野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

タケニグサと有毒植物

2023-07-27 | 自然観察会

タケニグサ(ケシ科)

本州,四国,九州地方の日当たりのよい荒れ地に生える夏緑性多年生草本。

 

茎は中空で切ると黄色の乳液を出す。

白い花をたくさんつける。花弁はなくがく片は花が開くと同時に落ちる。

細い糸のようなおしべが線香花火のようにひろがる。中心にめしべがある。

花が終わると扁平な果実ができる。

名前の由来については諸説あるが、茎が中空でタケに似るからといわれている。

有毒植物。

 

 

鹿児島では緑化の植物として使われている。

有毒なためシカが食べないので活用されている。

種子はアリが運ぶ。種子の表面にはエライオソーム(種冠)がついているので、それをえさにするアリが種子を運ぶ。同じ有毒植物であるクサノオウやムラサキケマンも同じように種子をアリに運ばせる

 

野外観察会では

食べると有害な植物、触ると有害な植物、公園など身近にある有害な植物を紹介して害に巻き込まれないように注意を呼び掛けている。

食べるのがダメなのは

①キツネノボタン

花が咲く前がセリに似ている。食べると吐き気を起こす。

②クサノオウ

茎に毛が多く,傷をつけると黄色い液が出て,触るとかぶれる。食べると吐き気,下痢を起こす。

③ムラサキケマン

赤紫色の美しい花が咲く。全株有毒だが,毒性は強くない。量多く食べると吐き気,下痢を起こす。

④タケニグサ

葉の緑が不規則に裂けていて,茎を傷つけると黄色い液が出る。食べると吐き気,下痢を起こす。

⑤キツネノカミソリ

春先に長さ 40cmほどになる葉を出すが,夏に枯れる。全草有毒で,食べると吐き気を起こす。

⑥トウダイグサ

葉や茎を傷つけると白い液が出て,触るとかぶれる。食べると吐き気,下痢を起こす。

⑦アセビ

山地に生える常緑低木。全株有毒であるが,特に若葉の毒性が強い。食べるとけいれんを起こす。

⑧シキミ

山地に生える常緑低木。全株有毒であるが,特に果実に毒が多く,食べるとけいれんを起こす


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2 コメント

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Unknown (Rafael Romg Favo.)
2023-12-20 17:20:36
タケニグサ位の毒は,大学の薬学部の実習で,モルヒネ類似物質のけしアヘンアルカロイドの味見として,舐めて居るそうで,モルヒネと同じくとても苦く不味いそうです.多量に致死量含める味では無いとの事です.それ依りも同じ様に舐めた場合に死亡して仕舞う強毒な植物が,花壇に植栽されて居ます.キョウチクトウです.焚き火の煙を吸っても死亡する事があるという危険な植物です.なす科のチョウセンアサガオもエンジェルストランペットフラワー等と呼び,販売されて居ます.キチガイナスビと呼ばれる反面,その毒を,麻酔薬に花岡(華岡)青洲が曼陀羅華と呼んで使用したので,日本麻酔科学会のシンボルです.花岡青洲の母親が服用し死亡して居ります.
Unknown (Rafael Favo)
2024-04-30 03:44:30
タケニグサと葉の裏面に毛が無いケナシチャンパギク等のケシ科タケニグサ属の植物で日本原産種は,中国大陸原産の小果博落廻と共に欧米では,プルームポピー(直訳:羽毛ケシ)と云う人気の園芸草花です.色々な色の花が咲く様に品種改良され桃,紫,赤紫,紅,赤,朱,橙,山吹,黄,薄黄,薄緑,薄青,青紫,茶等の色の蕚を着ける.一部の花色の株で,桃,赤紫,紫,薄青等の株の普通白い地上茎,葉柄,葉脈,葉裏面に同じ色が被さる他,葉の表の緑の部分にも花と同じ色が被さる.1株¥2000以上位の価格である.国内でもイングリッシュガーデンのオーナーは,自生種であるが植える愛好家も居ます.園芸品種は,中国大陸の原産種と掛け合わせて居るので,持ち込むと風媒花と虫媒花の性質を併せ持つので,直ぐに雑種が発生し,国内原産種が滅んで仕舞う恐れがある.ケシ科タケニグサ属の植物は,崖崩れの崩壊地,水害,山火事,伐採跡地,建設用の一時的裸地,鉄道や高速道路等の新設の盛土高架,又は堀割の法面等の,植物生育不可能地に好んで生育する,先駆植物(さきがけ・せんくしょくぶつ),パイオニアプランツの性質が有り,崩壊地,伐採地等で陽光が地面に届くと,混入して休眠して居た種子(盛土高架等は種子を機械で吹き付け散布播種を行う)が,陽光の照射で休眠打破されて一斉に発芽する.タケニグサ属もケシ科ですから種子はケシ粒でとても小さく,タケニグサの実生苗も根は糸よりも細い物が4㎜位で地上の茎も同じ位双葉は長さ3㎜幅0.7㎜.1枚目の本葉は茎より細い葉柄が3㎜位で本葉の直径は4㎜位で前縁から星形をする.直ぐに大きく生育して,タケニグサ属の群落が形成される.多年生植物であるので,晩秋に1年目の地上部は枯死して休眠するが,地下には根茎を生存する.真冬の寒気で休眠打破し,春の暖気で発芽するが1度種からは発芽したので,本葉での発芽となる.前年の地上部は腐葉土等で自らの肥料になると同時に,他の植物の種子の定着を助ける.3年目位で他の植物が発芽し始め,4年目を過ぎると木本植物の種子も定着し発芽し始めます.林や森になると,日陰が苦手なタケニグサ属の植物は周囲の陽光が届く位置以外は枯死して,種子を休眠させて,再び裸地になるのを待つのです.都市や鉄道軌道式の脇,道の分離帯に多く生育するのは,雑草の刈り取り等で,タケニグサ属の生育適地を人工的に作って居るからです.知らないだけで園芸草花植物には,タケニグサ属よりも強い有毒成分を含んでいる植物が多くアサガオ,ヒヤシンス,スイセン,チューリップ,ジギタリス,シクラメン,ツクバネアサガオ(ペチュニア),チョウセンアサガオ(エンゼルストランペット),ポトス,マドカズラ(モンステラ),サンセベリア,クンシラン,オモト,ヒナゲシ,オニゲシ,アザミゲシ,ケマンソウ,ポインセチア,レンゲツツジ,アザレア,アセビ,キョウチクトウ,テイカカズラ等で数切りがなく有毒園芸草花植物はあるのですが,気にされず,花瓶の水の残りを飲み,死亡事故が起きて居り,タケニグサは大学薬学部のケシ科の乳汁の味見の実習で,舐めて居るので,それ程心配はありません.勿論多量に口にすれば命を落とす危険も出ますが,ケシ科の植物の乳汁が含むモルヒネ類似物質のアルカロイドは,医薬品のモルヒネもとても苦く不味いので,乳汁も青臭く戸手も苦く多量には口に出来ません.ですので大丈夫です.

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