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世界の将来について、一緒に考えていくブログ
-2006年から大恐慌の到来を予想
-6年半ぶりに投稿

大恐慌!?その239 久々の楽観論台頭、今後は?

2008-04-20 22:29:23 | 世界経済

久々にマーケットに楽観論が戻ってきている。私自身はファンダメンタルズの動きがどこにあるのかいつも気にしているので、あまりその時の”流行り”に興味はないのだが、読者の方は興味を持たれている方も多いと思うので簡単にコメントしておく。

米国のレセッションはほぼ織り込まれた状況と思われるが、その持続期間や厳しさについての見方はいまだ大きく分かれており、楽観派は今年前半0成長に近くても後半には戻ると見ている。私自身は、(1)住宅価格の下落が当面(数年)続き、ホームエクイティの引き出しにネガティブな影響を与え続けること (2)住宅着工件数減少の雇用への影響が当面続くこと (3)金融危機が完全には終わっていないだろうこと、から悲観的な局面が当面続く可能性は依然高いと考えているが、一方で住宅指標が(十分悪化してしかったために)底這い状態でこれ以上悪くなり様なない局面になりつつあること、FRBがモラル・ハザードそっちのけで極端な施策を打っていることなどを考えると、どこかで底打ちが見られる可能性については、以前よりも注視する様にしている。

ちなみにCalculated riskさんの分析では、住宅着工件数は販売数レベルまで落ちており、底が近いとの見方をしている(Roubiniさんはより悲観的)。

○Comments on Roubini Interview

http://calculatedrisk.blogspot.com/2008/04/comments-on-roubini-interview.html

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New Home Sales vs. Single Family Housing Starts Click on graph for larger image.

This graph shows New Homes sales (seasonally adjusted annual rate) vs single family housing starts (SAAR). These two series can't be compared directly because single family housing starts includes homes built by owners - but the graph does show that starts have fallen as much or more than sales.

If you dig into the data and adjust for cancellations, it appears starts of single family homes (built for sale) have fallen below the current new home sales rate. See: More on Housing Starts
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4 コメント

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これを読むと「楽観論」は吹き飛びます (投資蚊)
2008-04-20 23:59:49
IMF「国際金融安定性報告書」(GFSR)
http://www.imf.org/external/japanese/pubs/ft/gfsr/2008/01/sumj.pdf

読むと大変に長いので簡単に書きますと、
1.住宅ローン市場と関連証券の合計損失は5650億ドル前後に達する可能性あり。
2.さらに商業用不動産、消費者金融市場、その他を加えると合計損失は9450億ドルにまで達する可能性あり。

間違いなく、輪転機は故障するでしょう。(爆)
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Re: (world_2050)
2008-04-21 12:48:47
初めにお断りとしては、ファンダメンタルズの動きが実体のマーケットに影響を与えるのは大変時間がかかるものです。私が2006.9に予見した米不況は2008年前半になって、やっとほぼ現実のものとなりました。と言うことで、本文で書いた底入れの動きも、そういうタイムスパンで見た動きについて書いているので、ここ1~2週間急速に台頭した楽観論を是認しているわけではありません。

さて、IMFのレポートの日本語版ありがとうございます。ざっと目を通す時間しかありませんが、「大恐慌!?その203 NY大Roubini教授の金融災害への12ステップ(2008/2/24)」でも紹介した様に、1兆ドル近い金融損失と言う議論は、主流となりつつあり、徐々に織り込まれ始めていると思います。

で、FRBの支援策ですが、私の理解では事実上の公的資金投入に近いことを、FRBは既に行っている。今後、何度かの追加的な危機を経て、損失が上記1兆ドル近いレベルまで拡大すると、FRBだけでは支えきれなくなりますが、その時に米政府がどこまで公的資金でFRBなり金融市場を支えるか次第だと思います。米政府の財務状況は悪化するでしょうが、日本政府に比べると米政府の財務状況は遥かに健全ですからね。ここのところの施策と政治決断次第と言う気がしています。

住宅不況の影響で、世界的な厳しい不況がそれなりの期間続く可能性は高いと思いますが、世界大恐慌の様なクラッシュとはならない可能性も多分にでてきたかと思っています。いずれにしても、当面楽観論と悲観論の錯綜した状況は続きそうかなと。
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色んなバカを投稿して来ましたが (投資蚊)
2008-04-22 00:31:29
僕の本心を言えば、

世界の経済支配層にとっては世界経済や国民生活などはどうでも好いこと。最大の利益が得られるかどうかで判断され、そしてそう成るように実行されて行くでしょう。
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Re: (world_2050)
2008-04-23 12:56:53
本当になりふり構わなければFRBと政府が出来ることはそれなりにある、ということは分かりましたが、無理をすればするほどモラルハザードがひどくなります。今回のバブルもこれまでのFRBによる金融危機救済での最後の貸し手の働きへの甘えから、リスクを冒した者勝ちの風潮が生まれたことが大きな原因でしたが、FRBが行き過ぎた救済策を進めると、更なるモラル・ハザードも懸念されます。いずれにしても、当面は危機と安心の時期の繰り返しが続くと思っています。
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