今日の社内連絡(ブログver)

sundayとかオリジナルテンポとかの作・演出家ウォーリー木下のつれづれなるままのもろもろ。

ノイズ、シンポジウム、カオス

2015-05-23 | Weblog
ようやく大阪に戻れた。ほぼ4ヶ月間帰れてなかったお家は何事も無かったようにそこにあってホッとしたけど。まずはオペラのオーディションからはじまり、海の見える劇場でみんなの歌声を聴く。前回の「愛の妙薬」はオーケストラも映像効果もできる限りいれたおおぶりな演出だったけど、今回はピアノ一本で歌をしっかり聴かせるものをやる。なんで僕がオペラをするのか?それはひとえに興味があるからで、まだ入り口にも立ってないと思うけど、その深淵な世界に足を踏み入れたい。見に行くだけでもいいけど、せっかくチャンスなんだから演出した方が早い。この間、ネットのテレビで「はじめてのノイズ」という番組を見た。吉本の小藪さんが案内人で、非常階段と大友良英さんがゲスト。こってり1時間、ノイズだけを特集していた。一応関西に住んでいたので、それなりに知っているつもりだったけど、あの当時、石を投げればノイズの人に当たるくらい僕の周りにはノイズ系バンドの人がいた(特に京都)彼らはお風呂の中で録音をして感電したり、ガラスを食べたりしていた。やはりノイズの世界も、オペラ同様、とても深い。JOJOさんも大友さんも、聴いていればいつか「聴き分けられるようになる」と言ってた。そうなんだよね。違いがわかるようになるにはとにかく入り込まないとね。しかし面白い番組だったなー。ノイズ熱があがる。
で翌日は吹田で「関西だから面白い」というテーマでシンポジウム@メイシアター。開館30周年記念だそうで。オペラ俳優の清原邦仁さんと狂言師の茂山童司さんとアーツカウンシルの佐藤千晴さんと僕の4人でトーク。関西だから面白い、なんてことはあるのだろうか?ないことはない。けどそれを声高に言うことは野暮ったい気がする。関西という場所に括って考えずに「面白いこと」を作らないといけない。一方で関西、僕の場合は大阪と神戸のふたつはお世話になったというふるさと的な思いと、関わってしまった以上ちゃんとしたい、恩返しをしたいという気持ちがある。だから大阪を離れる予定は無いし、大阪をなんとかしたいという気持ちは橋下さん並にあったりする。
で僕らの前に講演をした沖縄の平田大一さんの話がすこぶる面白く、パッションというのはどんな理屈やロジックなんかを遥かに吹き飛ばすし、面白い人ってのはそういうのを勝手にやってるもんだ。それは見習わないとね。ああ、心に大きな南海の波がばしゃーん。
で翌日は大阪都構想の投票に行ったり、自転車を京橋にとりにいったり、伊丹に打ち合わせにいったりと、ぐるぐると環状線のように天気のよい一日を楽しんだ。大阪の未来はどうなるのか?そんなことは知らないけど、楽しいことが増えればいいと思うし、それは人任せ、行政任せにはしてられないから、頑張ろうと思った。大阪と東京を行ったり来たりしてて、思うのだけど、東京の面白さはシステムの面白さで、それはある意味部外者でもシステムを真似すればその中に入れる。さらに上に行くにはもうちょっといくつかの試験を受けなければいけないのだけど、とりあえず入ることはできる。大阪はシステムはあるようでない。体系化も文脈化もされていない。ほぼ分断されている。大阪はそういう意味ではカオス、その面白さがあって、それが東京と同じような感じにならない方がいいのではないかと僕は思ったりするのだけど、どうだろう。

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