野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

夏のたじま高原植物園

2023-08-06 | 生きている加古川

たじま高原植物園

兵庫県の但馬高原の瀞川平(とろかわたいら)の湧水のもとにあるカツラの樹高約38m、幹まわり約16mの巨木。

樹齢1000年以上、県指定天然記念物になっている。

この植物園の顔でもある

 

1日5000トンといわれる豊富な湧水からは湿地が形成されており、ザセンソウやミズバショウをはじめ貴重な高原植物がみられる。

湧水は園内をながれ、10℃の水の流れの中にバイカモがさいていた。

 

植物園のなかは落ち着いた雰囲気。

背景の広葉樹に囲まれ緩やかな地形に起伏の少ない歩きやすい散策路が魅力

 

8月上旬に見られる案内地図を片手に散策した。

8月上旬は花の種類が少ないが、花の多いときは吸蜜にやってくる昆虫の種類も多いのが魅力。

 


水生昆虫の見分け方 

2023-06-03 | 生きている加古川

水生昆虫とは

 

水生昆虫とは、水の中に棲んでいる昆虫です。

水中で生活しているのは、主に幼虫の時期です。

しかし、ゲンゴロウやタガメなどの仲間は、成虫になっても水中で生活しています。

水生の昆虫には、甲虫の仲間、カメムシの仲間、トンボの仲間、カゲロウの仲間、トピケラの仲間、カワゲラの仲間、ハエの仲間などがいます。

また、ガやチヨウの仲間(ミズメイガ)、 アミメカゲロウの仲間(へビトンボ)、ハチの仲間(ミズバチ)など、少ないですが、ほとんど水中で生活します。

水生昆虫以外にも、川のかなにはヒルやイトミミズ、貝類、エビ•カニの仲間などがいます。

水生昆虫は、川や池沼、時には海でも見ることができます。

水生昆虫は水中の生活に適応していくためにエラや泳ぐための器官、流されないようにするための形、川底に潜りやすい形に発達しています。

水生昆虫の特徴は、「水中に適した形」をみるとよくわかります。

水生昆虫の餌は、同じ仲間でも大きく異なり、 肉食、藻類食、落葉食、雑食など多様です。

 

おもな水生昆虫の特徴(足は6本が基本ですが、ハエ目ではありません)

 

カゲロウのなかま(不完全変態)

  • 尾は2本か3本(ときどき切れている)
  • 腹の部分の側方には葉や房状のエラがある。
  • 足のツメの本数は、必ず1本。
  • 平べつたいもの、流線型のもの、ずんぐりしたものなど、形は多様。

カワゲラのなかま(不完全変態)

  • 尾は必ず2本
  • ツメの本数は、必ず2本
  • 胸や腹の側方、尾の付け根に糸状•房状のエラがある種類がいる。
  • 胸が3つに明確に分かれることが多い。

トビケラのなかま(不完全変態)

  • イモムシ状のかたちをしている
  • 尾のカギ爪は必ず2本(一対)ある
  • 体の側方にエラがある種類がある
  • 枝や葉、石などで巣をつくる種類がある
  • 足は必ず6本ある

 

トンボのなかま(不完全変態)

  • 尾はない
  • 細長いもの、平たいものなど、形は多様
  • 口はマスク状のものが下面側にある
  • 身体は押すと硬い感じがする(キチン質)
  • 触角が明瞭にある

ハエのなかま(完全変態・幼虫が陸生のものも多数いる)

  • 足はありませんが、義足と呼ばれる突起がある場合があります(関節がない)。
  • 頭、胸、腹がはっきりと区別できない
  • 頭に硬い部分(キチン質)があるもの(ユスリカ、ブユ)やないもの(ガガンボ、アミカ) があるが、基本的はイモ虫型。
  • 昆虫の中でも種類が多く、形態も多様

ヘビトンボのなかま(ウスバカゲロウのなかま)(完全変態)

  • 口に大きな顎がついている(肉食)。
  • 尾のカギ爪が1対で、それぞれ2叉する
  • 腹の各体節の各側方に糸状の突起がある(房状エラがあるのが普通のへビトンボ)

(へピトンボの仲間は兵庫県内では3種類います。)

甲虫のなかま(完全変態•幼虫が水生だが成虫も水生の場合あります)

平たいものから流線型のものまで形は多様

足はかならず6本

尾に2本のカギ爪(一対)がない

体の表面は硬いカラで覆われる

 

■昆虫以外の生物

巻貝(タニシやカワニナなど)、二枚貝(シジミ類、ドブガイなど)が ある。硬いカラを持っています。

カニやエビの仲間:カニには、サワガニとモクズガニの2種、エビには、ミナミヌマエビ、スジエビ、テナガエビ、アメリカザリガニ(外来)が主に兵庫県内に生息しています。汽水域に入ると種類が増える。

イトミミズやヒル類:体節を輪っか状に区切られた環形動物。身体の色が赤や褐色の事が多い。様々な種類がいるが分類はむつかしい。

 

水の汚れ具合と、そこに住める水生昆虫の種類が、ある程度決まるので、見つけた水生昆虫から、その川の水の汚れの度合を調べる方法があります。水生昆虫の種類で、川の水のよごれぐあいがわかるのです。


小野市のコハクチョウ

2023-01-31 | 生きている加古川

きょう、コハクチョウを見に行きました。
兵庫県です。小野市の鴨池へ
加西市は、国内最南端のコハクチョウ越冬地の一つ。ということで加西市の情報を調べていましたが、見つからず。
小野市の鴨池にいるとの情報で、見に行きました。
しかし、見つからず。女池のほうを見に行くとやっと見つけました。
まだ、首が灰色がのこっているコハクチョウも。お昼ごろだったので、食後の休憩といったところでしょうか。
ユーラシア大陸北部のツンドラ地帯から渡ってきたコハクチョウ。一番北の端で夏に子育てします。
そして、秋(10~11月)から春(4~5月)まで日本にやってきて越冬します。
4000kmを日本へ約2週間かけて渡ってくるといいます。ここ小野市では稲の落穂や水中の藻などを、食べているといいます。


資料を読む 「ふるさと景観 -播磨・但馬に広がる市川流域のまち-」(柴田泰典著 2014年 牧歌舎発行)

2019-03-10 | 生きている加古川
資料を読む
「ふるさと景観 -播磨・但馬に広がる市川流域のまち-」(柴田泰典著 2014年 牧歌舎発行)
今年4月からいよいよ
「生きている加古川」の編集にかかる
これまでにない構成を考えている
ほかの河川の参考文献はないかと探し出したのがこの本。
筆者は市川流域に暮らしており、市川の年とともに変わりつつある様子をじっと見守っている
子どもの頃の思い出に
「市川は兵庫県にある2級河川としては流路延長が約78kmと最も長く、
朝来市生野町から姫路市飾磨までの流域人口約13万人の生活を支えている。
ま た、姫路市では水道水使用量の約半分を市川の表流水に依存しており、市川
は姫路人口約53.2万人の命を支えている。
市川流域は、姫路市飾磨で一部が海と接しているが、ほとんどが森林に囲まれた盆地や渓谷に人々は暮らしている。
したがって、市川流域の人々のくらし、森林環境と河川環境に多大な影響を受けている。
 市川の中流域に住む私にとって、市川及び流域は子どもの頃は遊びの場であったが、
今は河川敷は荒れ果て、安らぎや憩いを与えてくれる場所もなく、ウオーキング、ランニングができる遊歩道の整備もほとんどされておらず、
 単なる水路に過ぎない。
子供の頃、夏になれば、友達とじゃれあいながら泳いだり、深く潜って魚を追いかけたりして日々を楽しんだ。
また、市川にはうなぎが多く生息しており、夜になると餌を求めて活発に動き回る習性を利用し、好物のミミズを長さ1m程度の竹製
の筒に入れ、日没前に川の流れに沿って沈め、石の重りで固定、早朝に引き上げに行き、筒からゴソゴソと音がするとウナギが入っており、
うれしくて、うれしくて駆け足で家に持ち帰った。
 さらに、私の母らは恒屋川にある階段を下りたところにある洗い場で野菜や衣顛の水洗いをしながら井戸端会識をするのが日課であった。
市川流域の山々は、子供の頃は広葉樹林が多く残り、林床植物(森林の地面に生育する植物)も豊かであり、弁当箱を背負って、一日中ガンピ
(落葉低木で皮が紙の原料となる)を採り、家に帰ると、皮をむいて、1-2週間程度軒下で乾燥し、1ケ月程度まとめて業者に持っていき、
満面の笑みでお金を受け取り、好きなおやつを買うなどして、楽しんだ。」
と自然豊かな市川の様子が、自然豊かな市川が近年過疎化が進む現状を、憂い、また市川の自然を通して人々のくらしを通して流域の活性化の手立てが願いである。
章立ても
目次
1 概要
2 自然(市川流域河川森林、山、滝、渓谷 ほか)
3 暮らし(治水・利水用水 ほか)
4 豊かで住みやすいまちづくり
流域を細かく紹介、索引がないのが残念