2週目、ワークショップが始まる。だいたい最初にゲームをする。日本のゲームを僕が教え、韓国のゲームを教えてもらう。こういうのはすぐにうち解けれて楽しい。しかし楽しい分、午前中からいい大人がなにを名前を呼び合って鬼ごっこをしてるんだと我に返ると哀しくなる。哀しくなる手前でやめるのがコツだ。それから、自分がここ数年間、考えてる演劇についての考察を一緒に身体を動かしながらする。通訳のウンソンは演劇祭が始まって忙しいのでピンチヒッターで劇団の経理の女の子が通訳に入ってくれることになる。彼女の名前はイーチュンミン。数年前、家にひきこもってたときに、ケーブルテレビで日本のアニメやドラマを見まくったそうだ、およそ一年間。そうして独力で日本語を覚えたという強者。よって彼女の日本語はアニメの男の子のようなしゃべり方なのだ。
演出していて、いろいろと日本語の変換問題はあるのだけど、たとえば「気配」というのは、うまく訳せないようだ。そう考えると日本語特有の言葉というのを見つけ出していけば、自然と日本人の性質がわかるのだろうなと思う。そういうのやってる学者はもちろんいるんだろうけど。ヒマなときにやってみようと思う。
で、午後は演劇祭の作品を毎日2,3本見る。関係者パスをもらえたので、見放題。せっかくだから、と、1週間で6カ国12本くらい見た。ロシア人による不条理劇を、韓国語の字幕で見ていると、いったい自分は今どこにいるのかわからなくなる。イタリアに行ったときに入った中華レストランのシェフが日本人だったときのあの不思議な感じを思い出す。ごめん、イタリア行ったことなかった。
ちなみに演劇祭で僕が個人的に一番好きだったのはポーランドの3人の道化の芝居。ほぼ台詞はなく、突然叫んだり、頭を振ったり、気味が悪かったが、そういうのってしつこくなればなるほど笑けてくる。意味がわからなすぎて面白いというのは、海外の作品のひとつの醍醐味だ。
で、ほくほく顔で劇場の外に出ると、韓国メンバーの先輩と後輩が喧嘩している。いや、一方的に後輩が先輩に怒られている。怒ってるのはいつも寡黙で温和なブーさんだった。怒られているのは、これまた僕に一番親切にしてくれてる若手のチャンくんだった。もちろん韓国語だから、なんで喧嘩してるのかわからなかったが、どうやた来週の僕のスケジュール調整のことでもめてるようだ。
とりあえず僕はわからない振りをした。はっきりいって、外国語で、僕のことで揉めるのだけはやめて欲しいと思った。
演出していて、いろいろと日本語の変換問題はあるのだけど、たとえば「気配」というのは、うまく訳せないようだ。そう考えると日本語特有の言葉というのを見つけ出していけば、自然と日本人の性質がわかるのだろうなと思う。そういうのやってる学者はもちろんいるんだろうけど。ヒマなときにやってみようと思う。
で、午後は演劇祭の作品を毎日2,3本見る。関係者パスをもらえたので、見放題。せっかくだから、と、1週間で6カ国12本くらい見た。ロシア人による不条理劇を、韓国語の字幕で見ていると、いったい自分は今どこにいるのかわからなくなる。イタリアに行ったときに入った中華レストランのシェフが日本人だったときのあの不思議な感じを思い出す。ごめん、イタリア行ったことなかった。
ちなみに演劇祭で僕が個人的に一番好きだったのはポーランドの3人の道化の芝居。ほぼ台詞はなく、突然叫んだり、頭を振ったり、気味が悪かったが、そういうのってしつこくなればなるほど笑けてくる。意味がわからなすぎて面白いというのは、海外の作品のひとつの醍醐味だ。
で、ほくほく顔で劇場の外に出ると、韓国メンバーの先輩と後輩が喧嘩している。いや、一方的に後輩が先輩に怒られている。怒ってるのはいつも寡黙で温和なブーさんだった。怒られているのは、これまた僕に一番親切にしてくれてる若手のチャンくんだった。もちろん韓国語だから、なんで喧嘩してるのかわからなかったが、どうやた来週の僕のスケジュール調整のことでもめてるようだ。
とりあえず僕はわからない振りをした。はっきりいって、外国語で、僕のことで揉めるのだけはやめて欲しいと思った。