野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

2013年度淀川調査を通して(植物班)

2018-08-20 | 野生生物を調査研究する会歴史

淀川調査を通して
早春いち早く葉を展開し、開花するカタクリやユキワリイチゲなどの植物や、早春だけに出現し春の女神などと呼ばれるギフチョウなどの昆虫は、人目に触れることなく一年の大半を地中または蛹の状態で過ごし、早春だけにその姿を見せる。このようなものはSpring ephemeralと呼ばれ、長く寒かった冬が終わり、待ちに待った春の到来を告げる生物である。
しかし、これらの生物の生活は、手つかずの自然の懐で営まれるのではなく、多くは人間の生活と深く関係していることが多い。カタクリやフデリンドウ、ユキワリイチゲなどはうっそうとした原生林の中というよりは、人間の手が入ったクリ畑や、コナラやクヌギなど落葉広葉樹林の、冬から春先にかけて日の光が届く林床に見る事が出来ることが多い。
淀川河川敷におけるSpring ephemeralと呼ぶことのできる生き物の一つに、ヨシやオギの生える場所に多くみられるノウルシ(トウダイグサ科)やコウヤワラビ(ウラボシ科)があげられる。夏の間ヨシ原は2m以上にも大きくなったヨシによって光が地面まで届かないが、冬に枯れることにより地表面まで光がさすことがある。また、野焼きなど人為的な作業でより一層地面に光が差し込むようになった場所に、いち早く生えるのがノウルシやコウヤワラビなどである。こうした人為的操作も加えた一連の循環は、長年クヌギなどの木を薪炭材として利用してきた里山での人間の諸活動に生活サイクルを合したカタクリやギフチョウなどと同じ様な生活サイクルである。
このように人間の生活と共に、人間の手が入った状態があるがゆえに保たれる自然のサイクルのなかでうまく適応し生きている自然がある。まさに、「生きている淀川」である。
また、これは植物にだけに限定されることではなく、人為的構造物であるワンドにイタセンパラをはじめとする多くの特有の魚類が生活してきたことも同様に位置づけることができる。
自然環境と言えば手つかずの原始に近いものと思いがちであるが、人の生活と密接な関係を保ちながら、または、適度な距離を置きながら、生物はしたたかに生活してきた。しかし近年、別の意味で人為的に持ち込まれた外来の動植物が増えつつあり、それが在来の生物の種としての存在を脅かしつつあることについては、一定の歯止めをかけなければいけない段階に来ている。
人間の生活に影響を受けながらも、共存してきた在来の自然と、共存しえない外来の自然との一線を画一すべきことは重要である。


2013年11月17日淀川ワンドでの外来魚と駆除活動

2018-08-20 | 野生生物を調査研究する会歴史

「生きている淀川」を作っているとき、淀川ワンドでの外来魚と駆除活動に協力することができた。

2013年 11月17日淀川ワンドでの外来魚と駆除活動の報告


外来魚とは、本来生息する場所から人の手によって他の地域に導入されたものを指す。
  食用や他の生物駆除のために導入された。
  さらに観 賞用のものが捨てられた。
  その結果、在来種の餌を奪ったり、そのものを食べたりして、侵略的な動きで絶滅の危機を招いている。
  また、交雑によって純粋な在来種がいなくなっている。


外来魚の実態
ブラックバスは1925年芦ノ湖に導入、ブルーギルは1960年に導入され、日本全土に分布を拡大した。以降釣りブームで積極的な放流が繰り返された。旺盛な食欲で在来魚やその卵を食べて、激減をまねいている。特定外来生物として放流や生きたままの持ち帰りは禁止されている。

駆除の方法
モンドリ、地引き網、産卵床、釣り大会などを各自治体や河川事務所、各自然保護団体が行っている。
 日本の豊かだった生物多様性を保全し再生する活動が活発に展開されることを願っている。


2013年 生きている淀川 源流調査

2018-08-20 | 野生生物を調査研究する会歴史

生きているシリーズを作る際には必ず源流を求める
淀川は三河がきほんとなるので、この3つの支流の源流を探し求めた


「木津川(きづがわ)」
淀川水系の支流をなす長さ99kmの一級河川。三重県西部の青山高原を源流とする
流域の9割を山地が占めているため、自然環境もよく、源流部はスギの林の中にある

「宇治川」
琵琶湖から流出する瀬田川を源流とする。大津市南郷で宇治川となる。
水量は琵琶湖から流れ出る瀬田川にある洗堰で調節しています。
渓谷なって宇治市まで流れていきます。

「桂川」
桂川の源流は佐々里峠付近。ヤマヒルがこれまで見なかったのに、ここでもみられるようになったのは驚きでした。
シカなどの野生動物の移動が多くなったのが原因?