野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

2006年 5月里山保全活動 お茶をつくる

2018-08-31 | 野生生物を調査研究する会歴史

里山保全作業と茶摘み2006年5月14日(日)

まだ終わりのない下草刈りの作業が続きます。

それで、作業ばかりでは大変と楽しみを考えました。

その一つが茶摘みです。里山には多くのチャノキが生えています。種が落ち野生のチャノキになっていますが

5月新茶がとれるので、それをお茶にすることを紹介しました。その最初がこの記事になります。

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ナチュラリストクラブ 里山保全活動の報告から2006年5月14日の活動

南斜面の草刈りをしました.

斜面の半分ほどまで刈りました。残りは来月の定例作業で刈る予定。
お昼は恒例のおなべ。おなべでみんなほっと一息。

午後は茶摘みです。八十八夜は過ぎていましたが、今年は新芽の育つのが遅く、しっかり新芽を摘むことができました。

家に持ち帰った新芽をもんでみました。茶葉らしくなったでしょう?一番茶は煎茶の味の主成分とされるテアニンが二番茶の3倍以上あり、うまみの多いお茶なのです。
さわやかな香りは最高!

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皆さんには電子レンジで簡単に作るお茶作りを紹介しました

1. つんできたお茶の葉を皿の上にキッチンペーパーをしいて、その上に茶の葉をおき、ラップでおおう。(量は多すぎると時間がかかる)
2. 電子レンジを強にして、3分間かけてみる。電子レンジから出した茶葉をちらす。水分が出てくるので、キッチンペーパーでしめりけをとりながら、少し冷ます。
3.冷めた茶葉をまとめて、てのひらでもむ。水分をとるように、ネバネバするくらいくりかえす。
4.かたまった茶葉をほぐして、ふたたび皿の上にキッチンペーパーをしいて、その上に茶葉をちらす。再び電子レンジ強(600w)。乾くまで
5.2から3まで繰り返し 水分がなくなったら完成

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ポイントはよくもむと味が良い 新茶なので 葉はすぐにやわらくなり、水分も飛びやすいので作りやすいです。

持って帰ってもらったお茶の葉がうまくお茶になった報告はうれしいものです


バッタの仲間(生きている大和川より)

2018-08-31 | フィールドガイド-昆虫編--

バッタのなかま(生きている大和川より)

日本のバッタ類はオンブバッタ科Atractomorphidae、バッタ科Acrididae、イナゴ科Catantopidae(バッタ科の亜科として扱うこともある)などに分類される。
昆虫の生態は、「完全変態」と「不完全変態」に分かれます。バッタのなかまは「不完全変態」

 

トノサマバッタ(バッタ科)
河原や空き地、造成地などで、7月から11月によく見られます。
草地よりも草地が刈られたところでよく見られるのは、産卵場所が土がある程度むき出しの場所が良いからです。
イネ科やカヤツリグサ科の草を食べます。色は、単独で成長したバッタは、緑色で、集団で成長してきたバッタは褐色になるそうです。

クルマバッタ(バッタ科)
トノサマバッタとよく似ていますが、7月から11月に丘陵地帯や山間部の草原で普通に見られ、都市部ではほとんど見られません。
飛ぶと後翅に黒い輪っか模様が現われ、パタパタと軽い音を出します。

クルマバッタモドキ(バッタ科)
クルマバッタに似ていますが、背面に“X字”のように見える1対の「く」の字形の白い細線があります。
荒れ地などの草丈の低い場所住宅地周辺の空き地でも見られます。

ショウリョウバッタ(バッタ科)
8月から11月に明るい草原で普通に見られます。
メスは大きく8cmほどありますが、オスは4~5cmと小さく、飛ぶときにキチキチという音を出します。

オンブバッタ(オンブバッタ科)
8月から12月に畑、空き地、住宅地などで、大きなメスの上に小さなオスが乗っているのがよく見られます。キク科の植物を好んで食べます。


湿原の植物(生きている武庫川より)

2018-08-30 | フィールドガイド--植物編--

武庫川流域には、たくさんの湿原があり、湿原特有の貴重な植物が生息しています。

湿原は、 高層湿原、 低層湿原、 中間湿原の大きく 3 つのタイプに区分されます。武庫川流域は中間湿原に位置します。

 西日本の暖温帯、 丘陵地や低 山地を中心に広く分布しているのがこのタイプの湿原です。三田市の皿池湿原宝塚市の松尾湿原や丸山湿原などがあります。 温暖であるため泥炭は堆積せず、 周辺から湧水などの貧栄養な流入水により涵養され ているのが特徴です。

中間湿原は、 開発により消失してしまいました。(三田市ニュータウンの中には多くの湿原がありました)

また、 残存する湿原でも周辺の林が発達し、 樹木によって日陰や乾燥によて、湿原の面積の縮小や湿原生植物の消失が起こっています。

ハイカーなどによる乱獲で、トキソウ、サギソウ、カキラン、ノハナショウブなどの貴重な植物が絶滅状態になっています。

生きている武庫川でも流域の湿原を調査し、報告しました。

その中から

モウセンゴケ(モウセンゴケ科)
高さ6~20cmで、花は6~8月に咲きます。武庫川流域の湿原や、田の水路沿いの湿原などで見られる食虫植物です。兵庫RD(レッドデータ):Cランク
サワギキョウ(キキョウ科)
高さ50~100cmで、花は8~9月に咲きます。川ぎわの水路沿いなどによく見かけます。沢沿いに多いことから、この名前があります。
ノハナショウブ(アヤメ科)
尚さ40~50cmで、花は6~7月に咲きます。栽堵されるハナショウブの原種です。武庫川流域では、湿原やため池の水辺で見られます。兵庫RD(レッドデータ):Cランク
サギソウ(ラン科)
サギが飛んでいるように見えることから、この名がつきました。高さ20~40cmの多年草で、明るい湿原に生え、夏に白い花を咲かせます。兵庫RD(レッドデータ):Cランク


カメムシのなかま

2018-08-30 | フィールドガイド-昆虫編--

種類の多さでは一番かも

食草が野菜や米だったりするのもいるので害虫としても一番問題になる。

夏から秋にかけて見られるカメムシの仲間を紹介

エビイロカメムシ
頭部が三角形で先が尖った姿が特徴。8月頃羽化、成虫で越冬し、5月末ごろから産卵します。ススキの生える場所でよく見られます。

オオホシカメムシ
オオホシカメムシの体の模様は人間の顔のようにみえます。南方系のカメムシだったのが、北上中。

アカスジカメムシ
赤と黒のストライプの模様が目立ちます。ニンジンやパセリなどのセリ科植物にやってきます。

ウズラカメムシ
暗褐色で、淡黄褐色の縦じま模様、エノコログサ,ススキなどのイネ科が食草です。

エサキモンキツノカメムシ
背部にハート型の紋が特徴です。8月上旬から成虫が見られます。、

モンキツノカメムシ
体の中央に黄色い丸みのある逆三角形の紋が特徴。


大野山(猪名川町)天文台

2018-08-30 | フィールドガイド地質

宇宙の玄関 大野山山頂


 大野山は猪名川の源流部のひとつ猪名川町柏原地区の大野アルプスランドにあります。山頂は、猪名川町農林商工課と猪名川町生産森林組合が整備をし、里山事業を行っています。頂上周辺には町立天文台やキャンプ場があり、周辺にはアジサイが植えられ森林組合が整備しています。
頂上は2つのピークがあり最高峰(753m)には三角点が、もう一つのピーク(740m)には、猪名川町立猪名川天文台があります。

■猪名川町立猪名川天文台「アストロピア」

 猪名川町立猪名川天文台は、阪神間の天文ファンから「夜空がきれいで有名なこの地に天文台を」との声が町役場に届き2002年4月6日開館しました。
 直径6mの観測ドームには、口径50cmフォーク式反射望遠鏡が備えられています。口径50cmと言うと、肉眼の約5000倍の光を集める力があり約15等星まで見ることが出来ます。この大きさの望遠鏡でアマチュアに解放されているものは、県内では西播磨天文台にある「なゆた望遠鏡」などにつぎ2番目の規模です。
 木金土日と祝祭日の13:30~21:30まで開いていますが、見学には最低20:30頃には入館したほうがよいでしょう。

(生きている猪名川改訂版より)


トチノキ

2018-08-30 | フィールドガイド--植物編--

由良川源流調査
由良川の源流部には会員は数十年まえから入山し、四季折々の姿を知っている。
[生きている由良川」のために最初に入山したのは2005年10月。以前の調査の時は、ササが下草として一面に生えていた。そのササが無いのだ。秋のために無いのかと思っていたが、次の年も残念ながらササが全くはえていない。動物による食害なのか、寿命によるものなのか、また人間によるものなのか。これは今後も継続して調査研究する課題だ。
現在,入山者の数を規制している。
トチノキ
源流部には大木となった多くのトチノキがみられる。(写真)
深山の湿潤な渓流沿いの肥沃な土壌地に生育する木で、大木となり、条件が許せば胸高直径2m、高さ25mにも達する。
木材としては材質が柔らかく、木目が美しいなどのために、加工材として利用されています。トチノキは、種子を食用にするために、山林で材木を伐採する場合でもトチノキだけを残すことがある。源流部は伐採されずにのこり立派な大木として多くのトチノキが残る。
実はアクがかなり強いので、カラからこぼれて落ちた赤黒い実はそのまま食べることはできない。1週間ほど清流にさらしてアク抜きをし、次にうす皮をむいてさらに数日間 再び清流にさらし、それから日陰で乾燥させてやっと使い物になるという。兵庫県の但馬地方ではこうしてつくったトチモチが有名である。


エノコログサとアキノエノコログサ

2018-08-29 | フィールドガイド--植物編--

エノコログサとアキノエノコログサ

今年は特に日照り、エノコログサまでが枯れたようになっている
これはエノコログサと簡単に言ってしまったが、アキノエノコログサ
どっちということで 観察会に使っている資料から
農文協の雑草図鑑はよく利用させてもらっている。

さてどちらがエノコロ、アキノエノコロわかりましたか

小穂だけでは見分けがつきにくいけれど
葉を見れば簡単

ぜひおためしあれ

ススキなども葉をまいて蒸散を食い止める今年の暑さは半端じゃないな


子どもの本がおもしろい㉙さくら研究ノート

2018-08-28 | 資料を読む

今年は夏が異様に暑い、台風も来ると桜の葉がすでに元気がない
サクラの紅葉に赤や黄色になる理由が書いてある絵本があった。
光合成ででんぷんができると赤に、できないと黄色になるとか


さくら研究ノート 近田 文弘著 偕成社 2017年 

「日本人とは切りはなすことができない桜の木だが、ここまで詳しく調べ、語られた本は、特に子ども向けにはなかった。
学校には必ずといっていいほどある、桜の木。専門的でありながらも、子どもたちも興味をもって、桜の木を知ることができるように、イラストで、わかりやすく、桜について解説する。
春から始まって、1年間の桜を追いながら桜の花、芽、葉や実の秘密や、冬の間の木のようすを紹介する。
また、どうして花が散るのか、葉はどんな働きをしているのか、散ってしまった後、どのように芽ができてくるのか、根っこの話などに加えて、食べる桜についてのページも。」

紹介文にすべてこの本の要素が述べられている。

光合成ででんぷんができると赤に、できないと黄色になるとか

この本は、ソメイヨシノを中心に1年をまとめた本。子ども向けのサクラの絵本としてはベストの本だと思う

一番気になったのが 食べる桜

葉を食べるが、現在は「オオシマザクラ」の葉を使う。大きな樽にぎっしりと束にして塩づけにするのがはよくわかり、納得。
なぜ、オオシマザクラかというと、葉に毛がなく芳香成分が多いため桜餅にぴったり。
ソメイヨシノの葉には毛がたくさん生えているので、葉を食べる人にとっては口に残る。
そんな理由からも毛のないオオシマザクラ
葉を食べる食べないはルールがないようで・・

桜餅は関西と関東では全く違う。
関東風の桜餅の生地は、水で溶いた小麦粉を平鍋で薄く焼いたもの。丸めたあんを生地で巻くように葉で包む。

こちら関西の人間にとっては、まったく違うのでおどろき。ぜひネットで違いを調べて。


武庫川下流の地形

2018-08-28 | フィールドガイド地質

武庫川下流の地形

武庫川は、北摂山地と六甲山地の間を抜け、沖積平野を形成します。
武庫川低地は、東側を伊丹台地に西側を六甲山地東麓に発達する扇状地性の段丘にはさまれた場所です。武庫川低地には、流れに沿って比較的大きな自然堤防が発達しています。
 武庫川は、沖積平野を形成するときには、氾濫を繰り返し、流れも氾濫ごとにかわることがありました。航空写真をみると、遠い昔の武庫川の流れたあとが見分けることとができます。河川の氾濫によってできた平野を氾濫平野と呼ぶこともあります。

武庫川下流域の地形の特徴


 氾濫平野の西側には流路近くまで、逆瀬川や仁川などによる扇状地がみられます。この低地も古くから開発の進んだ地域で、その全地域で条里の遺構がみられました。
しかし、市街化の波が押し寄せて、現在ではとんどが住宅地に変わってしまいました。

武庫川低地の南側の海岸沿いにひろがる低地を武庫川海岸低地と呼びます。この低地は武庫川と神崎川の河口付近に形成された三角州で、標高も0-3m程度です。 

地下を掘ってみると、シルト、粘土などからなる軟弱な地面です。
低地の中でも、水害に対して最も注意がはらわれてきた地域です。

 武庫川海岸低地には、旧海岸線にそって発達する砂州・砂堆が発達しています。
武庫海岸低地には、JR東海道本線、国道2号線、また阪神電鉄などの交通網が発達しており、大阪へ利便性から、工場や住宅が密集しています。

 さらに近年では、その前面の浅海域を2m前後盛土して、海岸沿いに大規模な人工地形(埋立地)が造成され、工場などが立ち並んでいます。

武庫川低地と猪名川低地の間には、伊丹段丘が発達しています。

 この段丘は標高5-70m段丘です。その北部は北摂山地に接し、北から南に向かってゆるやかに傾斜しています。南の端は、沖積平野の下に埋まってしまいます。
伊丹段丘の東側と西側とは、猪名川と武庫川によってけずられ、比較的急ながけ(河蝕崖といいます)を形成しています。

 伊丹段丘は、猪名川や武庫川などによって形成された古い扇状地で、伊丹礫層といわれています。礫層の厚さは、北部で10m以上あり、南に行くにしたがって薄くなり、端の方では、5m前後です。この段丘北部の北摂山地のふもとには、天王寺川や天神川などによって形成された扇状地が台地上に発達しています。

 また、段丘上には、浅い谷といわれる凹地状の地形になっており、せき止めて作られた昆陽池(こやいけ)や瑞ヶ池などため池があります。

 昆陽池は729年に僧行基によって造られたといわれています。その後、40あまりのため池が造られ、奈良時代の後半には、伊丹段丘の上ではほとんどが水田として利用されるようになったといわれています。