今日の社内連絡(ブログver)

sundayとかオリジナルテンポとかの作・演出家ウォーリー木下のつれづれなるままのもろもろ。

11月日記【その2】

2014-12-27 | Weblog
演出という仕事は結果でしかないと書いたけど、演劇という仕事は過程でしかない。引き裂かれる双頭の蛇みたいなものですね。多摩センターにあるキティちゃんのお城で繰り広げられるハロウィンパーティもといキティちゃんのバースデイパーティに招待された。それはもうクレイジーの一言で、渋谷や心斎橋が子供に見えた。そもそも仮装の仮想世界なわけで、そりゃ当たり前か。そこでDE DE MOUSEや七尾旅人やCharisma.cоmなんかが踊らせていて、11月になった瞬間、DJキティがぶちあげた。F/Tで「藪の中/羅生門」を見た。これは見ておいた方がいいんじゃないかと、今度僕がする「やぶのなか」の美術の津田さんと一緒に見に行った。同じF/Tで「春の祭典」も見に行った。芥川龍之介をやるのはスロベニアのベトンタンツとの共同製作「蜘蛛の糸」に続いて2回目。小説としての完成度高すぎで、ちょっと戦略的な演劇になりすぎるのをどうやってぐっとこらえるのかが肝の一つになりそうだ。とはいっても美術の津田さんにしろ、音楽の宮内さんにしろ、出演者のみなさんにしろ、なんていうか「おもしろがってくれている」のでとてもありがたい。「出会い」も含め。あとはフィリップジャンティとか松任谷由実とか梅棒とかアルカードとかいしいしんじさんのその場小説@民博とか。どれもその作品(舞台上の成果物)以外の部分でも面白いことがたくさんあって、それが印象的だった。

11月日記【その1】

2014-12-22 | Weblog
TPDは大阪を皮切りに、名古屋、福岡、東京とライブツアー@ZEPP。1ヶ月かけて磨かれていく玉のようなパフォーマンス。だからといって最初が曇ってるとかってことじゃなく、削られていくことで失われるものもあって、どっちがいいとかじゃない。でも、当たり前だけど、ルーティンでやっていく仕事じゃないのだから、自分を磨いて、より進化していかないといけない。ショービズの世界とはそういう自己革新の繰り返しでしかやっていけない。僕はどうか?どうなんだろう?一応、進化させているつもりだけど、うむ、はっきりとその自信があるわけじゃないからな。というような舞台と、もいっこ、11月は神戸のダンスボックスでベトナム人のカラオケ大会をやった。自分としてはここ最近で一番考えることの多い仕事だった。演出ってなに?ていう。演出てなんだろ?たぶん、だけど、誰かと誰か、何かと何かを結びつけて、そこで新しい発見を導くことだ。僕自身にもそれはないといけないし、関係した人たちにもそれがないといけないし、もちろん観客にも。で、その発見は、ノーベル賞を取れるような革命的な発見じゃないといけないのだ。誰もが簡単に見つけられるような日常的な発見では仕事にはならない。誰もが「へー」と得心するような発見を探している。そういう意味では、演出という仕事は結果でしかない。シビア!




10月日記【その2】

2014-12-21 | Weblog
台風の中、電車が止まって、動けなくなったりしたけれど、小さい頃はそういうトラブルなんてよくあったよな。そんでなんもしない日、なんていくらでもあったもんね。なんもしない日、は大事だよ。台風が通り過ぎるのをただ待つだけのなんもしない日。そんな日こそドラマチックな気もするし。
それはともかく、10月は人に会いまくった。4月に東京大阪で上演する「麦ふみクーツェ」の出演者のみなさんに会いにいく行脚。規模の大きな公演ってなんとなくその規模の大きさで自分の気持ちを萎縮させてしまうけど、こうやってひとりづつ半年前にお会いさせていただいて、なんでもない会話をさせていただくのはありがたい。で、作家のいしいしんじさんにも会う。いやはや、こんな日が来るなんて。いしいさんは体全部が小説でした。台風の渦のよう。
それと東京パフォーマンスドールの秋のZEPPツアーのリハーサル。夏をふまえて、今度はああしようこうしようと、もう1年半以上一緒にやってるチームなんで、ズバズバ言えることとそれでもまだ遠慮してることもあったりして、不思議な感覚だ。自分のカンパニーではないけれど、自分のカンパニーのように思いたいと思う。しかし彼女たちの見ている景色は常に変化し続けていて、僕もそれに負けないようにスピードを上げないといけない使命感もある。そんな争いは不毛なのかもしれないけど。時速300KMを冷静にぶっとばす。
大阪カンヴァスでは、KAORIさんとひさしぶりにご一緒する。もう何年前だろう。新大阪のKOKO PLAZAという劇場でやらせてもらった「ナイトサファリ」という舞台に出てもらった。こうしてくるっとお互い回ってまた出会う、というのが楽しいね。神戸ではちびっ神戸。どっちも面白かったなー。演劇というツールを使って何ができるかって考えるのって純粋に遊びとして楽しい。それは石があって、それを遠くに投げるのか、何かを壊すのか、そこに絵を描くのか、削ってみるのか、そういう風に、ツール(道具)としての石のように、演劇を扱いたいと考えている。いろいろ忙しい日々だけど、おいしいものをゆっくり食べる、と、できるだけ音楽を聴く。を心掛けた。