ISM指数が、 景況感の分かれ目である50を下回り、いよいよ景気後退が視野に入ってきたが、FRBはインフレを気にして、逆に利上げの可能性にすら触れている状況である。不況下のインフレという最悪の事態も想定され、FRBによる金融政策の限界を示すものとの言える。
一方、米のガソリン価格は3週連続で上昇し、原油価格も63ドルを超える水準まで再び上がっている。市場の利下げ期待が答えられないと株価も本格的な再調整に入る事態が想定され、一時的な原油安、株高が支えていた個人消費は、原油高、株安、住宅安、(+住宅、製造業の雇用減による所得減)の3つ(4つ)の逆風により、減少が加速する悪循環がいよいよスタートするかもしれない。
◎米企業の景況感に影・景気指数3年半ぶり50割れ
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20061203AT2M0200Z02122006.html
米企業の景況感に陰りが出てきた。米サプライ・マネジメント協会(ISM)がまとめた11月の製造業の景気指数はイラク戦争開戦直後の2003年4月以来、約3年半ぶりに、景況感の分かれ目である50を下回った。これまで「50割れ」の後、米連邦準備理事会(FRB)が利下げに転じることが多かっただけに、利下げ観測が勢いづく可能性もある。
11月のISM指数は49.5と前月比1.7ポイント低下した。7月(54.7)以来、4カ月連続の悪化で、企業活動を「縮小した」との回答が「拡大した」を上回った。項目別でも、受注、生産、雇用の各指数が50割れ。一方、輸出は堅調との回答が大勢を占めた。
◎物価上昇、警戒解けず・米地区連銀総裁
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20061202AT2M0200J02122006.html
米シカゴ連銀のモスコー総裁と米フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は1日、景気の先行きに自信を示すとともに、物価の高止まりに懸念を表明した。市場では米連邦準備理事会(FRB)が来年半ばまでに利下げに転じるとの観測が広がっているが、当局者の間では物価上昇への警戒感がなお強いことが浮き彫りになった。
モスコー総裁は住宅市場の低迷に触れながらも、個人消費や設備投資が底堅さを維持していると述べた。米実質経済成長率は7―9月期の2.2%から徐々に改善し、来年以降は3%程度といわれる潜在成長率に近い水準に回復するとの見通しを示した。
その一方で「物価の上昇率がまだ高すぎる」と指摘。「追加的な金融引き締めがある程度必要になるかもしれない」と語り、物価動向次第では利上げ再開の可能性も残るとの判断を示した。
◎米ガソリン価格、3週連続で上昇 11/28
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT2M2800A%2028112006&g=G1&d=20061128
米エネルギー省が27日発表した最新の米ガソリン平均小売価格(レギュラー)は1ガロン2.246ドル(1リットル約69円)となり、前週に比べ0.3%上昇した。ガソリンの値上がりは3週連続。(ワシントン支局)
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