始める。
春時雨弓手に傘の傾ぎ行く
はるしぐれ ゆんでにかさの かしぎゆく
今日明日にかけての寒戻りの中で梅の花は暖冬陽気に咲き満ち始めた。3月初週末の「梅祭り」に時期の咲きっぷりが心配だ。昨日は桜開花時期を関連会社が発表。早いのは3月23日、遅いのが27日、平均は25日らしい。
黄梅や勝って出世の「琴バウアー」
おうばいや かってしゅっせの 「ことバウアー」
今が盛りの黄梅を見ながらの立ち話。ぶら下がった枝枝に満開の咲ぶりは他の花には無い。自然と話は初場所優勝した琴奨菊の「琴バウアー」に話が飛ぶ。21日は部屋のある松戸市での優勝パレードのニュースを思い出す。
春暁や出時うかがふ軒雀
しゅんぎょうや でどきうかがふ のきすずめ
三進二退の春待ち時期。暁の冷え込みはバカにに出来ない。軒下に宿る雀は冷え具合と風邪の有無で体感温度を察知して朝を動く。温く無風の朝は日の出前でも庭先の裸木蓮にて日を待っている。春はそこまで来ている証のように。
蕎麦掻きの蕎麦の長さや春兆す
そばがきの そばのながさや はるきざす
50余年来の友から、自作のそば会の招きがあった今日。共に招かれたのは80歳以上で麻雀仲間。蕎麦打ちはそばの長さに出来栄えをみるそうだ。80歳の我らの衰えかけた、すすり力にみあった長さに刻んだとか。予想外の出来栄えを感謝の1句を詠んでみた。
下校児の列の乱れや河津さくら
げこうじの れつのみだれや かわづざくら
昨日のローカルニュース。静岡県の河津町の「河津桜」の満開を告げる朝刊。昼過ぎに当埼北17号通りの工業団地沿い並ぶ「神津櫻」を見に行く。春陽気の今日に咲きだしたらしい。登校時には無かった桜に下校児達は大はしゃぎだった。