今日の社内連絡(ブログver)

sundayとかオリジナルテンポとかの作・演出家ウォーリー木下のつれづれなるままのもろもろ。

オペラは本当に退屈なのか?

2013-02-14 | Weblog
3月にするオペラ「愛の妙薬」のfacebookページができました。そこに書いた文章を転載します。ぜひ見て欲しいです。オペラを普段見ない人には特に!https://www.facebook.com/liricaitaliana

オペラは本当に退屈なのか?          

オペラの演出ははじめてです。憧れでした。演出家を生業にしている以上、いつかはオペラとオリンピックの開会式はしたいと思っていましたが、とりあえず前者はこれでクリアです。
もちろん、オペラの魅力というのは優れた音楽性と普遍的な物語の融合にあります。総合芸術と言われるゆえんです。またミュージカルとの違いの一つに、歌手の声をマイクで拡声させないことがあります(基本的には)。もちろんオーケストラも生です。楽器に負けない声のボリュームとコントロール、という点において、オペラ歌手というのはちょっと常人ではない素質を持っているのです。つまりは究極のライブパフォーマンスということになります。

しかしそんなことはさしおいて、オペラは退屈だとも思われています。まずほとんどのオペラは、オペラ初心者に優しくない、と思います。その歴史、その文脈、流れについてわかてって当然でしょ、という態度なのかもしれません。また全編、外国語上演が当たり前です。日本語は字幕で見るしかありません。字幕を見てる間に物語はどんどん進んでいき、集中が途切れます。音楽もいわゆるポップスではありません、耳なじみない昔の音楽です。人によっては古く感じるかもしれません。

僕は今回、どうしたらオペラをはじめて見る人でも楽しんでもらえるのか、ということを考えています。オペラの良さを捨てずに、かつどうしたら新しいものとして生まれ変わらせることができるのか。僕ごときにそんなたいそれたことができるのかはわかりません。でも、想像以上に二期会のメンバーもそのことを真剣に考えてくれています。そのために舞台美術や字幕の出し方、オーケストラの配置、人物描写、歌手の身体性、世界観の提示というものに僕なりにメスをいれて挑んでいます。

そして今実感してるのは、そういうイノベーションに対して、オペラというのはとても懐の広い、柔軟性のあるものだということです。同時に、ちょっとやそっとじゃ型崩れしない強固さを持っています。伝統芸術というのはそういう意味では若者(チャレンジ)に対して、優しい、ものなのかもしれません。
オペラは本当に退屈なのか?
ぜひご覧になってその答えをお確かめ下さい。お待ちしております。

ウォーリー木下(演出)

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関西二期会 リリカイタリアーナvol.1「愛の妙薬」

指揮◆金 正奉  演出◆ウォーリー木下
スーパーバイザー◆デニア・マッツォーラ・ガヴァッツェーニ

◆Cast
3/9(土)/3/10(日)   
アディーナ:佐竹しのぶ/三村浩美
ネモリーノ:藤田大輔/越野保宏
ベルコーレ:黒田まさき/坂上洋一
ドゥルカマーラ:萩原 次己/大西信太郎
ジャンネッタ:山田千尋/中野綾

STAGEA演奏:芦谷真由美
合 唱:関西二期会アンサンブル
管弦楽:ハイブリッド・オーケスト

☆日時:3/9(土)16時 10日(日)15時(上演時間約2時間)
☆場所:大阪国際交流センター大ホール
☆入場料:5000円
☆チケットのご予約はこちら→
http://ticket.corich.jp/apply/43615/001/

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