今日の社内連絡(ブログver)

sundayとかオリジナルテンポとかの作・演出家ウォーリー木下のつれづれなるままのもろもろ。

韓国肥満日記4

2010-11-27 | Weblog
2週目、ワークショップが始まる。だいたい最初にゲームをする。日本のゲームを僕が教え、韓国のゲームを教えてもらう。こういうのはすぐにうち解けれて楽しい。しかし楽しい分、午前中からいい大人がなにを名前を呼び合って鬼ごっこをしてるんだと我に返ると哀しくなる。哀しくなる手前でやめるのがコツだ。それから、自分がここ数年間、考えてる演劇についての考察を一緒に身体を動かしながらする。通訳のウンソンは演劇祭が始まって忙しいのでピンチヒッターで劇団の経理の女の子が通訳に入ってくれることになる。彼女の名前はイーチュンミン。数年前、家にひきこもってたときに、ケーブルテレビで日本のアニメやドラマを見まくったそうだ、およそ一年間。そうして独力で日本語を覚えたという強者。よって彼女の日本語はアニメの男の子のようなしゃべり方なのだ。
演出していて、いろいろと日本語の変換問題はあるのだけど、たとえば「気配」というのは、うまく訳せないようだ。そう考えると日本語特有の言葉というのを見つけ出していけば、自然と日本人の性質がわかるのだろうなと思う。そういうのやってる学者はもちろんいるんだろうけど。ヒマなときにやってみようと思う。
で、午後は演劇祭の作品を毎日2,3本見る。関係者パスをもらえたので、見放題。せっかくだから、と、1週間で6カ国12本くらい見た。ロシア人による不条理劇を、韓国語の字幕で見ていると、いったい自分は今どこにいるのかわからなくなる。イタリアに行ったときに入った中華レストランのシェフが日本人だったときのあの不思議な感じを思い出す。ごめん、イタリア行ったことなかった。
ちなみに演劇祭で僕が個人的に一番好きだったのはポーランドの3人の道化の芝居。ほぼ台詞はなく、突然叫んだり、頭を振ったり、気味が悪かったが、そういうのってしつこくなればなるほど笑けてくる。意味がわからなすぎて面白いというのは、海外の作品のひとつの醍醐味だ。
で、ほくほく顔で劇場の外に出ると、韓国メンバーの先輩と後輩が喧嘩している。いや、一方的に後輩が先輩に怒られている。怒ってるのはいつも寡黙で温和なブーさんだった。怒られているのは、これまた僕に一番親切にしてくれてる若手のチャンくんだった。もちろん韓国語だから、なんで喧嘩してるのかわからなかったが、どうやた来週の僕のスケジュール調整のことでもめてるようだ。
とりあえず僕はわからない振りをした。はっきりいって、外国語で、僕のことで揉めるのだけはやめて欲しいと思った。

8人の女たち

2010-11-21 | Weblog
走りながら、考えて、そしてよく食べよく喋る。眠りはいったん横に置く。今冬のキャッチコピーです。そんな僕が新劇出身の女優さんたちと、フランスの戯曲をやります。たくさん喋る演劇は久しぶりで楽しいです。

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VOCE企画 vol.4
「8人の女たち」

作:ロベール・トマ
訳:和田誠一
演出:ウォーリー木下(sunday)

出演:
末永直美
山本つづみ
杉江美生
安元美帆子
芦田深雪
ピンク地底人2号
上松みづほ
和泉敬子

日時:12月3日(金)~5日(日)
3日(金)15:00/19:30
4日(土)15:00/19:30
5日(日)11:00/15:00

料金:一般3,000円
    当日3,500円
    学生2,000円
    学生当日2,500円

会場:関芸スタジオ
〒557-0042
大阪府大阪市西成区岸里東2-10-2
TEL/06-6661-2112

http://vocekikaku.exblog.jp/

チケット予約はこちら→https://ticket.corich.jp/apply/24426/

閑話休題ーサーカストレインすごいことになってるよー

2010-11-05 | Weblog
韓国肥満日記は、あと数回やりますが、今日はサーカストレインの宣伝、スペシャルゲストにマキ凛花さんも決定!!早めに予約しないとなくなると思います。こんな豪華なサーカス団、100年に一度にするにはもったないです! でも100年に一度なので、多分見納め。あ、お客さんに配る絵本をオカヤンと一緒に作ってます。それもなかなかいいですよ。自画自賛!

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今回はちょっと他では体験できないイベントの案内です。
京阪電車の車両を舞台に変えて、中之島駅から三条までの区間を使ってパフォーマンスをします。
日時:2010年11月14日(日)
「中之島駅」14:07分発 「三条駅」15:35分着
場所:京阪電車「中之島駅→三条駅」間の貸切り列車内(往路のみ/約90分)
※受付場所:京阪電車「中之島駅」特設受付会場
※受付時間:当日13:00~13:40
料金:一般 2,000円/子供(小学生以下) 500円
貸切列車の乗車料金+パフォーマンス観覧料
定員:180名 ※要事前申込
※中之島駅の改札外での受付となりますので、各駅から中之島駅までの運賃は別途必要です。
※受付時間に遅れた場合は、イベントに参加出来ません。ご了承ください。
※状況により、受付時間・受付会場が変更する場合があるため、詳細はお問い合わせください。

アートエリアB1が企画した「鉄道芸術祭vol.0」の一環として、走る電車の中でパフォーマンスが楽しめるプログラム「サーカストレイン」を実施いたします。前回の「ダンストレイン」の「枚方駅」~「なにわ橋駅」よりも走行距離を延ばして、大阪から京都を駆け抜けます。総合アートディレクターとして演劇界で目覚ましく活躍中のウォーリー木下氏を迎えます。また京阪モールのイメージキャラクターとして現在CMでオンエア中の歌姫、マキ凛花さんもフューチャーして演劇やバンドの生演奏、パントマイムに操り人形、ダンスパフォーマンスなど、ジャンルにとらわれない表現を取り入れた、ストーリー性のある内容でお届けします。いつもの京阪電車に乗って、ちょっと違う日曜日をお楽しみ下さい! 
 
構成・総合演出:ウォーリー木下
振付:きたまり
音楽監督:服部正太郎
人形操作:人形劇団クラルテ
出演者:いいむろなおき、平林之英、きたまり、野渕杏子、花本ゆか、男肉 du
Soleil、田中啓介(いいむろなおきマイムカンパニー)、他
ミュージシャン:平林之英(alto sax)、鈴木健司(tenor sax)、横山学(drums)、goji(guitar)、:津田昭宏(trombone)、マキ凛花(vocal)
現在予約受付中!この貴重な電車に乗車希望でしたらダンスボックスのメール info@db-dancebox.org にお願いします。この珍メンバーで、この体験はもう無いと思います。
詳しくはこちら http://www.db-dancebox.org/

韓国肥満日記3

2010-11-02 | Weblog
韓国に対する僕の個人的な印象を言えば「のんびり」している国だなということ。これが人ごとだと、微笑ましいのだけど、いざ自分のことなら、だいじょうぶかな?と心配してしまう。僕の通訳でもあり、韓国での世話人のウンソンさんは、彼女は中国語と日本語が堪能なのだけど、日本→韓国→中国の順番でスピード感は遅くなるらしい。真ん中にいる韓国人からすると「日本人はせっかちで、中国人はのんびりしすぎだ」ということになる。僕らからしたら中国人は、「ちょっと次元が違う」になるということだ。なんとなくわかる。
僕は韓国人の時間感覚が嫌いじゃない。ていうか、わりと肌にあってるとすら思う。僕がそもそも呑気だからだ。しかし、僕が出演するはめになったパレードの作品の稽古は全然行われない。そして前日に、本番日が一日ずれることになった。そんなことあるのか、と驚いた。そして本番当日、結局、僕は一度も稽古をしなかった。不安を抱え、集合場所に行くと、なにか揉めている。たとえ韓国語でも「揉めてる」くらいはわかる。なにを揉めてるかはさっぱりわからないし、たまにみんな笑ったりしてるんだけど、とにかく不穏なことはわかる。僕はそういうとき、聞いてるふりをする。相手に気を遣わせないためだ。いちいち揉めてることを通訳させるのも悪い。とても気を遣っている。そして一通り会議が終わり、通訳によって「本番が中止になったこと」を知らされた。
ほっとした、しかし、なんだろうこのもやもや。おれ、出る気満々だったのに!