今日の社内連絡(ブログver)

sundayとかオリジナルテンポとかの作・演出家ウォーリー木下のつれづれなるままのもろもろ。

血肉

2020-05-27 | Weblog
みんな元気? 

手帳を見返すと3月21日の初日から会っていない。そのあとも兵庫、宮城、福岡と続く予定だったので、あたりまえだけどきちんと締めの挨拶もしていない。なんなら「だめだし」をしっかりして別れた。このあとの公演での伸び代を期待していたし、やれることは千秋楽までやるつもりだった。役者もスタッフもそのつもりでいてくれていた。
それに、開けた東京公演は、赤間役のリクが怪我で一時離脱することになるという大ピンチが襲っていた。なので急遽代役でアンダースタディのタクが出ることになり、本番の5日前にそれは決まった、なので実は僕らは稽古場は終了したのだけど、スタッフが仕込んでいる最中、別の稽古場を借りて、タクとあわせる稽古をしていた。
劇場に入ってからも場当たりのほとんどはそれに費やされた。ということもあり東京公演が終わっても、地方に向けてまだまだやることはあったのだ。
あの4ステージは、奇跡のように、素晴らしいものではあったけど、それは火事場の馬鹿力的な、そういう一過性のものでもあった。これをもっと冷静に、2ヶ月間のロングランを健やかに演じられることになれば、まあ無敵だな、と思っていた。そういう前向きな終わり方をした東京公演だった。そしていつか帰ってくるリクのために、より完成度を上げていくことに使命感を持っていた。僕もキャストも。
終わってしまったことをいつまでもくよくよしていてもしょうがない。少なくともあの濃密で創造的な稽古ができたことでも感謝しないといけない。新生烏野があんあに大きくなるとは思っても居なかった。予想以上だった。ほんと、驚いた。そして稲荷崎も食らいついていた。お互いがお互いを高めあうとてもよい環境だった。そのことは忘れないで未来に繋げないとね。
和太鼓の生演奏も、いくつもの地獄と呼ばれるダンスパフォーマンスの連続も、最後のたたみかけるラリーも、マッピングと綿密にあわせて作ったOPも、2幕のはじまりも、全部のプレイが好きなシーンだ。ああ、いつかまた”生”で見てみたいな。

いま、なんの稽古もしていない。2ヶ月、家族以外には誰にも会っていないのだから(オンライン以外では)当然だ。果たして感覚を取り戻せるのだろうか。架空の演劇の架空の稽古のことをせっかくだから頭の中で考える。作り方もできあがるものもきっと変わるだろう。そうすることで、この2ヶ月が血肉になる。

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