今日の社内連絡(ブログver)

sundayとかオリジナルテンポとかの作・演出家ウォーリー木下のつれづれなるままのもろもろ。

壁抜け

2012-12-31 | Weblog
ここ一週間の出来事を記憶の順に書く。sundayのグルリルの東京へ向けた稽古が毎日ある。頭がぼーとしてくる。風邪、薬を飲む。あれは忘年会のせいではなかった。一日で回復。コンタクトゴンゾ事務所での写真展に行って、そこで知り合いにばったりあったりして、中津は街自体が小さな物語の世界みたいで面白い。高槻ではごまくん、筒井君、伊藤君、青木さん、途中から山口さんと鴨三昧、ぐわぐわ言いながら2012年を旋回するトーク。事務所の年賀状もくるくる回る。恒例の大掃除、そしてすき焼き。ダイエットとの戦い。手帳の移行。来年に持ち越すものは持ち越し。オリテンの撮影もあった。長丁場みんなお疲れ。面白いことをやり続けるための努力の部分をことを考えるが、それって難しい。努力しないといけないものの多くは、実は今始まってるのではなくて、もう10年以上前から始まってるわけで。僕が今、努力しないといけないのは10年後のことだったりする。でも10年後なんてあるのかわからない。だから、その努力を無駄にしないために、自分以外のすべての他に対して開いていかないといけない。と年末らしいことを考える。

ゴドーの二人芝居から始まって、牡丹灯籠にズボン船長、PLAY PARK再開、スロベニアの1ヶ月、オリテンの吹田~韓国ツアーにsundayグルリル、高槻での呼吸ら、三ノ宮のフラワーロードのパフォーマンス、などなど。それらのすべてが人が作る物語の中での出来事。そういうものを自分はいまくぐり抜けさせてもらってる。世界はよくなっていってるかと言われれば、答えはわからないし、そのことに意義を見いだす必要もないと思う。ただくぐり抜ける。壁抜け男みたいに。もしかしたら、少しは悪と戦っているのかもしれないが、それはまた別の話。とにかく壁を抜ける。が不思議で面白い。

今年を振り返ってみても、はじめてのことばっかりだったから、それがどうやって未来に続くのか、楽しいけど怖くもあり、自分がぎりぎりになって挑まなくてはいけないことが前にも後ろにも広がっていて、いつも思うのだけど、もっと楽な人生はないのだろうか、と。でもまあ周りにはそういうぎりぎりの攻防戦を繰り広げてる人たちもたくさんいる。それを見て、自分はじゃあどのくらいやってるかと言えば、まあまだいけるな、と奮い立たせる。小さい物語の街の片隅で。少なくとも笑いながらご飯を食べられてるうちは、まだ続けることができそうです。

で、今は雪の降る場所で、静かに音楽を聴いたり本を読んだり映画を見たりしています。来年もよろしくお願いいたします。

夢を見る

2012-12-25 | Weblog
メリクリ。といっても何か騒げる日々ではなく、落ちついて一歩一歩前に歩まなくてはいけない時期。年越しを平穏無事に迎えるためには今はリスのように生きる。日曜は日本のヨーロッパ企画を見て、日本の中津で仕事して、夜は日曜の事務所で作業の手伝いして、たっちゃんの差し入れのケーキを食べて、寒風を自転車走らせる。今年一年で出会った人のカードを表計算に打ち込み、感慨にふける余裕なく、年賀状どうしよう-。しかし一年は長いなーというのが今年の感想。あれが今年でこれも今年だ。などと考えながらお風呂を掃除してる途中で寝る。夢を見るがどんな夢だか思い出せない。そんな一年のような気もする。

形のないまま

2012-12-24 | Weblog
世界の終わりの日は昼からとあるミーティング。関西演劇界の重鎮的な人たちに囲まれて、意見を言ったり聞いたりする。そのあとは梅田で三月の妄想。妄想は形になり、形は新しい妄想をうみ、そこで見つかる問題を解いたり、新しい問題を考えたり。そのあとは三ノ宮。ニューヨークから一時帰国のしげと四方山話。彼女は世界中を飛び回るカメラマンだったのだけど、8年前からニューヨークに住んで、そのあと結婚して子供も生まれた。神戸大学の吉田ゼミ第1期生。あのゼミは自分の人生のある種のターニングポイントだったかもしれないし、必然だったのかもしれない。遅めの電車は酔っ払いであふれていて、酒の力で人はここまで変わるのか、と驚く。世界の終わりを謳歌してるのか。sundayの稽古も再開。話をすることで妄想は形になる。東京公演は新しいグルリルになりそうだ。形のないものを形にしていくのが仕事なんだけど、形のないまま形にしたいとちょっと思う。そして世界はもちろん終わらないまま怒濤のクリスマス、年末、お正月へとなだれこむ。

南の海など

2012-12-22 | Weblog
41回目の誕生日は起きてまず書きもの、パンやシャンプーなどを買いに近所のスーパーへ。それから手ぶらで空港。はじめて南海電車つかう。市営地下鉄からの乗り入れでオール980円。荷物のないときならこちらの方がお徳。南の海の橋を渡ると飛行機の巣。巣の中にも紐でつるされた飛行機がゆらりゆらり揺れている。友人を見送ったあと、ひとりでコーヒーを飲みながら過ごす。どこにも行かない、なにも起こらない空港というのは、居心地のいいものだ。びゅんびゅん人間が目の前を過ぎ去っていく。同じ方法で中津に戻ると、事務所のみんなが豪華なディナーを用意してくれていた。そんでケーキも。ありがたい。しりとりをしたりして遊んでるうちに10時前に三ノ宮に出てそこで10年ぶりの級友と1年ぶりの先生と会う。不思議なものだ。出会ってちょうど20年。人生の半分の間に、僕の前をびゅんびゅん人間が通り過ぎていき、そしてまたこうして酒を交わしてることに。空港のようなものだ、と簡単に言ってしまわない。空港よりもきっと面白いはず。



ビット

2012-12-20 | Weblog
週がぱかっとあけたら選挙の熱もさがり、気温もぐっと下がり、冬がしっかりとそこに居座っていた。時たま自分が亡霊になったような気分になることがあるが、昔からそういう症状が時たま起こる、冬の亡霊として門真の虎の会社に行ったり、天王寺のオペラハウスを見たり、梅田の観覧車の下へとふらふらさまよう。高槻の呼吸する人たちでは一足早い誕生日を祝ってもらい、早すぎて誰のことかさっぱりわからなかったが、冬空の下のケーキはリアルにおいしかった。パソコンを叩くことで一日が過ぎることも多い。メールという架空の電子手紙が何ビットというスピードで行き来するのもまた現実感がふとしたきっかけでなくなる理由だが、そういう幽霊のような世界にいるんだなあという、見て見ぬ振りというか、考えれば考えるほどわけがわからなくなることもある。ナイーブとかセンチメンタルとかそういうことでは一切なく、現実主義者として、この世界は幻だと、本気で信じてるところもあって、だからこそしっかりとつなぎとめておきたいものもあり、船のビット(港にある足のせるやつ)のようなものを見つけたらとにかくロープを張ることも必要なんじゃないだろうか。年をとるというのはそういうことも含まれてる。

ちょろちょろ

2012-12-18 | Weblog
週末は京都へ、ニットキャップシアターとシュヴァルのオマージュ展とクールキャッツの演劇に行って、帰ってきて選挙、その足で伊丹でKIのたくさんつくカンパニーのダンスを見て、夜は速報をニコニコ動画で。世の中の、というか僕はテレビなし人間なので、ネットを中心とした世の中の、その混沌具合、情報の錯綜具合、それはまさに洗濯機に入れられた群舞みたいでくらくらする。ノンポリの時代もいつの間にか終わって、今や日本はふたつに分断しているかのような錯覚に陥るが、そのどちら側も結局は、同じ構造のように感じられるので、日本にいればその空気はいつだって存在している、その空気、その傾向、その熱狂、その錯乱、その思い込みと正義、その優しさからくる悪、かといって悪意というほどのものではなく、どちらかと言えば善意に近いからこそ、そこには一過性のものを感じざるを得ない。サッカーのワールドカップのときと同じような居心地の悪さ、とでも言いますか。そんなこと言ってても始まらないから、個人の作品の中で、この場所で少しでも血が流れないように、悲しみが飽和して狂ってしまわないように、ちょろちょろと、冬の水道を凍らせないように水を出しっぱなしにするように、自分たちが舞台とか芸術とかエンターテインメントという枠の中でできることは、結局、水道のちょろちょろなんだと思う。凍らないように。

自動演奏楽器

2012-12-14 | Weblog
「グルリル」東京公演まで1ヶ月切りましたね。ぜひぜひ見に来てください。情報はこちらにも→http://www.parthenon.or.jp/
パルテノン多摩に先月お邪魔したときに、いろいろ館内を案内してもらったのだけど、その中にマジックサウンドルームという部屋がある。自動演奏楽器。いわばオルゴールの前身のようなもの。というと小さい箱を思い浮かべるかもしれないが、形は全くちがくて、それはどれも巨大で、どのくらいかといと、桐ダンスくらいはあるものから(自動大型オーケストラ楽器)、本物のグランドピアノを使ってたり(自動演奏ピアノ)、中にはバンジョーをそのままガラスケースに展示してあるものかとおもったら(もちろんそれは自動でバンジョーが演奏される)ものまで、多種多様。ほとんどのものが100年以上前に作られている。実際に音も聞かせてもらった。仕組みはオルゴールと同じなんだけど、まあ、なんというか、オルゴールのイメージからはかけ離れすぎてるので、説明するのももどかしい。ものによっては100人分のオケと同じ演奏をするものまである!一体全体こんな世界があったなんて僕は全然知らなかった。いったいどの情熱がこのマシンたちを100年も前に作り上げたのか。その途方もない音楽再生へのエネルギーにくらくらする。(正直、いつかこの機械たち職人たちの物語を書きたいと思ったくらい)。とにかくパルテノン多摩に来た際には必ずここに寄った方がよい。職員の方の説明もまた自動演奏的にいとおかしいのも魅力。

僕でいいんでしょうか?

2012-12-13 | Weblog
自分が何屋さんなのかわからなくなることある。もっと言えば何者なのか、ここがどこなのか、道はあるのか。そういう知らない街に一人で立ってるような気分。そしてその気分は、緊張と同時にとても興奮する。二期会オペラの本稽古の前のプレワークショップを二日間だけ実施した。オペラのオの字も知らない僕が、オペラの歌手のみなさんと6時間くらい話をした。実り多い会話だった。いま、オペラを、僕がするなら、なにができるのか。もしくは、なにが生まれるのか。おぼろげながら見えた2日間だった。そして今日は神戸大学の某研究室に行って、最新のデバイスを体験、その世界の第一人者の先生とお話。最先端のメディアアートの片鱗に触れる。
どこもかしこも面白い人たちがいて、僕はそこに顔を出し、話を聞く。自分が何屋で何者であるのかなんてどうでもよくて、いまそこで起こりつつあることを見つけることが面白いんで。とは言っても「僕で大丈夫でしょうか?」といい疑問もつきまとい、同時に「僕にしかできない」とも思う。ある意味「永遠のよそもの」なんだと思う。だからこそ、いろんなものを繋げて考えることもできるし、その繋がった瞬間の電気が走る瞬間を、僕はたくさんの人と共有したいんだと思う。しかしよくよく考えると、オリテンもPLAY PARKも素浪人ワルツもギアもピッコロ劇団も京阪電車も大道芸も、一番最初は、こんな感覚だった。僕でいいんでしょうか?
すべからく大胆に謙虚に。型破りは、型があってこそ。

期間限定!!sundayグッズ通信販売!!

2012-12-12 | Weblog
期間限定!!sundayグッズ通信販売!!(12月10日(月)~16日(日))

東京公演を控えた最新作「グルリル」のパンフレットから、sundayオリジナルTシャツ、過去公演のDVD、ぜーんぶ、一挙に通信販売!
何個頼んでも送料は一緒!この機会をお見逃しなく!東京公演直前の「グルリル」(全64P)パンフは、公演前に読んでも十分満足できる内容です(読んでおくと見所が増えるかも!?)。

【グッズ・ラインナップ】
●公演パンフレット
・「グルリル」(1500円)
・「ハイ/ウェイ」(500円)
・「サンプリングデイ」(500円)

●sunday Tシャツ(グルリルバージョン)
・チャコール(サイズ WS、WM、S、L)
・ホワイト(サイズ WS、WM)
・ブラック(サイズ WS、WM)
(各2500円)
・グレーボーダー(サイズ XS、L)
・ブラックボーダー(サイズ XS、M、L)
(各2800円)

●公演DVD
・「ハイ/ウェイ」(3500円)
・「ニューデリーの恋人たち」(3000円)
・「不眠症の不眠症による不眠症のためのコント教室」(3000円)
・「四月のさかな」(3000円)
その他(下記各2500円)
・sekai☆ichi☆dan interlude「心がわりエアポート」/「七人の小人と大事なテーブル」
・赤星マサノリ一人芝居 GLOBAL MAP「線平地」「全球凍結」「センチメンタルくまちゃん」「ナイスチョイスデス」「アフリカの自動車」
・小松利昌ソロコントライブ職人気質 「職人気質」「コマツマツリ2006」「コマコレ08」

●上演台本
・サンプリングデイ(DVD付)(3500円)

●sunday体験福袋
豪華DVD+sundayグッズ詰め合わせ(15000円以上)を5000円でお届け!
・ハイ/ウェイDVD、サンプリングデイ上演台本(DVD付)のいずれか1本お選びください。(ご選択ない場合はこちらでお選びいたします。)
下記はお選びいただけません
・心がわりエアポート/七人の小人と大事なテーブル/四月のさかな/不眠症の不眠症による不眠症のためのコント教室/ニューデリーの恋人たちDVDより
上記から2本
・赤星マサノリGLOBAL MAP 6作品より1本
・小松利昌ソロコントライブ 3作品より1本
以上、DVDor上演台本、5本セットに他sundayグッズをおつけして5000円にて販売!

【通信販売期間】
12月10日(月)~16日(日)

【お申し込み方法】
下記の必要事項をメールに記入の上、ご注文下さい。
受付完了の返信メールとともにお振込先をお送りしますので、
12月19日(水)までにお振り込みください。(振り込み手数料はお客様負担になります。)
入金の確認後、12月24日(月)に発送します。
※送料は一律500円をお申し受けいたします。
※ご希望の方には「sunday体験福袋」は年明けにお届けいたします。

(必要事項)
メールアドレス:info@sunday-go.jp
件名:sundayグッズ通信販売係
必要事項:
①お名前
②ご住所
③ご希望の商品、個数(Tシャツはサイズも)
④連絡先メールアドレス

ブログにはなかなか気軽に書けないけど

2012-12-08 | Weblog
あっというまに時間は過ぎる。と同時に長いなーもーとも思う。12月になると意味もなく区切り感。この1週間は〆切りやら新しいことやら、頭が落ちつかない日々。月曜は人前で演出についてごく個人的な思いを語った。話してるうちにいろいろとあぶくのように浮かんで消える、それを捕まえながら喋り、さらに枝葉がわかれるので、聞いてくれた方には混乱と困惑を与えてしまったかと思うが、それってまさに僕が演劇でやろうとしてることでもあるので、もしかしたら演劇的には面白かったのかもしれない。セミナーとしてはどうなのか、わからないけど。他には書き物と打ち合わせの繰り返しで、自分がいったい何のことを考えてるのか、それこそあぶくのように、急激に伸びる樹木のように、ころころと転移する。しかしどの仕事も、演出家という枠組みの中ではまったく同じことを目標にしている。それがなにかはブログにはなかなか気軽に書けないけど。

KC、餃子、明日は梅田で

2012-12-02 | Weblog
朝、シンガポールからやってきたKCさんに会う。ギアに出てるマジシャンもKCというので、この世界にKCという名前(渾名)の人が二人もいることに驚くし、その二人に会えてる自分に驚く。そしてKCという名前のやつはいいやつだということもわかった。英会話レッスンだと思ってあれこれ情報交換。スロベニアの経験がじわりじわりきいてきてる(いい風に)。昔はあらゆる外国人にコンプレックスというか、なみなみならぬ緊張感があったものだが、今ではそういうものはなくなってきた。昼からは事務所で寒さに震えながら仕事。夜は神戸で餃子祭り。ひさしぶりに横堀さんと長いトーク。明日の月曜は人前でトーク。しゃべるという行為を通して、自分の考えをまとめたり、新しいアイデアを発見したり、そういう時間にできれば楽しいなあと思っています。緊張は、しますけど。19時から梅田です。http://jda.jp/docs/201211oosaka_omote.pdf

方位磁石、選挙、こたつ

2012-12-01 | Weblog
おはようございます。書き物の嵐。同じ方向性のものだけならいいけど、どれも別の方角からのものだから頭の方位磁石が切り替わらなくて悲しくなる。窓の外は選挙の季節。選挙という形は変わらないものだろうか。せめてネットでできるようにはしたらいいのに。国民に背番号つけるんだからそのくらいしてもよかろうに。でも、秋空の日曜日に、近所の小学校におもむいて、鉛筆で他人の名前をこりこり書くのも悪くはなくて、政治とは別で、ひとつの風物詩として残って欲しい。いま、大阪という町に住んでると、日本中からの政治的なものへの視線を強く感じる。こういう視線をチャンスと思った方がよい。残念なことにしないようにしないと。RGがテレビで「アメリカあるある」を歌ってて「大統領選、ながいー」ってのがわりとツボ。夜は悪い芝居のライブをMUSEへ。仕事の都合で前半戦しか見れなかったのが残念。あのあとどうなったのだろう。それを想像するのもひとつの演劇として面白い。ライブ前に入ったラーメン屋で、店長がバイトをじめじめと怒っていたのがつらい。美味しかっただけに残念。ああいう現場に立ち会う率、結構高い。夜はこたつ。