84才男の明日を生きる挑戦記

84才直後、片手に余る持病の中の除癌は目下経過監視中。
4年後は米寿で五輪。酉年を期に臆せず気張らずの余生で在りたい。

10月尽

2008年10月31日 | Weblog

 

 10月26日 括られて並ぶアロエや霜便り
 10月27日 秋時雨傘に彩ふる大内宿
 10月28日 栗爆ぜて塔のへつりの揺れにけり
 10月29日 霧立つや宙に短き大吊橋
 10月30日 高遠そば深谷葱ではなかりしよ
 10月31日 そぞろ寒世界不況のことばかり
 

 列島の山々の続く初冠雪便り。朝刊に昨日の当地の気温は、最高17.6℃、最低8.5℃とあった。今朝は今秋最低の冷えだそうだ。紅葉狩りを兼ねた親睦旅行が続いた。方や、”酒に発ち酒に〆たたる酒尽くし”方や、”酒気なくて錦秋の山ほどに紅葉ずるバスの中”だった。下戸には堪能できた「大内宿と塔のへつり」の旅だった。その余韻が続く今日、10月が往く!


山粧う

2008年10月25日 | Weblog

 

 10月21日 きちきちの親子はべらす読書かな
 10月22日 忘れたる年金話山粧ふ
 10月23日 1打ごと違ふ落葉でありにけり
 10月24日 秋雨や下山祝の続くバス
 10月25日 早世や菊香漂ふ世界地図

 秋冬の早朝寝覚めに窮して、乱読の夜が増えだすこの頃。三国志を読み返す灯下に、ばったの親子が飛び込んできた。 イソップ物語でも読みますかな? グラウンドゴルフ仲間の「秋期コンペ」だった那須の麓は落葉が始まった難コースに、悲喜こもごもの年金仲間。帰宅を待って居たのは仲人をとりもった海外企業支援担当の後輩の葬儀だった。幾たびも菊華を手向けた別れだった。


白鳥来る

2008年10月20日 | Weblog

 

 10月16日 肌寒や成田の空に消えし客
 10月17日 絵文字無き四コマ漫画秋澄めり
 10月18日 電話のみ使う携帯血止め草
 10月19日 木犀の散つて物の怪消えにけり
 10月20日 表札を外せし川や白鳥来

 今朝の朝日新聞”深谷・荒川に昨年と同じ作19日に、コハクチョウのつがいがやって来た...”今年から餌付けを止めた市である。観鳥時は注意が必要だ。木犀が散り、夜毎に妖しかった町が古団地に戻り、庭先は「園縁を真昼に照らす弁慶草」となった。雲なし・風なし・適温・適湿の4点セット揃った澄める秋空。遠来の客の去った後は、ひとしお肌寒さを覚える昨日今日である。


体育の日

2008年10月15日 | Weblog

 

 10月10日 葡萄園を斜に来る友クラス会
 
10月11日 背負ひし子の重き1箱新米来
 10月12日 木犀のこぼれ盛りを整へり
 10月13日 体育の日のぽんぽ山に登りけり
 10月14日 北帰行の児等に身揺する杜鵑草
 10月15日 秋祭り告げる花火に夏日かな

 朝方から産土神社の秋祭りを告げる花火。14日も学校が休みだった4連休を使い道産子の孫達が訊ねてきた。晴天に恵まれた3日間を満喫してのご帰還だ。北国には、木犀が無いらしい?。 小4の子は、薫りの失せた花柄を子袋に仕分けて土産にする。来年入学の3代目は、早々せしめたランドセルが特大の土産だ。深谷市も「生態系保護」の為に今冬から白鳥への餌付けを止めるそうだ!


ノーベル賞

2008年10月09日 | Weblog

 

 10月6日 本命は其方退けいたす案山子展
 10月7日 秋雨や胃癌検診待つ窓辺
 10月8日 特大や菊華四だてのノーベル賞
 10月9日 10月や労り仕舞ふ扇風機
 

 ノーベル賞の4人衆。物理学賞の南部・小林・益川さんに続いて化学賞の下村さんの吉報! コメントは控えめなれど薫りも華も特大である。スポーツでは、八百長相撲裁判を払拭したニュースがある。昨晩の、13差を引っくり返したセの巨人のM2点灯劇。今年もユニークさ競うカカシ展が、増えた休耕地で始まった。稲刈り前の稲穂は憮然!? 


吾亦紅

2008年10月05日 | Weblog

 

 10月1日 色初(そ)みて走る臭覚金木犀
 10月2日 終の地は雨戸の隙間枯蟷螂
 10月3日 藁ロール残して終わる田刈かな
 10月4日 生の地と終の地背(せな)に吾亦紅
 10月5日 読書かな昼見し貌の蟋蟀と

 「10月」の文字が夏への決別の意志を伝えている。蝉声が絶え、虫の声にも聊かの陰りがある。百舌の高鳴きも耳にする。米議会は、75兆円の「金融救済法案」を可決したが「ウオール街の終焉」の新聞の文字に、今秋の生活の冷え込みを悟る。近辺の木犀の花が色付き始めた。豊香は未だ無いのに、慌て者の我が臭覚はそのつもりである。北の丘から便り。今頃の北海道は、全自動の稲刈り作業が終わり暖房開始の時期らしい。