野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

湿原の植物(生きている武庫川より)

2018-08-30 | フィールドガイド--植物編--

武庫川流域には、たくさんの湿原があり、湿原特有の貴重な植物が生息しています。

湿原は、 高層湿原、 低層湿原、 中間湿原の大きく 3 つのタイプに区分されます。武庫川流域は中間湿原に位置します。

 西日本の暖温帯、 丘陵地や低 山地を中心に広く分布しているのがこのタイプの湿原です。三田市の皿池湿原宝塚市の松尾湿原や丸山湿原などがあります。 温暖であるため泥炭は堆積せず、 周辺から湧水などの貧栄養な流入水により涵養され ているのが特徴です。

中間湿原は、 開発により消失してしまいました。(三田市ニュータウンの中には多くの湿原がありました)

また、 残存する湿原でも周辺の林が発達し、 樹木によって日陰や乾燥によて、湿原の面積の縮小や湿原生植物の消失が起こっています。

ハイカーなどによる乱獲で、トキソウ、サギソウ、カキラン、ノハナショウブなどの貴重な植物が絶滅状態になっています。

生きている武庫川でも流域の湿原を調査し、報告しました。

その中から

モウセンゴケ(モウセンゴケ科)
高さ6~20cmで、花は6~8月に咲きます。武庫川流域の湿原や、田の水路沿いの湿原などで見られる食虫植物です。兵庫RD(レッドデータ):Cランク
サワギキョウ(キキョウ科)
高さ50~100cmで、花は8~9月に咲きます。川ぎわの水路沿いなどによく見かけます。沢沿いに多いことから、この名前があります。
ノハナショウブ(アヤメ科)
尚さ40~50cmで、花は6~7月に咲きます。栽堵されるハナショウブの原種です。武庫川流域では、湿原やため池の水辺で見られます。兵庫RD(レッドデータ):Cランク
サギソウ(ラン科)
サギが飛んでいるように見えることから、この名がつきました。高さ20~40cmの多年草で、明るい湿原に生え、夏に白い花を咲かせます。兵庫RD(レッドデータ):Cランク


カメムシのなかま

2018-08-30 | フィールドガイド-昆虫編--

種類の多さでは一番かも

食草が野菜や米だったりするのもいるので害虫としても一番問題になる。

夏から秋にかけて見られるカメムシの仲間を紹介

エビイロカメムシ
頭部が三角形で先が尖った姿が特徴。8月頃羽化、成虫で越冬し、5月末ごろから産卵します。ススキの生える場所でよく見られます。

オオホシカメムシ
オオホシカメムシの体の模様は人間の顔のようにみえます。南方系のカメムシだったのが、北上中。

アカスジカメムシ
赤と黒のストライプの模様が目立ちます。ニンジンやパセリなどのセリ科植物にやってきます。

ウズラカメムシ
暗褐色で、淡黄褐色の縦じま模様、エノコログサ,ススキなどのイネ科が食草です。

エサキモンキツノカメムシ
背部にハート型の紋が特徴です。8月上旬から成虫が見られます。、

モンキツノカメムシ
体の中央に黄色い丸みのある逆三角形の紋が特徴。


大野山(猪名川町)天文台

2018-08-30 | フィールドガイド地質

宇宙の玄関 大野山山頂


 大野山は猪名川の源流部のひとつ猪名川町柏原地区の大野アルプスランドにあります。山頂は、猪名川町農林商工課と猪名川町生産森林組合が整備をし、里山事業を行っています。頂上周辺には町立天文台やキャンプ場があり、周辺にはアジサイが植えられ森林組合が整備しています。
頂上は2つのピークがあり最高峰(753m)には三角点が、もう一つのピーク(740m)には、猪名川町立猪名川天文台があります。

■猪名川町立猪名川天文台「アストロピア」

 猪名川町立猪名川天文台は、阪神間の天文ファンから「夜空がきれいで有名なこの地に天文台を」との声が町役場に届き2002年4月6日開館しました。
 直径6mの観測ドームには、口径50cmフォーク式反射望遠鏡が備えられています。口径50cmと言うと、肉眼の約5000倍の光を集める力があり約15等星まで見ることが出来ます。この大きさの望遠鏡でアマチュアに解放されているものは、県内では西播磨天文台にある「なゆた望遠鏡」などにつぎ2番目の規模です。
 木金土日と祝祭日の13:30~21:30まで開いていますが、見学には最低20:30頃には入館したほうがよいでしょう。

(生きている猪名川改訂版より)


トチノキ

2018-08-30 | フィールドガイド--植物編--

由良川源流調査
由良川の源流部には会員は数十年まえから入山し、四季折々の姿を知っている。
[生きている由良川」のために最初に入山したのは2005年10月。以前の調査の時は、ササが下草として一面に生えていた。そのササが無いのだ。秋のために無いのかと思っていたが、次の年も残念ながらササが全くはえていない。動物による食害なのか、寿命によるものなのか、また人間によるものなのか。これは今後も継続して調査研究する課題だ。
現在,入山者の数を規制している。
トチノキ
源流部には大木となった多くのトチノキがみられる。(写真)
深山の湿潤な渓流沿いの肥沃な土壌地に生育する木で、大木となり、条件が許せば胸高直径2m、高さ25mにも達する。
木材としては材質が柔らかく、木目が美しいなどのために、加工材として利用されています。トチノキは、種子を食用にするために、山林で材木を伐採する場合でもトチノキだけを残すことがある。源流部は伐採されずにのこり立派な大木として多くのトチノキが残る。
実はアクがかなり強いので、カラからこぼれて落ちた赤黒い実はそのまま食べることはできない。1週間ほど清流にさらしてアク抜きをし、次にうす皮をむいてさらに数日間 再び清流にさらし、それから日陰で乾燥させてやっと使い物になるという。兵庫県の但馬地方ではこうしてつくったトチモチが有名である。