84才男の明日を生きる挑戦記

84才直後、片手に余る持病の中の除癌は目下経過監視中。
4年後は米寿で五輪。酉年を期に臆せず気張らずの余生で在りたい。

大晦日

2008年12月31日 | Weblog

 

 12月26日 パソコンの内外したる煤払
 12月27日 回し抜く妻の手さばきシクラメン
 12月28日 老農の背丈二倍に干し布団
 12月29日 数へ日や黙して長き籤売場
 12月30日 一言も言はず言はれず古暦
 12月31日 一度目の厠の頃の除夜の鐘

 残り10時間余で年が変る。早寝早起きが体質化し、固執するTV番組も無い近年の除夜の鐘は、一度目のトイレタイムの頃に聴く去年今年である。全てのサークル活動が25日に終わった。のほほんの後期老人にも忙しき年末だった。分担の残り掃除と飾りつけ、今年はほぼ任せてもらった御節と雑煮の下拵え、煮付けの勉強、今日午後に続くお二方の葬儀参列etc。有難う皆皆様!良いお年を!。


クリスマス

2008年12月25日 | Weblog

 

 12月21日 焼き芋の湯気いつときの景気かな
 12月22日 歳古るやにごり浮沈の冬至風呂
 12月23日 引退はできぬ天皇誕生日
 12月24日 釣り人の沼のあちこち聖歌かな
 12月25日 オーマイゴッド一輪差しのポインセチア
 
 

クリスマス・カラーの街が今日で終わる。サンタ、クリスマスツリー、プレゼントグッズの視覚に聖歌の聴覚が街のカラーを替える。今朝の朝日の経済見出しに”1929年の米国発の大恐怖の津波は太平洋を越え、日本は昭和恐怖に沈んだ”とあった。現役の頃は、どんなに心身が疲労していても限りなき希望の明日があった。近年は、柚子湯に居ても焼き芋を食べて居ても明日からの底知れぬ恐怖に襲われる。明日からの冷えはきつそうだ。


新巻鮭

2008年12月20日 | Weblog

 

 12月16日 新巻の着日一行メールの子
 12月17日 年一度研ぎをく出刃や新巻来
 12月18日 新巻の口つむぎたる怒眼かな
 12月19日 石狩鍋行間にメモのあるレシピ
 12月20日 共稼ぎの娘寄りつく切身鮭

 政策金利をアメリカは0~0.25に、日本は0.1に引き下げたニュースの中、火曜日に、働き盛りの長男から「元気?鮭を送った」と例年通りの素っ気無きメール。土曜日の今朝は、出勤途中の娘が冷凍切身をもって行った。新巻鮭に拘った日々を日記句に残こした5日間であった。解凍初期に、すばやく2枚卸にして、再び切身冷凍に戻すまでの速さが勝負。村中で子育てする北の便りが嬉しいこの頃である。


煤払い

2008年12月15日 | Weblog

 

 12月11日 裏表ピンクに返す蝦蛄葉仙人掌
 12月12日 白鳥も変な年だと言い去りぬ
 12月13日 冷蔵庫の残りはきだす煤払い
 12月14日 賀状書き一気に進む討入り日
 12月15日 パソコンも凍りつきたる朝かな
 

 12月も15日になると新年の気が漂う。12日:今年の漢字は「変」。私なら「壊」とし「改」の年へ繋ぎたい。13日:「事始」 ”100年目の不況とばさん事始” 祇園舞妓の挨拶回り。と 神社仏閣の「煤払い」日。14日:「忠臣蔵の日」。今日15日は:「年賀郵便特別扱開始日」。今冬1番の冷込みの今朝、立ち上がりの遅い我がパソコンをフリーズさせてしまった。


ノーベル賞

2008年12月10日 | Weblog

 

  12月6日 黄落の道をゼブラに通夜の客
  12月7日 跡継ぎが杜氏となりぬ今年酒
  12月8日 知らぬ顔して暮るる開戦日
  12月9日 着ぶくれて手荷物多き帰り道
  12月10日 席1つ争ふ美空木守柿 
 

 昨日午後よりの驟雨が晴れた今朝の澄みかえった青空。それに和するような明るいニュース3つ。①明日ノーベル賞を受ける前の記念講演で,オワンクラゲをスクリーンに写しつつユ-モラスにしゃべる下村さんとメダルを模したチョコ600個を買い込んだ益川さん。(メモ:私が社用で1ヶ月程スエーデンに出張してはや半世紀が経つ)。②岐阜から奄美大島までの1110Kmを40日かけてたどりついた蝶。③石川遼。17歳でゴルフプロ初年度で1.6億賞金。 産業界のパニックニュースは、ソニーが1.5万人の人員削減発表だ。 


落ち葉の森

2008年12月05日 | Weblog

 

 11月1日 帰伯氏の声きく足裏冬ぬくし
 11月2日 後輩の一夜の訃報冬ざるる
 11月3日 秩父出の秩父夜祭きく噂
 11月4日 枯菊のぽかり浮きくる湯船かな
 11月5日 枝透くや動き出したる十二月

  世界文化遺産に推したい「秩父夜祭」が小春日和の続く中で終わると人々は12月に身構える。空模様も崩れ始め週末から冷え込むらしい。半世紀越しの後輩の、狭心症で一人旅立った訃報に慌てる。方や底なしの不況話。世界中の大企業の大規模な減産と人員削減減のトップニュース。落葉して透き通る枝間からの浅間峰を眺めながら、公園の脇に積み重なる落葉を踏んで帰伯した友と安否を交はす。