野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

社家郷山(しゃけごうやま)の観察会 2015年9月20日(日)

2023-09-20 | 野生生物を調査研究する会歴史

社家郷山(しゃけごうやま)は東西に長くのびる六甲山地の東エリアにあります。ハイキングや自然観察など様々な野外活動が楽しめる場所です。

今月は身近な社家郷山(しゃけごうやま)で観察会を行いました。出発点は「かぶとやま荘」、ここから樫ヶ峰山頂を目指します。

 

社家郷山(しゃけごうやま)の観察会 2015年9月20日(日)ナチュラリストクラブ

             

かぶとやま荘から少し登ったところは平坦な草地になっていていろいろな植物が観察できます。この辺りはコープこうべが「コープの森」ととして兵庫県「企業の森づくり」制度を活用し、森の整備と現地での体験学習を行っています。秋の草花がたくさん生えていて、早速カメラを取り出してパチリ。

             

この大きなおなかのカマキリはオス。おなかにハリガネムシが寄生しています。ハリガネムシは水の中で生まれ、ボウフラなどの小さな生き物に食べられて最後にカマキリなどの生物の中に入り込み生育、今度はカマキリを誘導して水中に向かわせるんだそうです。恐ろしいマインドコントロール!

 

のんびり・ゆっくりがモットーのナチュラリストクラブの観察会。この辺りからちょっと様子が変わってきて急な坂道の出現、登山の様相を呈してきましたよ!

 

尾根道に出るといつも見上げている甲山が下に。見晴らしが良くて気持ちがいいです。

 

さらに登って、ここが樫ヶ峰の山頂。標高461.1mで甲山より152m高いそうです。ここから少し先に行って見晴らしの良いところでお昼。先生方はうまい具合に日陰に入ってます。どこにいるか分かりますか?

     

この尾根道に生えている木は風が強いので高くなりません。この松で樹齢40年ぐらい。栗の実もカメラよりも下で写真に撮りやすい♪

 

さて帰りですが「いったん下ってから上り、また下るルートと、急だけど下りだけのルートとどちらにしますか?」と聞かれ全員「下りだけのルートで!」

   

チェーンが張られている急な道もありましたが、無事通過。途中でホッと一息。

午後は山を歩くのに集中、急な坂も距離的には短く、お天気がよく気持ちのよい山歩きが出来ました。


2001年 ブラジル国トメアスでの活動の「はじまりのはじまり」

2023-08-28 | 野生生物を調査研究する会歴史

2001年 ブラジル国トメアスでの活動の「はじまりのはじまり」

今年でブラジル国トメアスとの関係を考えると20年以上の付き合いになる。

最初のきっかけは物見遊山でブラジル、ベレンへ旅行に行ったことによる。

そして、ベレンでたまたまトメアスに行くことになったことが、トメアスでの活動が20年以上つづくことになるとは。

以下の文章は、当会の初期のホームペジで掲載していた「ブラジル紀行」を再録したものだ。当時はまだデジカメがそれほど普及しておらず、すべてフイルムカメラでの記録になっているの画像は見にくいことはご了承を。

 

「はじまり」

2001年(平成13年)8月の10 日間、ブラジルのアマゾン川の熱帯雨林を訪れる機会を得ました。

アマゾン流域の破壊は続いています。また、森林の消失は地球温暖化にも影響をあたえます。

森林が減少したために乾燥が進み降雨量が減少していることを知りまた。雨量の減少は深刻な水不足をもたらし、農業に大きな影響を与えています。

トメアスの日系の人たちがおこなっている農業の方法は、わたしたちの行っている里山復元活動の考え方と共通するところがありそうです。人と森の関係を構築する試みをアマゾンの熱帯雨林でもやってみたいと思いました。

行程

1期間:2001年(平成13年)8月11日~20日

2 行き先:ブラジルバラ州ベレン市及びトメアス

3 旅行行程

・1 1日目(成田~ロサンゼルス~ロス~サンパウロ)

・2目(サンパウロ~ベレン)

・3 日目 ベレン市内観光

・4日目 永大産業ベレン工場  州立熱帯生物園見学

・5日目 群馬の森見学

・6日目 トメアス文化協会との交流

・7日目 トメアス熱帯雨林視察

・8日目 買い物

・9 日目 ベレン~サンパウロ、日本へ

4.ベレンの街

ベレン市はブラジル北部パラー州の州都です。

アマゾン川の河口はマラジョー島を挟んで北側の本流と南側のパラー河に分かれ、ベレンはそのパラー河に注ぐトカンチンス河の支流、グァマ河とグァジ ャラ湾に沿った海抜14mの低地に位置します。人口は約140万人、最高気温32度、最低気温22度、湿度80%以上と高温多湿の熱帯雨林気候です。気温は乾季に高く、雨季に低くなるので、ベレン市民は雨季を「冬」と呼んでいるそうです。ベレンの住民は、欧州系、アフリカ系及び先住民の混血が圧倒的に多く、邦人・日系人は約3千人がすんでいます。

ベレン名。物のひとつが、マンゴの並木。(前世紀初めに東南アジアから導入) 結実するのは 11 月頃で、マンゴは誰がとっても良く、少年が小遣いの足しにとせっせと集めている姿は、年末の風物詩になっているでもある。

市内観光

・宝石工芸品博物館(PÓLO JOALHEIRO):刑務所として使用されていた建 物を改築し、2000 年に宝石工芸品博物館としてオープン。、パラー州内で採掘された 5 億年前 の水晶をはじめとする貴石が展示されている。

・エミリオ ゴエルジ博物館(MUSEU PARAENSE EMÍLIO GOELDI):、ブラジル科学技術省が所管する研究施設で一部が一般に開放され、アマゾンの動物学、植物学、考古学、地質学、 文化人類学が学べる。

ロドリゲス・アルヴェス植物園(BOSQUE RODRIGUES ALVES):市営の自然植物園。

カステロ要塞 (FORTE DO CASTELO):1616年に築かれたカステロ要塞は、ベレン随一の観光名所として市民にも親しまれている。

・ヴェロ・ペーゾ市場(MERCADO DO VER-O-PESO);2千軒の露店がひしめく、ベレン市民の市場であるとともに、ベレンの顔として観光名所になっている。

パラー州の食べ物:カランゲージョ(カランゲージョ(泥がに)を塩ゆでしたものを棒で殻を叩き割りながら身をすするのがおすすめ)アサイー(アサイ椰子の実を液状にする。これをマンジオッカ粉をいれ、混ぜて朝食に食べる人が多い。

・群馬の森(現在2023年は「アマゾン日伯友好の森」となっている)

ベレン市より北東へ51kmのサンタ・バーバラ市に、 群馬県出身者がつくる「北伯群馬県人会」が運営する、地球環境と熱帯雨林保護を目的とする原生林が群馬の森(540Ha)。

 5.永大産業ベレン工場の見学(現在2023年 すでにブラジルから撤退している)

 ベレン工場では合板をつくってアメリカに輸出している。この工場では、合板をつくるときにできる 廃棄物を堆肥にして、人工林を栽培している。

その様子を見学した。

 合板の原料はアマゾンの熱帯雨林であり、伐採後 の表層土は雨などの侵食などにより荒廃地化していく。荒廃したこれらの地域では生物多様性の低下, バイオマス(生物体量)の減少,地力の低下がひどく、そのまま植林しても荒廃がすすんでいるので、 植物の成長がのぞめないのが現状である。そのため、自然資源を持続的に利用するためには,拡大しつつある荒廃地を森林に修復し、利用可能な森林を拡大しようという試みをしていいた。

 永大産業の試みは、地域住民の修復作業(混植, インタークロッピング,造林,保育)への参加を生み、地域住民の活動を促し,多様な利益をもたらす 木材生産だけでなく、高い環境機能を持つ多目的森林の修復を栽培林で実施している点は重要であると思われた。

  1. トメアス文化協会との交流

 トメアスはベレンから南に300km、バスで5時 間のところにある。1929年に日本人が始めてブラジルに入植した歴史ある町で、日本人移住地としてはパラー州最大のものである。

現在,農作業のほとんどは現地の労働力を利用し,日本人の農場主の仕事は,作物の植え付けから収穫,出荷に至る企画,立案などの頭脳 労働が主である。

 トメアス文化協会の会長エイカワ氏の紹介 で、農協が経営するジュース工場やコンポストの現場を見学した。

 現在、単純栽培(コショー栽培のみ)から複層栽培をはじめていると言う農場を見学した。端境期のない栽培と根粒バクテリアの増殖に日本では厄介者のクズが栽培され役に立っているのには驚いた。

 ここには、日本食の出る民宿があり、豆腐、き んぴら、みそ汁、サラダ等、などで歓迎していただいた。特に豆腐ときんぴらには日本を離れてひさしぶりに食べた日本食で涙が出るはどうれしかった。

 エイカワ氏にはお忙しい中、入植記念館を案内いただいた。入植当時の病院の保存の事などトメアスの抱えている課題もお聞きすることができた。

7.JICAの熱帯雨林の実験地の見学

熱帯林の現状、伐採現場を見た。

案内人はライフル銃と山刀を携帯して熱帯林に入った。ライフル銃は猿やネズ ミを捕るためとか。

森林内ではワニがいる川とか、ジャガーやクロヒョウがいると聞いても、「あ、そうかと。」素直に耳に入ってくるし、熱帯 林といっても日本の沖縄の方がイメージとして熱帯林らしいと感じ、どちらかといえば南紀の森林に似ていると思った。

一方、樹冠を形成している樹木は迫力があり、ここは正に熱帯林と感じる。このようなところに是非日本の子どもを連れてきたいと思った。3時間程度熱帯林を見学し、迎えの車がくるので車道のそばで待っていると直径1~2mの原木を積んだトラックがひつきりなしにトメアス方面に向かっていくのを見て呆然とした。

 JICAの実験基地に戻り、午後から伐採現場に向かう。

どんどん奥地に車を進めていくと、途中には広大な牧場があった。 野焼きにより作られた牧場のためか、立木が焼かれ白骨のように白や黒色の立木 が乱立している様子は、異様な雰囲気をかもし出していた。どこを見ても牛がいない、聞いてみると水飲み場に行けばいるとのこと、それにしても牛の数が少なすぎる。

何故牛が少ないのかと聞くと、1㌶あたりに牛一 頭の飼育だとのこと、理由は牧草が2年分程度しか生育しないとのこと。 栄養分の少ない表土に 問題がある。熱帯林では腐葉土の分解が早く森林の生育には都合がよいが、耕作としては大変な作 業になるのだなと感じた。入植時の苦労は大変だったろうと思いながら延々と続く牧場を約30分 間程進んだところで一軒の小屋(広さ20畳程度;2部屋で炊事兼食堂と居間に8人程度住む。)を見つけ、住人に車の窓越し伐採場所の情報を得ているようだが、会話の雰囲気からどうも伐採は終わったような感じで、もうダメかと思っていたが別の所へ行く様子、1時間程車を進めた所で一軒の農家でたずね、その農家の人の案内で、道なき道を進んでようやく伐採用の進入道路にたどり着いた。その道を進んでいくと周辺の立木は引き裂かれたように折れ倒れている。これは日本にいる とき本や写真集でよく見る熱帯林の現状と全く同じ、言葉が出なかった。

 現実にその場に立った時のすさまじいさは、日本の伐採とは比べものにならないもので、正に破壊としか言いようがない。そのような思いを巡らせながら伐採の作業場を探し、車のきしみを聞きながら進んでいくと森のはずれに出てしまった。 また空振りかと思っていた。その時、木と木に吊した黒ずんだテントが目に入った。テント周辺には、オイル缶が散乱していることからも、ここが作業場の拠点と察した。交渉の結果、若い作業者が案内してくれることになり一緒に車に乗り、15分程進んだところで全員下り、若い作業者の後をついて熱帯林の中に入っていた。

午前に行った熱帯林とはまた、違って植物が密集しておりこちらの方がすごく歩きにくい。案内の作業員が甲高い声を立て、他の作業員の位置を確認しながら歩くこと10分、着くと40歳くらいの作業員が2人出迎えてくれた。つい先ほど伐採したばかりの直径2m近い木が横たわっている。

 そのからすこし離れたところで、直径が私の両手を一杯にした位の大きな木を今から伐採するとのこと。案内してきた若い作業員がチェンソーで5分もかからぬうちに伐採した。つづいて少し離れた所でも、同じ程度の木を伐採したときには 思わずブラボーと言ってしまった。その伐採技に対し妙に感嘆してしまい思わず声が出てしまった。

 一本の木がなくなると、その周辺がまぶしいぐらい明るくなったことに気づいた。伐採した木は、まさに樹幹を形成していたのだときいた。そばは直径30cm程度の木々が引き裂かれるように倒れているのを見て何とも言えない気持ちになった。

 その矢先に左足のふくらはぎに痛みみを感じ、 左手でそれをさぐったところ左手の人差し指に刺されたような激痛が走った。すぐに振りはなしたが黄色と黒色のまだら色の昆虫だった。

その後はお察しの通りふくれあがった。「ブラボー」 などと言った罰か!気に入っていたサングラスもそのとき落としてしまったようだ。

 トメアスから帰る時間も迫っていたので礼もそこそこにその場を後にした。

8.旅の終わりに

ベレンからサンパウロまでの3000km、6時間あまり。来たときと 同じ機内食にうんざりしながら考えている。

ブラジルは、ここ2年前、電力不足に陥っている。

 今、日本のODAからの助成を得て、アマゾンに巨大なダムを造ろうとしている。ダムを造れば日本の国土の30%がダムの底に沈む広さだと聞く。そうなるとその面積に近い熱帯林が水没することになる。 適材適所というが、ブラジルにとってダムを建設することが最良の策なのだろうか?

 ベレンの人口は100万人以上、その生ゴミは埋め立て処分と聞く。 それを使って、熱帯の気候を利用したバイオマスによる発電、広大な原野を活用した風力発電は可能ではないのか。

 また、トメアスの農協のジュース工場も例外ではなく、近々電力供給を押さえられるかもしれないとか、そうなった場合、現状では対策はないとのこと。 ジュースを製造するとき出る残りかすは捨てるか、 一部コンポスト化している程度、もったいないと思う。

 

以上が2001年の報告です。


ナチュラリストクラブ7月28日(金) 但馬高原植物園

2023-08-07 | 野生生物を調査研究する会歴史

ナチュラリストクラブ7月28日(金) 但馬高原植物園

 

2006年の活動の記録です

2006年 7月27日(木)・28日(金)  『夏の天文教室 2』として

神鍋高原での星空観察と28日は但馬高原植物園での観察を行いました

 

先日(1回目は宝塚市の公民館で夏の天文教室1座学を行いました)天文教室1に引き続き実際に望遠鏡で天体の観測をおこないました。場所は神鍋高原のプチホテル「アルビレオ」。アルビレオは白鳥座の美しい二重星の名前です。「アルビレオ」は神鍋高原内の天文台設備を完備した宿泊施設です。

天体観測をおこなった次の日、但馬高原植物園にいきました。

「ここは和池(わち)の大カツラ(推定樹齢千年以上)の保護をテーマに1996年に開園されました。標高700メートルの瀞川平(とろかわだいら)と呼ばれる高原にあり広さ17ha、そのうち10haが自然林です。平地植物の上限、高原植物の下限、南方植物の北限、北方植物の南限に位置し」南北と高低のさまざまな植物が入り混じっています。また一日5000tの湧水があり、湿度が高く植物の生育には最適の環境を備えています。

 

園内はきれいに手入れされた部分と自然をそのまま残した部分があります。

和池の大カツラ。幹周りは16メートル。 分かれた根の間を通って湧水は園内に流れていきます。この水の流れにバイカモが生息していますが、今年は特に花の付が悪く、今が最盛期と言うのに一つ二つしか観察できませんでした。  

湧水の一部は筧を通して流れ出るようになっています。そばにコップが置いてあって。冷たくておいしい水を飲むことができます。

また園内は昆虫が多く、たくさんの蝶やトンボが飛んでいました。」

近年の猛暑で昨日はさすがに昆虫も夏休み

涼しくなるとまた見られるようになります。


7月 大阪府池田市五月山で夏の虫の観察

2023-07-30 | 野生生物を調査研究する会歴史

7月 大阪府池田市五月山で夏の虫の観察

 

2011年7月17日(日)におこなわれた池田市五月山の夏の虫の観察会(ナチュラリストクラブの観察会より)

梅雨明けとともに昆虫が動き始めます。10年前はまだこんなに暑くなかった気がします。

これだけ暑くなると虫は動かなくなり「夏眠」になります。涼しくなるまでじっとして過ごすのですが・・・

里山でも、午前中から30度を超えころ、顔にまとわりつく虫がいなくなります。

 

今回は梅雨明けまでがよく見られるのですが、観察会で観察した昆虫の紹介です

 

「2011年は平年よりも13日も早く梅雨明け。虫は梅雨の間がいちばん多く見られ、梅雨明けと同時に姿を隠すそうですが今日はいかに?」

講師から観察のこころがまえ

「観察のコツは「ゆっくり歩くこと!」カメの歩みで物を見るといいそうです。そうすれば100mの間でもたくさんの生き物を観察でます。」

 

「歩き始めてすぐのところで毛虫発見。金色の長い毛がきれいな毛虫で所々黒い肌が見えています。あとで図鑑を調べてみると「リンゴドクガ」のようでした。黒い色が見えている方が頭、しっぽのほうは見えませんがお尻の方に茶色い毛の束があります。「ドクガ」という名前ですが毛に毒はなく触っても大丈夫。

             

山の芋の葉がこんなふうに折り曲げられているのはダイミョウセセリの幼虫の巣です。

             

これはアカタテハの幼虫の巣。イラクサ科のカラムシの葉を丸めて作ります。

このササの葉の模様は何でしょう?ササの新芽がまだくるりと巻いている時に虫に食べられたあとだそうです。巻いた葉をまっすぐ食い破ったあと葉が開くと「こんな形に。」

 

木の幹に樹液がにじみ出しています。カナブンがたくさん集まってきました。クワガタやカブトムシも集まってくるかも。昨年はここでオオムラサキも見ることができました。

 

梅雨明けの素晴らしいお天気で、とても暑い日でしたが、たくさんの虫を観察することができました。」

<今日観察した生き物>

ウラギンシジミ、ベニシジミ、ツバメシジミ、スジグロシロチョウ、モンシロチョウ、ツマグロヒョウモン(メス)、ヒメウラナミジャノメ、アサマイチモンジチョウ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ハグロトンボ、チョウトンボ、キイトトンボ、ハラビロトンボ(メス)、コシアキトンボ、ウスバキトンボ、ショウジョウトンボ、ショウリョウバッタ、フキバッタ、ササキリの幼虫、クチベニマイマイ、オオケマイマイ、ウスカワマイマイ、ニッポンマイマイ、リンゴドクガ、ヒメスズメバチ、女王アリ、ヘリカメムシの仲間、ハナグモ、シデムシの幼虫など


涼を求めてー箕面のシダ植物の観察会

2023-07-23 | 野生生物を調査研究する会歴史

箕面のシダ植物

 

この暑い時期の観察会は涼しいところがよい。

阪神間、および近く涼しいところ、

箕面の滝道

樹木や野草、シダの観察

昆虫館があるように昆虫

地質などなど 涼しく観察にピッタリの場所だ。

昭和42年に「明治百年」を記念して東の高尾山、西の箕面に国定公園に指定された。

正式な名前は「明治の森 箕面国定公園」

昔から紅葉の名所として、また箕面の滝で有名な観光名所。

ここに行くと紅葉の天ぷらが有名。1000年以上の歴史があるという。

 

当会でも何回も観察会をおこなっており

ナチュラリストクラブ2008年7月18日(日) 『箕面の滝の秘密』で

シダの観察会で観察したシダ植物の紹介。


スズラン(スズラン科)2004年5月大和川調査より

2023-07-11 | 野生生物を調査研究する会歴史

スズラン(スズラン科(APGⅡ分類体系))

 

高等小学読本巻一の「西比利亜鉄道」の中に“谷百合”と植物名がある。

この草の英名の“リリー・オブ・ザ・バレー”を直訳したものだが、この谷百合にかみついた学者がいる。

鈴蘭とか君影草という立派な和名があるのに「文部省は何を苦しんでこんな直訳名を用い、旧来の和名を放棄するのか」と

牧野冨太郎氏で『随筆草木志』に述べている。

 

スズランはユーラシアの温帯に広く分布するが、北米ではアパラチアン山系の一部にみられるにすぎない。

兵庫県では但馬の標本があるが詳細は分からない。

「生きている大和川」の調査の時に奈良県のズズランの自生地を訪問した。

吐山(はやま)スズラン群落だ。

 日本では、おもに中部山岳地帯以北にあり、北海道に分布している。

発見当時、奈良県の吐山では大きな群落が成立している分布の南限地帯として貴重であるため,天然記念物に指定された。

庭などで見られるズズランはヨーロッパ原産のドイツスズランで、花の茎が長く、葉よりも上に花をつける。

吐山のスズランは野生の在来種で、花の茎が短く葉の下に花がつくのが特徴です。葉に隠れてひっそりと咲いていま

北海道ではアイヌの人たちにチロンノプキナ(狐の草)とよばれ、白樺林が似合うこの花も、乱穫され、ずいぶんと少なくなった。自生地は、平取町や豊富町(サロベツ原野)、恵庭など、ごく限られた地域になっている。

 

奈良県がスズランが自生する南限地とされていたが、その後、熊本県の波野高原などでも発見された。

阿蘇市波野(旧波野村)でスズラン自生地発見 (『波野村史』p.47)

北海道などで多く見られるスズランの自生地が阿蘇市波野(旧波野村)で発見されたのは、昭和49年5月のことです。当時の「熊本日日新聞」(昭和49年5月27日)には、次のように報じられています。

「スズランが密生 波野の原野で発見 北海道や本州中部以北の高原にしかないといわれるスズラン自生地が阿蘇郡波野村の原野で見つかった。同村では、この小さな鐘のような花と、さわやかな香りを持つ北国の植物を育てたいと保護策を検討している。スズランはスズラン科の多年草で、別名をキミカゲソウともいう。日本では、北海道や中部以北の高原に自生しているが、南国九州で自生しているのは、きわめて珍しい例といわれる。阿蘇地方では昭和45年春、阿蘇郡一の宮町の北外輪山ハイランド牧場で自生地が見つかっており、波野村は2番目。同村の自生地は標高約800mで、農業Yさん(50)の私有地。5平方メートルほどの広さに密生している。」https://kumamoto-museum.net/blog/archives/chiiki/1113より

 


七夕 

2023-07-08 | 野生生物を調査研究する会歴史

「七夕」

 

何の日 1/7、  3/3、  5/5、  7/7、  9/9

5節句です。 1/7 人日(じんじつ) 3/3上巳(じょうし) 5/5端午(たんご) 9/9 重陽(ちょうよう)

そして7/7 が七夕です。

 

1月7日が節句になっています。中国では、正月の1日を鶏の日、2日を狗(犬)の日、3日を猪(豚)の日、4日を羊の日、5日を牛の日、6日を馬の日、そして7日を人の日とされています。

日本では七草の日として春の七草(セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ)の入った七草粥を食べます。一年の無病息災を願って食べます。

 

七夕は梅雨の真っ最中におこなわれます。織姫(おりひめ)と彦星(ひこぼし)天の川を渡って、1年に1度だけ出会える夜、昨日のように雨だと出会えない日になってしまいました。

 

本来、太陰の行事なので新暦では8月になります。ちなみに今年2023年は8月7日です。

太陰暦は月を基準とした暦です。ですので1月でも2月でも7月でも3日は三日月です。

「十五夜お月さん」は満月ですが、太陰暦だとどの月でも15日は満月なのです。

7月7日は半月(上弦の月)、22~23時ごろには月は西に沈むので、夜半には天の川がよく見えます。

 

七夕祭りとは

  牽牛・織女二星の夫婦星のうち、織女星が遊楽にふけって機織りのわざを怠ったため、天帝の怒りを受け、牽牛星と引き離されてしまった。後に許されて、年に一度七月七日の夜だけ逢うことができるようになった、とするものです。

  そのため、七月七日の夜は雨が降らぬように、天の川が水で溢れぬようにと祈り、合わせて織姫星の機織りのわざにあやかろうと、女性は染色や裁縫の腕の上達を願うという行事です。

  この行事は、わが国では奈良時代の中頃に中国から伝えられたもので、「乞巧奠(きつこうてん)」(裁縫や染色などの手わざを巧といい、その上達を祈る祭り)に倣ったもので、七夕祭りは万葉人や王朝貴族の星祭りのひとつでした。

  また、七月七日の夜を意味する中国伝来の「七夕(しちせき)」を「たなばた」としたのは、「棚機津女(たなばたつめ)」に由来します。

「棚機」は「たなばた」で、「津女」は水辺に掛け造りにした棚の上で聖なる来訪者を待って機(はた)を織っている女性のことです。

  ところが、民間における七夕祭りは、中国式や王朝・貴族の星祭りとは大きく異なっています。

 

  日本では、七月七日をボンハジメといって、この日を盆行事に入る初めの日として重視している地方が多くあります。

  この盆は、盂蘭盆会などの仏教行事と根本的に違ったもので、魂祭りといわれるように、祖先の精霊がこの期に家に帰ってくる日のことで、氏神祭りと同じ家々のお祭りなのです。

  このお祭りを機会に、家族のものは祖先の精霊とねんごろな対面を行うので、その祭りに先だってこの七日を盆初めと定め、墓掃除や仏壇・仏具の清掃をします。ところによっては、井戸替えや膳椀洗いをはじめ、平素洗髪の暇さえ与えられぬ女でも小川に行って必ず洗髪をしたようです。

  また、七へん親を拝み、七へん海に浴び、七度先祖を拝んで七度飯を食う日などといって、この日を非常に重視している地方もあります。

  このように仏教の盂蘭盆会とは何の係わりもなく、家々の先祖祭りの初めの“ナノカビ”(七日日)として重要なのでした。(武田明「志々島昔話集」より)

 

七夕が幼稚園から行事としていまでもよく行われていますが、

小学校4年の理科では星座の学習をします。

夏の大三角の学習が入っているのは、織姫彦星の星についてよく知っている理由からでしょう。

 

4年のキーワードは、夏の大三角 わし座(アルタイル) こと座(ベガ) はくちょう座(デネブ)

 

七夕に関係するのがわし座のアルタイル(彦星)とこと座のベガ(織姫星)です。

 

7月のプラネタリウムに行くと、夏の大三角と七夕の話が必ず話されます。

 

まず、牽牛星(αAql)

    わし座の1等星で“アルタイル(飛ぶわし)”(アラビア語)のことです。

   和名は“彦星”、“おぼし(男星) ”、“犬飼星”です。            

 

光度;0.8等級 スペクトル型;A5 (主系列星) 表面温度;9,000K 実光度;太陽の10倍 距離;17光年

   この星は、高速で自転しており、その周期はわずか7時間で、赤道付近での自転速度は秒速259kmになります。(太陽の自転周期は約27日です)

    これだけの速度で自転しているので、“ひこぼしの顔”は、その遠心力でひしゃげてしまっています。

 

そして、織女星(αLyr)

    こと座の1等星で“ベガ”のことです。“べガ”はアラビア語で“下るわし”のことです。

    和名は“織女星”、“たなばた姫”、“たなばたつめ”、“織り姫星”、など

  光度;0.0等級 スペクトル型;A0 (主系列星) 表面温度;11,000K、 実光度;太陽の60倍 距離;26.5光年

    この星には、10等級の伴星があります。

    また、“ベガ”は地球の歳差のために、1万2千年後には北極から5度ほど離れたところで輝く、次の「北極星」となります。

 

  織女(ベガ)と牽牛(アルイタイル)との2星の間の距離を計算すると16光年となります。

「光速のロケット」で16年かかる距離ですから、1年に1回のデ-トはとても無理です。

  江戸時代には、“たらい”に水を入れて2星を写して見ると、水面が揺れたときに2星が手をつなぐという方法を考えたそうです。

  この間、間にある“はくちょう”はどんな顔をしているのでしょうか。

 デネブった顔になった?!

 

過去何度か星の観察会を実施してきた

天文の話を阪神間で実施している会員が講師になって大人向け、子ども向けと望遠鏡をのぞきながら

宇宙の不思議に聞き入るのはおもしろい

参考文献 宝塚市天文同好会天文ミニ学習


ナチュラリストクラブ  梅雨の京都府立植物園でコケの観察

2023-07-01 | 野生生物を調査研究する会歴史

ナチュラリストクラブ  京都府立植物園でコケの観察

 

梅雨の時期、雨が続くと外出も億劫になりがちですが、雨が美しさが際立つのが苔。

ナチュラリストクラブは過去何度か苔の観察会を実施ししています。今回は、2014年6月22日(日)の京都府立植物園でコケの観察の記録です。

普段なにげなく、大きな、きれいな花は注目されますが、小さな場所でもいろんなコケがみることができます。

 

ナチュラリストクラブの記録より

「2014年6月22日(日) 京都府立植物園でコケの観察

今回のテーマです。

大きな木に付くコケの観察です。

木肌に流れる雨のPHが違うので木に付くコケの種類も木によって違ってくる。

高さ50cmぐらいまでは地上と同じ条件とみなされ、木に着生するコケを観察する時は地表から50cmより上にあるもので比較していきます。

円盤状に広がったコケ。これは真ん中に胞子が落ち、放射状に広がっていったものです。

チヂミカヤゴケ、同様に放射状に広がっていき、厚くなった真ん中の部分が落ちてしまった物です。

             

地面の観察も怠っていません。ナツノハナワラビ。

フユノハナワラビは里山でたくさん見かけますが、「ナツノハナワラビと言うのもあったんですね。」

お次は大きな木にびっしりとついたコケを観察。

            

針葉樹にはコケが付きにくいそうです。これはその典型、ハリモミ。

 

このコケの真ん中が枯れているのはカラスのフンが落ちたからです。PHが変わるとすぐに枯れてしまうんですね。コケは中間木が無い木漏れ日程度の日が差し込むところでよく成長します。落ち葉が積もって日が当たらなくなってもダメで、苔庭が美しいのは落ち葉欠きや草むしりなどのマメな手入れのおかげだそうです。

 

カシ類の木に虫が産卵するのを予防にする為に冬の間ビニールのようなものを巻いていた木。湿度や温度がコケの生育にちょうど良い状態になり、その部分だけコケが勢いよく生長しています。

             

クスノキの並木道。100年近いクスノキが200mにわたって並木道を作っています。川端康成の「古都」にも登場し、現在87本あるそうです。

常緑樹なので一年中美しいト爽やかンネルを作っていますが、夏はさらに木陰がさわやかに感じられるでしょうね。」


トメアス 私たちの大切なもの(7) アマゾン自然学校のテキストより

2023-05-20 | 野生生物を調査研究する会歴史

トメアス 私たちの大切なもの(7)

 

今回がテキストマンガの最後

飲料水が地下水を利用しているので、地下水の汚染からまもるために・・・

 

アマゾン自然学校に参加した子どもたち

インフラの責任は大人にあるが 子どもたちが生活に使う水を守ることが

ゴミの処分方法が大切だよと伝えました。

 

日本と同じで、田舎に住んでいるから自然について体験しているとは限らない。

 

当会でも、自然について少しでも興味関心を持ってもらえるように観察会をしている

興味のある人は ナチュラリストクラブのホームページを見てください。

https://barmam.sakura.ne.jp/naturalist/

 


トメアス 私たちの大切なもの(6)アマゾン自然学校テキスト

2023-05-19 | 野生生物を調査研究する会歴史

トメアス 私たちの大切なもの(6)

 

水の循環の話は 小学校6年で学習する。日本では河川が短いのですぐに海まで行ってそれが蒸発してまた戻ってくる絵がふつう。

しかし、トメアスは海までは遠いし、また川の幅は非常にひろい。アマゾン川以外の川でも、川幅は瀬戸内海の幅より大きい。画像はトカンティンス川。向こうに見えるのは川の中州。フェリーにトラックが数台のっているがわかるだろうか。川を渡るにはフェリーで。しかも6時間ぐらいは普通。瀬戸内航路、いやそれ以上かも。

河の蒸発の量も多い。河の蒸発によって積乱雲ができる。

 

水の循環の後トメアスの水の状態について話が進む。

2005年のころでも、トメアスの雨量が減ってきていると農家の人が心配しているのが印象的にのこっている。河畔林でも、どんどん水がさがり、減ってきているのが現状だ。

トメアスの状況に話が進む

そして、水道の水は日本では浄水場をとおして家庭に来るが トメアスでは

こうして、いよいよまとめにはいる。つづく