今日の社内連絡(ブログver)

sundayとかオリジナルテンポとかの作・演出家ウォーリー木下のつれづれなるままのもろもろ。

初日と千秋楽

2020-07-31 | Weblog


本日2020年7月31日は、舞台「スケリグ」の初日で、東京ワンピースタワー5年半の歴史に幕が閉じられる日になった。
「スケリグ」は、昨年上演されたもので、再演の話が決まった時はまだこういうことになるとは思ってなかった。もちろん中止にするかもという状況はあった。しかし、プロデューサーの江口さんをはじめ、たくさんのスタッフ、そしてもちろんキャストが、こういう中ででも安心して見てもらえるよう最善を尽くし、やるぞと決めて邁進してきた。演劇の創作以外の対策や準備、劇場での換気実験(これは新聞にも載った)、抗体検査にpcr検査、観客への対応マニュアルなどなど、山盛りやることは増えている。制作陣は勿論お金の勘定もそこに入れている。
日々すり減りながらも、ようやくここまで辿り着いた。感謝しかない。
まだ安心はしていない。けれど、やらないという選択肢は、結局のところ、自分たちのレーゾンデートルまでも潰すことになる。そう思う。
パン屋はパンを練り、大工は家を建て、音楽家は歌を唄う。演劇人は、演劇を作る。そんな当たり前のことを、はいそうですかと手放すわけにはいかない。
まあ世の中の不要不急や自粛などの話を聞いていると、少しだけ抵抗したくはなる。
なくてもいいと言われれば、まあそうかもしれないけど、そう言われないためにできることを始めるいい機会だ。

東京ワンピースタワーは、コロナの影響で閉園が決まった。ワンピースタワーとは東京タワーにある漫画のワンピースの世界を楽しめるアミューズメントパークだ。5年半前にできて、僕はそこのステージ演出を任され、毎年リニューアルをしている。この5年で一番多く通った仕事場は東京タワーかもしれない。正直、思い出がありすぎて、ここがなくなるなんて信じられないし、寂しいし、悲しい。でも仕方ない。来園者の多くは外国人や日本の旅行者で、今は彼らがいつ戻ってくるのかわからない。運営側も苦渋の決断だろう。右肩上がりに人気も出てきただけに残念でならない。
インバウンドを狙って作られた多くのショースペースやイベントは、このコロナでオリンピックも延期になり、大打撃を受けていることだろう。僕も仕事柄、そういうことに今まで関わってきたから、その被害は想像に難くない。
ワンピースタワーは無くなってしまうけど、世の中からワンピースがなくなるわけでも、東京タワーが消えてしまうわけでもない。そこで出逢ったスタッフ、キャストとも、また別の場所できっと会えるだろう。
今は、ありがとう、という気持ちでいっぱいです。

どちらも公演も生配信ありますのでぜひ!

https:// skellig.jp

https://onepiecetower.tokyo/news/452