武庫川流域には、たくさんの湿原があり、湿原特有の貴重な植物が生息しています。
湿原は、 高層湿原、 低層湿原、 中間湿原の大きく 3 つのタイプに区分されます。武庫川流域は中間湿原に位置します。
西日本の暖温帯、 丘陵地や低 山地を中心に広く分布しているのがこのタイプの湿原です。三田市の皿池湿原宝塚市の松尾湿原や丸山湿原などがあります。 温暖であるため泥炭は堆積せず、 周辺から湧水などの貧栄養な流入水により涵養され ているのが特徴です。
中間湿原は、 開発により消失してしまいました。(三田市ニュータウンの中には多くの湿原がありました)
また、 残存する湿原でも周辺の林が発達し、 樹木によって日陰や乾燥によて、湿原の面積の縮小や湿原生植物の消失が起こっています。
ハイカーなどによる乱獲で、トキソウ、サギソウ、カキラン、ノハナショウブなどの貴重な植物が絶滅状態になっています。
生きている武庫川でも流域の湿原を調査し、報告しました。
その中から
モウセンゴケ(モウセンゴケ科)
高さ6~20cmで、花は6~8月に咲きます。武庫川流域の湿原や、田の水路沿いの湿原などで見られる食虫植物です。兵庫RD(レッドデータ):Cランク
サワギキョウ(キキョウ科)
高さ50~100cmで、花は8~9月に咲きます。川ぎわの水路沿いなどによく見かけます。沢沿いに多いことから、この名前があります。
ノハナショウブ(アヤメ科)
尚さ40~50cmで、花は6~7月に咲きます。栽堵されるハナショウブの原種です。武庫川流域では、湿原やため池の水辺で見られます。兵庫RD(レッドデータ):Cランク
サギソウ(ラン科)
サギが飛んでいるように見えることから、この名がつきました。高さ20~40cmの多年草で、明るい湿原に生え、夏に白い花を咲かせます。兵庫RD(レッドデータ):Cランク